給湯器のエラーコード一覧|代表的なトラブルの原因と対処法について紹介
給湯器のリモコンパネルに、突然エラーコードが表示された場合、戸惑う方も多いでしょう。エラーコードの意味を知ることで、不具合の原因を把握でき、落ち着いて対処ができます。
この記事では、給湯器のエラーコード一覧を紹介するとともに、エラーコードごとの原因や対処方法、修理費用などについても解説します。
給湯器にエラーコードが表示されたら
給湯器のリモコンパネルにエラーコードが表示されたら、どのような意味があるのかを確認しましょう。
1995年以降に製造された給湯器のエラーコードのほとんどは、国内の主要メーカー間で統一されています。そのため、基本的なエラーコードの知識は、給湯器のメーカーを問わず、役立てることができます。
エラーコードが表示されたからといって、必ずしも給湯器が故障しているとは限りません。ガス供給や水圧の一時的な問題、天候の影響など外部要因によってもエラーコードは表示されます。
エラーコードの意味を確認し、必要に応じて適切な対処を行いましょう。
主要メーカーのエラーコードの確認方法
主要メーカーのエラーコードは統一されているものの、メーカーによって表示方法が異なる場合もあります。
メーカーごとのエラーコードを確認したい場合、各メーカーに直接問い合わせるのが確実な方法です。そのほか、各メーカーの公式ホームページに記載されている製品マニュアルなどを参考にするのも良いでしょう。
参考:
給湯器のエラーコード一覧
ここで、給湯器の主要メーカーである、リンナイ、ノーリツ、パーパス、パロマ間で統一されているエラーコードの一覧をご紹介します。
エラーコードの数字の意味
給湯器のエラーコードには、特定の意味が割り当てられています。コードを読み解くことで問題の内容や発生箇所を特定できます。
それぞれどのような意味があるのかを、詳しく見ていきましょう。
最初の2桁
エラーコードの最初の2桁は、エラーの内容を表します。最初の2ケタのエラー内容を一覧にまとめました。
例えば、「12」は途中失火を意味するエラーコードです。途中失火とは「着火はするが途中で火が消えてしまい、水が温まらない」という状態です。「12」のエラーコードから、何らかの原因によって点火を妨げるトラブルが発生していることがわかります。
最後の1桁
エラーコードの最後の1桁は、どこでエラーが起こっているのかを示す数字です。0から4までの数字が振り分けられています。
エラーコードの最後の1桁に「2」が表示された場合は、エラーが起こっている場所はふろ側であると判断できます。
【エラーコード別】代表的なトラブルの原因と対処法
エラーコードは、故障以外の軽微なトラブルでも表示されます。中には、自身で確認し、対応できるケースも数多くあります。ここでは、表示される代表的なエラーコードと対処法をいくつか紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
エラーコードを確認したうえで、「対処法を試してみても解消しない」「自分では対処できない」といった場合は、専門業者に相談しましょう。
【032】浴槽の排水栓の閉め忘れ
エラーコード【032】は、排水栓を閉め忘れた状態でお湯はりボタンを押した際に表示されます。排水栓を閉めることで解決するため、慌てずに対処しましょう。
ただし、排水栓を閉めてもエラーコードが消えない場合は、給湯器が故障している可能性が考えられるため、専門業者に点検を依頼する必要があります。
【111】給湯点火不良
エラーコード【111】は、給湯器内部で点火不良が起き、お湯が出ない状態に表示されます。考えられる代表的な原因とその対処法は以下です。
上記の対処法を試しても改善しない場合は、専門業者に連絡をしましょう。
【112】ふろ点火不良
エラーコード【112】は、ふろ回路の点火不良によりお湯が温まらない状態を意味します。ふろ点火不良が起こる原因と対処法は、以下の3つです。
エラーコード【112】は、ガスの供給が止まっている可能性もあります。上記対処法を試してもエラーが表示される場合は、ガス会社に連絡をしてください。
【121】お湯が出ない
エラーコード【121】は、お湯が出ない場合に表示されます。【111】の給湯点火不良と症状がよく似ていますが、エラーが発生するタイミングが異なります。
【121】は、お湯を使っている途中に何らかの点火不良が発生し、急にお湯がでなくなります。一方、【111】は初めから点火不良を起こしているため、お湯はでません。
【121】は、給排気周りの汚れなどが原因で起こることが多いエラーです。原因や対処法は以下のとおりです。
上記が原因ではない場合、給湯器のリセットを試しましょう。リセットを試してもエラーコードが表示される場合は、専門業者へ修理依頼をしてください。
【140・14】異常加熱
エラーコード【140・14】は、給湯器本体や内部が異常加熱している可能性が高い場合に表示されます。そのまま使用を続けると火災などにつながる危険性が高いため、給湯や暖房を止めている状態です。
