給湯器のエラーコード一覧|代表的なトラブルの原因と対処法について紹介

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給湯器のエラーコード一覧|代表的なトラブルの原因と対処法について紹介
給湯器に不具合が生じた場合、リモコンパネルに【032】【111】など数字が表示されることがあります。これらの数字は「エラーコード」と呼ばれ、給湯器に何らかの異常が発生していることを知らせるサインです。

給湯器のリモコンパネルに、突然エラーコードが表示された場合、戸惑う方も多いでしょう。エラーコードの意味を知ることで、不具合の原因を把握でき、落ち着いて対処ができます。

この記事では、給湯器のエラーコード一覧を紹介するとともに、エラーコードごとの原因や対処方法、修理費用などについても解説します。

給湯器にエラーコードが表示されたら

給湯器のリモコンパネルにエラーコードが表示されたら、どのような意味があるのかを確認しましょう。
1995年以降に製造された給湯器のエラーコードのほとんどは、国内の主要メーカー間で統一されています。そのため、基本的なエラーコードの知識は、給湯器のメーカーを問わず、役立てることができます。

エラーコードが表示されたからといって、必ずしも給湯器が故障しているとは限りません。ガス供給や水圧の一時的な問題、天候の影響など外部要因によってもエラーコードは表示されます。
エラーコードの意味を確認し、必要に応じて適切な対処を行いましょう。

主要メーカーのエラーコードの確認方法

主要メーカーのエラーコードは統一されているものの、メーカーによって表示方法が異なる場合もあります。
メーカーごとのエラーコードを確認したい場合、各メーカーに直接問い合わせるのが確実な方法です。そのほか、各メーカーの公式ホームページに記載されている製品マニュアルなどを参考にするのも良いでしょう。

参考:

『 エラーコード 』 内のFAQ | リンナイ

故障かな?と思ったら | ノーリツ

パーパス給湯器 型式別エラー番号一覧 | パーパス

よくある質問 | パロマ

給湯器のエラーコード一覧

ここで、給湯器の主要メーカーである、リンナイ、ノーリツ、パーパス、パロマ間で統一されているエラーコードの一覧をご紹介します。

エラーコード

不具合の内容

011

連続燃焼異常停止

012

ふろ燃焼(おいだき)許容時間超過

032

排水栓の閉め忘れ

043

熱源機の渇水異常

101

給湯出力ダウン運転(給排気詰まり)

102

ふろ機能回復運転

103

暖房燃焼改善運転

110

点火不良

111

給湯点火不良

112

ふろ点火不良(追い焚き不良)

113

暖房 点火不良

121

給湯立ち消え安全装置作動、給気汚染異常

122

ふろ途中失火、立ち消え安全装置作動

123

暖房立ち消え安全装置作動

130

COセンサー作動

140

温度ヒューズ・過熱防止装置作動

161

給湯器内の温度異常

162

ふろ異常過熱

163

部分凍結異常

170

ドレンタンク水位電極水位異常

173

暖房水微小漏れ

200

給湯残火安全装置作動

208

過熱防止装置回路断線

252

ふろ水流スイッチの異常(ON状態)

290

中和器水位異常

291

中和器水位電極異常

310

低温感知サーミスタ異常

312

ふろサーミスタ異常

313

暖房高温サーミスタ異常

321

給湯サーミスタ異常

322

ふろサーミスタ異常

323

暖房低温サーミスタ異常

324

床温センサー異常

331

熱交サーミスタ異常

341

給気サーミスタ異常

350

オイルサーミスタ異常

380

COセンサー異常

392

バーナセンサ異常

393

バーナセンサ異常

430

ドレンタンク水位電極異常

432

水位センサー異常

433

暖房水位電極異常

502

湯はり不良

510

ガス遮断機能異常(元ガス電磁弁)

511

ガス遮断機能異常(給湯ガス電磁弁)

512

ガス遮断機能異常(ふろガス電磁弁)

