トタン屋根修理の費用相場と方法|修理が必要なサインや修理を安く抑えるコツを解説

トタン屋根は劣化しやすく、穴が空いたりサビたりすると雨漏りしてしまうため修理が必要です。修理する場合、範囲や方法によってかかる費用が異なります。業者に依頼する場合でも、費用を安く抑える方法はあります。費用の比較や自治体の制度などを利用して、賢く節約しましょう。
この記事では、トタン屋根修理の費用相場と方法、安く抑えるコツなどを解説します。
トタン屋根の修理が必要な劣化サイン
トタン屋根の修理が必要な劣化サインは、以下のようなものがあります。
サビや腐食の発生
トタン屋根でよく見られる劣化サインが、サビや腐食です。サビは、鉄の酸化によって発生する赤サビと、亜鉛メッキ層の酸化で生じる白サビがあります。サビを放置すると腐食が広がり、最終的に穴が空く可能性があるので注意が必要です。
塗装の剥がれ・色あせ
日光に含まれる紫外線やもともと塗ってある塗料の質、ぬりすぎなどの原因で起こるのが、塗装の剥がれや色あせです。塗装が剥がれると金属部分が直接外部にさらされ、雨水を吸収しサビやすくなってしまうため、結果として雨漏りにつながります。
トタンの浮きや歪み
強風や台風などでトタン屋根の一部が浮いたり、外部の衝撃で歪んだりしてしまう場合もあります。空いた隙間から雨が入ってしまうこともあるため、修理が必要です。
雨漏りや室内のシミ
雨漏りや室内にシミがあった場合も、劣化のサインです。雨漏りは、トタン屋根に穴や隙間があり、屋根の下に敷いている防水シートが劣化しているため起こります。このような場合は、トタン屋根全体を修理する必要があります。
トタン屋根の修理方法と費用相場
トタン屋根の修理方法はどのようなものがあるのか、費用相場と合わせて見ていきましょう。
塗装工事
トタン屋根の塗装工事は、サビを取り除いて磨くケレンを行ったうえで塗装する必要があります。修理の流れは以下のとおりです。
- 屋根を洗浄する
- サビを取り除く(ケレン作業)
- サビ止めを塗る
- 下塗りする
- 中塗りする
- 上塗りする
塗料の剥がれや塗りムラ、塗り残しを予防するため、一般的に塗装は3回に分けて行います。
塗装工事の費用相場は、約15万~30万円です。メンテナンス工事のため費用は安く済みますが、雨漏りや穴など、トタン屋根自体がダメになっている場合は対応できません。
コーキング補修
トタン屋根に空いた穴や隙間が小さい場合は、コーキングで補修する方法があります。コーキング補修の修理方法は以下のとおりです。
- 補修したい穴もしくは隙間の周りを掃除する
- 穴もしくは隙間の周りをテープで養生する
- 下地(プライマー)を塗る
- コーキング材で穴や隙間を埋める
- コーキング材が乾いたら養生テープを剥がす
コーキング補修は、あくまで緊急時の応急処置です。DIYで対応した場合は早めに専門業者へ連絡し、修理を依頼しましょう。
コーキング補修の費用相場は、DIYの場合は1カ所につき数千~3万円程度、業者に依頼する場合は1カ所につき1万~10万円程度です。
部分張り替え
部分張り替えでは、穴が空いていたり剥がれていたりする場合にその部分のみを交換します。代表的な修理方法は以下のとおりです。
- 該当部分にブルーシートを張る
- 防水テープでブルーシートを貼り補修する
- シーリングで隙間を埋める
- サビを取り除く
- 該当部分に板金を張る
- 棟板金を交換する
部分張り替えの費用相場は、1カ所につき約5万~20万円です。
部分張り替えは修理が必要な箇所のみ対応できます。しかし、トタン屋根は耐用年数が長くないため、早いうちにほかの交換していない部分が破損してしまう可能性があります。予算に余裕があるなら、部分張替えよりも全体を張替える葺き替え工事を行うほうが今後を考えると安心です。
カバー工法
カバー工法は、今ついているトタン屋根の上から新しい屋根を被せてカバーする修理方法のことをいいます。カバー工法の修理方法は、以下のとおりです。
- 芯木を屋根の上につけて下地を組んで補強する
- 芯木の上に野地板を貼る
- 防水シート(ルーフィング)を野地板の上に貼る
- トタン屋根を施工する
カバー工法の費用相場は、約70万~100万円です。
カバー工法は、下地となる部分がしっかりしている場合に修理方法として活用できます。下地にサビが侵食していたり、二重の屋根の重みに耐えられなかったりする場合は、カバー工法ではなく次に紹介する葺き替え工事を行うのが賢明です。
葺き替え工事
トタン屋根をすべて新しいものに交換する場合は、葺き替え工事を行います。工事手順は以下のとおりです。
- トタン屋根を剥がし、処分する
- 野地板を貼る
- 防水シート(ルーフィング)を貼る
- 新しいトタン屋根を貼る
すべてのトタン屋根を交換するため、下地がどのような状態か全体を確認できるのがメリットです。また、全部のトタン屋根を統一できるため、きれいに仕上がります。
葺き替え工事の費用相場は、約30万~110万円です。古い屋根をはずし処分する工程が入るため、費用は高くなります。トタン屋根よりも耐久性のよい素材の屋根に変更する場合は、さらに費用が上がります。
修理には足場の設置費用も必要
トタン屋根の修理では、足場の設置費用も必要です。足場の設置費用の内訳は、以下のとおりです。