自分で解決することは難しいエラーのため、速やかに専門業者へ連絡しましょう。
【290】中和器水位異常
エラーコード【290】は、中和器の異常を示します。中和器とは、お湯を沸かす際に給湯器内で発生する、酸性の排水(ドレン水)を中性にする装置です。主にガス給湯器「エコジョーズ」内部で使用されています。
【290】が表示された場合、中和器の故障、もしくは凍結や詰まりなどが起きていることが考えられます。
ドレン配管とは、給湯器本体についている配管のひとつです。お湯の使用時には、少量の水がぽたぽたと垂れますが、排出機能によるもののため異常ではありません。対して、ドレン配管から水が垂れなくなった場合、中和器の詰まりが発生している可能性があり、掃除をするなどの対処が必要です。
上記の対処を試しても改善されない場合や、ドレン配管とそのほかの配管の区別がつかない場合は、専門業者に対処してもらいましょう。
【632】ふろ水流スイッチ異常、ふろ循環ポンプ異常
エラーコード【632】は、ふろ水流スイッチの異常・ふろ循環ポンプの異常を意味します。お湯の循環不良が起きている状態です。
循環アダプターとは、浴槽内にあるお湯が出る部分を指します。循環アダプターのフィルターは詰まりやすいため、定期的に掃除をすることで、エラーの発生を未然に防止できます。
上記の対処をしてもエラーコードが消えない場合は、専門業者に修理依頼をしましょう。
【710】回路や基板の異常
エラーコード【710】は、主に燃焼制御回路の故障が発生している場合に表示されます。強風や落雷などの外的要因によって起こることもあります。
まず給湯器のリセットを試してみましょう。運転中に黒い煙が出る、ガスのにおいがするといった異常を感じた場合、火災につながる恐れもあるため、すぐに使用を中止し、専門業者に連絡をしてください。
【760】燃焼制御回路の故障
エラーコード【760】は、給湯器内の回路や基板、またはリモコンパネルに不具合が起きた場合に表示されます。暴風雨や落雷などが原因となり、リモコン本体の故障や配線の断線、リレーの故障などが考えられます。
燃焼制御回路が故障していると、スイッチを入れても給湯器は作動しません。給湯器のリセットを試してもエラーが表示される場合、専門業者に交換してもらうことが対処法となります。
【888・88】標準使用期間の経過
エラーコード【888・88】は、故障や異常ではありません。設計上の標準使用期間、もしくはそれ相当の使用回数を経過したことを知らせる表示です。対処方法と内容の詳細は以下のとおりです。
【888・88】は故障の表示ではないため、そのまま使用し続けることも可能です。しかし、標準的な使用条件を過ぎた給湯器は、きちんと点検をしていても突然故障してしまう可能性があります。高温のお湯が出てヤケドをする、ガス漏れが起こるなど、危険性の高い事故が発生する恐れもあります。
【888・88】が表示されたら、使用上の異常を感じていなくても、専門業者に点検を依頼しましょう。
給湯器故障の主な原因
給湯器が故障する原因はさまざまです。ここでは、給湯器が故障する主な原因を解説します。
経年劣化や過度の使用
給湯器の寿命は、メーカーや種類によって異なりますが、一般的には約10年です。10年を過ぎると定期的に点検をしていても故障のリスクは増加します。
設置からの期間が短くても、給湯器を過度に使用した場合は部品の劣化を早めます。家庭用給湯器を業務用として使用する、大量のお湯を頻繁に使用するなど、給湯器の性能を超える使用は早期の故障につながるため注意が必要です。
天候の影響
給湯器は屋外に設置されることが多いため、天候や環境の影響を受けやすい機器です。低温による配管内の凍結、暴風雨による給湯器内への浸水トラブルなど、冬場や台風の季節には特に注意が必要です。
配管に保温材を巻く、給湯器へ防水カバーをかけるなどの対策は、故障リスクの軽減に効果があります。
給湯器の修理にかかる費用相場
給湯器の修理を依頼するときに、気になるのは費用です。以下の表で、故障箇所ごとの費用相場を見てみましょう。
給湯器の保証期間内であれば、無償で修理や交換が受けられる可能性があります。保証期間内を過ぎている場合は、一般的に修理費用は全額自己負担です。
修理費用は、給湯器の種類や状況、修理を依頼する専門業者によって異なります。複数の修理業者に見積もりを依頼し、費用の比較検討を行いましょう。
まとめ
給湯器のエラーコードは、何らかの不具合を示すサインです。数字の意味を理解することで、給湯器のどの部分にどのような不具合があるのかを把握でき、適切な対応が可能となります。
エラーコードの意味を理解できたとしても、自分で解決できない場合や修理・点検が必要となる場合もあります。安易な自己修理やエラーコードの放置は、ガス漏れや火災などの事故につながる恐れがあるため非常に危険です。自分で対応できる範囲を超えていると感じたら、給湯器の専門業者へ点検を依頼しましょう。
執筆年月日:2024年9月