520

ガス比例弁異常

543

暖房補水異常

562

湯張り電磁弁異常

610

燃焼用ファン異常

632

ふろ水流スイッチ異常、ふろ循環ポンプ異常

640

ドレンアップポンプ異常

643

暖房ポンプ異常

651

水量サーボ異常

661

バイパス水量サーボ異常

662

おいだき熱動弁 開弁異常

700

電子基板異常

710

電子ユニット異常

721

給湯疑似炎検知

722

ふろ疑似炎検知

723

暖房疑似炎検知

760

燃焼制御回路の故障

762

三方弁ユニット通信異常

763

信号線誤接続

900

給排気閉塞異常

901

給湯給排気閉塞異常

902

ふろ給排気閉塞異常

903

暖房給排気閉塞異常

920

中和器寿命(警告)

930

中和器寿命(機器停止検知)

991

給湯機能停止

992

ふろ機能停止

993

暖房機能停止

エラーコードの数字の意味

給湯器のエラーコードには、特定の意味が割り当てられています。コードを読み解くことで問題の内容や発生箇所を特定できます。

それぞれどのような意味があるのかを、詳しく見ていきましょう。

最初の2桁

エラーコードの最初の2桁は、エラーの内容を表します。最初の2ケタのエラー内容を一覧にまとめました。

最初の2ケタ

エラー内容

03

浴槽排水栓、リセット不良

05

ふろアダプター、循環アダプター

10

自己診断機能動作

11

点火不良

12

途中失火

14

ハイリミットスイッチ、温度ヒューズ

16

沸騰検知、コントロール不能

17

漏水検知動作

19

漏電検知

25

水流スイッチ

31

サーミスター

32

サーミスター

41

水量センサー

43

水位センサー

50

部品全般、配管潰れ

51

ガス電磁弁

52

ガス比例弁

54

切替弁、三方弁

61

燃焼ファン

63

ふろポンプ、循環ポンプ

71

電磁弁駆動回路

72

炎検出回路

73

電装ユニット設定ミス

90

給排気経路異常

99

燃焼異常

例えば、「12」は途中失火を意味するエラーコードです。途中失火とは「着火はするが途中で火が消えてしまい、水が温まらない」という状態です。「12」のエラーコードから、何らかの原因によって点火を妨げるトラブルが発生していることがわかります。

最後の1桁

エラーコードの最後の1桁は、どこでエラーが起こっているのかを示す数字です。0から4までの数字が振り分けられています。

最後の1ケタ

エラーが起こった場所

1

給湯側

2

ふろ側

3

暖房側

4

端末

0

共通箇所

エラーコードの最後の1桁に「2」が表示された場合は、エラーが起こっている場所はふろ側であると判断できます。

【エラーコード別】代表的なトラブルの原因と対処法

エラーコードは、故障以外の軽微なトラブルでも表示されます。中には、自身で確認し、対応できるケースも数多くあります。ここでは、表示される代表的なエラーコードと対処法をいくつか紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
エラーコードを確認したうえで、「対処法を試してみても解消しない」「自分では対処できない」といった場合は、専門業者に相談しましょう。

【032】浴槽の排水栓の閉め忘れ

エラーコード【032】は、排水栓を閉め忘れた状態でお湯はりボタンを押した際に表示されます。排水栓を閉めることで解決するため、慌てずに対処しましょう。

ただし、排水栓を閉めてもエラーコードが消えない場合は、給湯器が故障している可能性が考えられるため、専門業者に点検を依頼する必要があります。

【111】給湯点火不良

エラーコード【111】は、給湯器内部で点火不良が起き、お湯が出ない状態に表示されます。考えられる代表的な原因とその対処法は以下です。

原因

対処

給排気不良(ゴミなど)

排気口を掃除する

強風や豪雨などによる浸水

雨が止むのを待ち、給湯器内が乾燥してから使用する

外気温が低いことによる凍結

自然解凍を待つ

ガスの元栓が閉じている(いたずらなど)