- 足場自体を借りる費用
- 修理現場まで足場を運ぶ費用
- 足場の組み立て費用
- 作業後の解体費用
足場の設置費用の相場は、約5万~25万円です。
また、足場を立てる際に敷地内では対応できず、道路を利用する必要が生じた場合には、道路使用許可や道路占有許可を事前に申請して取得する必要があります。その場合は、許可を取得するための手数料や取得を委託する委託費用が発生するため、さらに費用が高くなります。
業者に依頼するまでのトタン屋根雨漏り応急処置
業者に依頼しても対応が遅くなる場合は、これから紹介する応急処置を施しましょう。
防水テープで穴や亀裂を塞ぐ方法
穴や亀裂の程度が小さいなら、防水テープで塞ぐ方法があります。防水テープは、ホームセンターやインターネット通販で購入可能です。屋外用の表記があるテープを選びましょう。
防水テープ以外に、紙やすり、中性洗剤、ぞうきん、バケツを使用します。
【手順】
- 貼る部分の塗装を紙やすりで削る
- バケツに中性洗剤を水で薄めたものを入れ、雑巾を浸してしぼり、塞ぐ穴や亀裂の周りの汚れを落とす
- 空気が入らないように気をつけながら、穴や亀裂に防水テープを貼る
防水テープの粘着力には寿命があり、時間の経過とともに外部の雨や風にさらされ劣化していきます。一時的な対策のため、対応した後は速やかに専門業者へ修理を依頼しましょう。
ブルーシートで屋根全体を覆う方法
雨漏りしているけれどどこから漏れているかわからない場合は、屋根全体をブルーシートで覆う方法があります。ブルーシートを用意する際は、大きさや重さに注意が必要です。あらかじめ必要な範囲がどのくらいか確認してから、購入するようにしましょう。
ブルーシートの重さは「#1000」のように表示されており、数字が大きいものほど重く、厚みがあります。屋根に覆うブルーシートは、長く持たせたい場合「#3000」以上のものを使用するのがおすすめです。
【手順】
- 端に土嚢を置く
- テープを貼って固定する
こちらもあくまで応急処置です。対応後は専門業者へ早めに依頼するのがおすすめです。
コーキング剤で隙間を埋める際の注意点
コーキング剤を使用して応急処置を施す際は、注意すべきポイントがあります。
まず、コーキング剤を選ぶときは、耐熱性のある金属用の商品を選びましょう。耐候性や耐久性に優れたシリコン系のものを選ぶのがおすすめです。
コーキング剤は、埋め込む場所が汚れていると粘着力が弱くなります。しっかりと汚れを拭き取ってから使用しましょう。コーキング剤を入れる前にプライマーで下地処理することで、コーキング剤がしっかり密着し、耐久性が高まります。
コーキング材は乾くまでに時間がかかります。修理箇所の範囲によっては数日かかる場合もあるため、晴れの日が続く日程を選びましょう。
自力でコーキングするのは難しいと感じる場合は、なるべく早く対応してくれる専門業者に依頼するのが安心です。
トタン屋根の修理費用を賢く抑えるコツ
トタン屋根の修理費用を抑えるにはいくつかコツがあります。賢く抑えるために、次の4つを参考にしてください。
複数の業者から相見積もりを取る
修理費用を抑えるためには、複数の業者から相見積もりを取りましょう。同じ工事内容でも、業者によって費用が異なることは往々にしてあり、場合によっては相当の損失を被る可能性があります。急いでいる場合でも一社で決定するのではなく、少なくとももう一社は見積もりを取るようにしましょう。
火災保険が適用できるか確認する
台風や竜巻のような風災でトタン屋根の修理が必要になった場合、加入している火災保険の内容によっては、保険を適用できる可能性があります。
条件は火災保険の契約内容によって異なるのが一般的です。経年劣化ではない、破損した日から◯年間以内であるなど、細かく条件が設定されている場合もあります。契約している火災保険が対応しているか、確認してみましょう。
雨漏り修理の火災保険の対象になる条件については、以下の記事で詳しく紹介しています。
自治体の補助金や助成金制度を活用する
自治体では、補助金や助成金制度を設けている場合があります。リフォームの名目での適用になり、省エネリフォームと耐震リフォームが主な対象です。自治体によって条件や戻って来る金額の割合などは異なります。自治体の補助金や助成金制度の対象になるかも確認しましょう。
DIYで修理をする
DIYが得意な方は、自分で修理して安く済ませようと思うかもしれません。防水テープやコーキングに必要な材料は身近なお店で手に入れられ、修理方法はインターネットで検索すれば確認できるため、修理は可能です。
しかし、DIYは自己責任で行う作業であり、その後の耐久性のことを考えると懸念点も少なくありません。もしDIYするなら応急処置と捉え、対応後は早めに専門業者へ連絡し、しっかりと対応してもらいましょう。
まとめ
トタン屋根は、時間の経過や災害で劣化します。部分的な修理も可能ですが、今後のことを考えると屋根全体を見直し、修理やメンテナンスを行うことが大切です。
小さい劣化部分や応急処置なら自分でも対応できますが、DIYはあくまで自己責任です。相見積もりや火災保険、補助金・助成金制度などを活用し、うまく費用を抑えてトタン屋根を修理しましょう。
執筆年月日:2025年10月
※内容は2025年10月時点の情報です。法律や制度は改正する場合があります。