ガスの元栓を開く

コンセントが抜けている・断線している

コンセントを入れる、断線している場合は交換する

安全装置が(地震などにより)作動している

安全装置を解除する

上記の対処法を試しても改善しない場合は、専門業者に連絡をしましょう。

【112】ふろ点火不良

エラーコード【112】は、ふろ回路の点火不良によりお湯が温まらない状態を意味します。ふろ点火不良が起こる原因と対処法は、以下の3つです。

原因

対処

ガスの供給が正常に行われていない

ガスの元栓が閉じていないかチェックする。閉じている場合はガス栓を開き、点火チェックする

点火装置が正常に作動していない

他のガス器具は点火するのかチェックする。点火できない場合、ガスメーターも確認し、ガスの供給が止まっている場合は、ガスメーターの復帰操作を行う

ガスの供給が正常に行われていないことに加え、点火装置も正常に作動していない

安全装置が作動していないかチェックする。安全装置が作動していた場合は、ガス給湯器のリモコンのスイッチを切り、再びつける

エラーコード【112】は、ガスの供給が止まっている可能性もあります。上記対処法を試してもエラーが表示される場合は、ガス会社に連絡をしてください。

【121】お湯が出ない

エラーコード【121】は、お湯が出ない場合に表示されます。【111】の給湯点火不良と症状がよく似ていますが、エラーが発生するタイミングが異なります。
【121】は、お湯を使っている途中に何らかの点火不良が発生し、急にお湯がでなくなります。一方、【111】は初めから点火不良を起こしているため、お湯はでません。
【121】は、給排気周りの汚れなどが原因で起こることが多いエラーです。原因や対処法は以下のとおりです。

原因

対処

給排気不良(ゴミなど)

排気口を掃除する

強風や豪雨などによる浸水

雨が止むまで待ち、給湯器内が乾燥してから使用する

外気温が低いことによる凍結

自然解凍を待つ

ガスメーターがガスの供給を

ストップしている

ガスメーターの復帰操作を行う

上記が原因ではない場合、給湯器のリセットを試しましょう。リセットを試してもエラーコードが表示される場合は、専門業者へ修理依頼をしてください。

【140・14】異常加熱

エラーコード【140・14】は、給湯器本体や内部が異常加熱している可能性が高い場合に表示されます。そのまま使用を続けると火災などにつながる危険性が高いため、給湯や暖房を止めている状態です。
自分で解決することは難しいエラーのため、速やかに専門業者へ連絡しましょう。

【290】中和器水位異常

エラーコード【290】は、中和器の異常を示します。中和器とは、お湯を沸かす際に給湯器内で発生する、酸性の排水(ドレン水)を中性にする装置です。主にガス給湯器「エコジョーズ」内部で使用されています。
【290】が表示された場合、中和器の故障、もしくは凍結や詰まりなどが起きていることが考えられます。

原因

対処

中和器の故障

専門業者に連絡をする

中和器の詰まり

ドレン配管を掃除する

外気温が低いことによる凍結

自然解凍を待つ

ドレン配管とは、給湯器本体についている配管のひとつです。お湯の使用時には、少量の水がぽたぽたと垂れますが、排出機能によるもののため異常ではありません。対して、ドレン配管から水が垂れなくなった場合、中和器の詰まりが発生している可能性があり、掃除をするなどの対処が必要です。

上記の対処を試しても改善されない場合や、ドレン配管とそのほかの配管の区別がつかない場合は、専門業者に対処してもらいましょう。

【632】ふろ水流スイッチ異常、ふろ循環ポンプ異常

エラーコード【632】は、ふろ水流スイッチの異常・ふろ循環ポンプの異常を意味します。お湯の循環不良が起きている状態です。

原因

対処

浴槽の湯量不足

水の量を循環アダプターの上になるまで調整する

循環アダプターのフィルターの詰まり

循環アダプターを掃除する

外気温が低いことによる配管の凍結

自然解凍を待つ

循環アダプターとは、浴槽内にあるお湯が出る部分を指します。循環アダプターのフィルターは詰まりやすいため、定期的に掃除をすることで、エラーの発生を未然に防止できます。

上記の対処をしてもエラーコードが消えない場合は、専門業者に修理依頼をしましょう。

【710】回路や基板の異常

エラーコード【710】は、主に燃焼制御回路の故障が発生している場合に表示されます。強風や落雷などの外的要因によって起こることもあります。
まず給湯器のリセットを試してみましょう。運転中に黒い煙が出る、ガスのにおいがするといった異常を感じた場合、火災につながる恐れもあるため、すぐに使用を中止し、専門業者に連絡をしてください。

【760】燃焼制御回路の故障

エラーコード【760】は、給湯器内の回路や基板、またはリモコンパネルに不具合が起きた場合に表示されます。暴風雨や落雷などが原因となり、リモコン本体の故障や配線の断線、リレーの故障などが考えられます。

燃焼制御回路が故障していると、スイッチを入れても給湯器は作動しません。給湯器のリセットを試してもエラーが表示される場合、専門業者に交換してもらうことが対処法となります。

【888・88】標準使用期間の経過

エラーコード【888・88】は、故障や異常ではありません。設計上の標準使用期間、もしくはそれ相当の使用回数を経過したことを知らせる表示です。対処方法と内容の詳細は以下のとおりです。

対処法

詳細

あんしん点検を受ける

メーカーのホームページ、もしくはお客さまセンターから申し込む。基本的に有償で、相場は1万円前後

お客さまセンターへ電話する

エラーコードの表示を解除できる。だたし、1年後に再度エラーコード「888・88」が表示される

新しい給湯器に交換する

不完全燃焼、異常発火が起こる危険性もあるため、標準使用期間(約10年)を過ぎている場合は交換を検討するのがおすすめ

【888・88】は故障の表示ではないため、そのまま使用し続けることも可能です。しかし、標準的な使用条件を過ぎた給湯器は、きちんと点検をしていても突然故障してしまう可能性があります。高温のお湯が出てヤケドをする、ガス漏れが起こるなど、危険性の高い事故が発生する恐れもあります。
【888・88】が表示されたら、使用上の異常を感じていなくても、専門業者に点検を依頼しましょう。

給湯器故障の主な原因

給湯器が故障する原因はさまざまです。ここでは、給湯器が故障する主な原因を解説します。

経年劣化や過度の使用

給湯器の寿命は、メーカーや種類によって異なりますが、一般的には約10年です。10年を過ぎると定期的に点検をしていても故障のリスクは増加します。

設置からの期間が短くても、給湯器を過度に使用した場合は部品の劣化を早めます。家庭用給湯器を業務用として使用する、大量のお湯を頻繁に使用するなど、給湯器の性能を超える使用は早期の故障につながるため注意が必要です。

天候の影響

給湯器は屋外に設置されることが多いため、天候や環境の影響を受けやすい機器です。低温による配管内の凍結、暴風雨による給湯器内への浸水トラブルなど、冬場や台風の季節には特に注意が必要です。

配管に保温材を巻く、給湯器へ防水カバーをかけるなどの対策は、故障リスクの軽減に効果があります。

給湯器の修理にかかる費用相場

給湯器の修理を依頼するときに、気になるのは費用です。以下の表で、故障箇所ごとの費用相場を見てみましょう。

故障箇所

修理費用の相場

燃焼系(バーナーなど)

14,000~33,000円

電気系統(電装基板など)

6,000~45,000円

水制御装置(水量サーボなど)

10,000~35,000円

安全装置

7,500~58,000円

中和器

12,000~38,000円

リモコン

16,000~38,000円

給湯器の保証期間内であれば、無償で修理や交換が受けられる可能性があります。保証期間内を過ぎている場合は、一般的に修理費用は全額自己負担です。
修理費用は、給湯器の種類や状況、修理を依頼する専門業者によって異なります。複数の修理業者に見積もりを依頼し、費用の比較検討を行いましょう。

まとめ

給湯器のエラーコードは、何らかの不具合を示すサインです。数字の意味を理解することで、給湯器のどの部分にどのような不具合があるのかを把握でき、適切な対応が可能となります。

エラーコードの意味を理解できたとしても、自分で解決できない場合や修理・点検が必要となる場合もあります。安易な自己修理やエラーコードの放置は、ガス漏れや火災などの事故につながる恐れがあるため非常に危険です。自分で対応できる範囲を超えていると感じたら、給湯器の専門業者へ点検を依頼しましょう。

執筆年月日:2024年9月

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