引っ越し時に行う洗濯機の水抜きとは?やり方や注意点について解説

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引っ越し時に行う洗濯機の水抜きとは?やり方や注意点について解説

新居に引っ越す際に洗濯機を運搬する場合は、事前に水抜きを行う必要があります。自分または業者に依頼して作業を行いますが、忘れてしまうと水漏れで新居が濡れたり汚れたりするかもしれません。

この記事では、引っ越しの際の洗濯機の水抜きの作業方法や注意点などを解説します。手順を予習することで、スムーズに引っ越し作業を進められるため、参考にしてみてください。

洗濯機の水抜きとは?

洗濯機の水抜きとは、洗濯機にたまっている水をすべて排出する作業のことです。洗濯機の脱水や乾燥が終了すれば洗濯機内部に水は残りませんが、給水ホースと排水ホースには意外と多くの水が残っています。

引っ越し業者に洗濯機の水抜き・取り外し・取り付け作業を依頼する場合は、別料金となる可能性があります。洗濯機の水抜き作業は手順通りに進めれば難しくないため、自分で実施すれば、出費が抑えられるかもしれません。

洗濯機の水抜きはなぜ必要?

水抜きしないまま洗濯機を運搬すると、引っ越しの荷物や新居の床を濡らしてしまうリスクがあります。運搬時の重量も増加するため、洗濯機の落下や転倒につながりかねません。

また、洗濯機を水抜きせずに置いておくと、カビが発生したり、凍結により部品が破損したりする可能性があります。安全な運搬と再設置を行うために、引っ越し前の水抜き作業を忘れずに行いましょう。

洗濯機の水抜きに必要な道具

洗濯機の水抜きには、以下の道具を用意しましょう。どれも身近なものばかりです。また、水抜きの際にはゴム手袋を着用すると良いでしょう。

【ドライバー】
洗濯機の給水用の蛇口につながっている給水ホースの接続部がネジ止めされている場合は、外すときにドライバーを使用します。洗濯機内部の水を外に流している排水ホースも、ホースクリップが差し込み式ではなくネジで固定されている場合は、ドライバーが必要です。

【洗面器・バケツ】
給水ホースと排水ホースは、取り外す際に水があふれてくる可能性があります。周りの床を排水で汚さないため、洗面器またはバケツをホースごとに用意し、受け皿にしましょう。

【タオル】
洗面器やバケツで水が受け止めきれなかった場合や、水がはねた場合に備えて、タオルも用意します。床が濡れたとき用に大きめのタオルを、細かい水しぶきの拭き取り用に小さめのタオルを用意すると安心です。

【ビニール袋】
給水ホースや排水ホースなどの外した部品を入れるために、ビニール袋が必要です。使用済みの洗面器やタオルも一緒に引っ越し先に運べるよう、大きめのビニール袋を2~3枚準備しましょう。

洗濯機の水抜き方法

洗濯機の水抜き方法は、順番を間違えると内部に大量の水が残ってしまい、引っ越し作業の際にトラブルの元となります。縦型の洗濯機とドラム式洗濯機、それぞれの水抜き手順を確認して、効率よく作業を進めましょう。

洗濯機の水抜き作業を行う際は、12時間以上前に衣類の洗濯を完了しておくのがおすすめです。

縦型の洗濯機の水抜き

縦型の洗濯機の水抜き手順は以下の通りです。

  1. 洗濯機の中身を空にする
  2. 給水ホースにつないでいる水道の蛇口を閉める
  3. 標準モードで洗濯機を回し、1分経ったら停止し、電源を切る
  4. 蛇口から給水ホースを外す
  5. 再び電源を入れ、脱水モードで洗濯機を回し、終わったら電源を切る
  6. 洗濯槽の内側をタオルで拭く
  7. 排水口から排水ホースを外す

手順6のあと、洗濯機本体を軽く傾けると、排水ホース内の水を流しやすくなります。給水ホースと排水ホースを外す際は、水が垂れてくる可能性があるため、洗面器やタオルを活用してください。

洗濯機には液体バランサーという装置が内蔵されており、洗濯槽を回したり揺らしたりすると水が流れるような音がします。洗濯機の水抜きが完了した後も、液体バランサーによる水の音が聞こえるかもしれませんが、正常な状態であり特に問題ありません。

ドラム式洗濯機の水抜き

ドラム式洗濯機の手順も縦型の洗濯機とほぼ同じですが、手順5に糸くずフィルターの排水作業が追加されます。

  1. 洗濯機の中身を空にする
  2. 給水ホースにつないでいる水道の蛇口を閉める
  3. 標準モードで洗濯機を回し、1分経ったら停止し、電源を切る
  4. 蛇口から給水ホースを外す
  5. 糸くずフィルターを取り外し、水抜きしたらタオルで拭いて戻す
  6. 再び電源を入れ、脱水モードで洗濯機を回し、終わったら電源を切る
  7. 洗濯槽の内側をタオルで拭く
  8. 排水口から排水ホースを外す

糸くずフィルターを外す際も水が出てくる可能性があるため、洗面器やタオルを用意しましょう。また、ドラム式洗濯機にも液体バランサーが内蔵されており、水抜き完了後に洗濯槽を揺らすと水の音がしますが、気にする必要はありません。

洗濯機の水抜きをする際の注意点

洗濯機の水抜きにおける注意点は4点あります。忘れてしまうと故障や水濡れの原因となるため、作業前にチェックしてから水抜きを行いましょう。

電源プラグが濡れないようにする

洗濯機の水抜きをする際は、感電防止のため電源プラグやアース線が濡れないようにする必要があります。作業を行う前に電源プラグをタオルで養生し、水に濡れないよう注意しましょう。

万が一電源プラグが濡れた場合は、すぐにブレーカーを切り、可能であれば乾いた手袋を着用して電源プラグを抜きましょう。タオルで拭いてしっかり乾燥させてください。

もし、洗濯機本体に発煙や異臭など異常が見られる場合は、消防署に通報します。また、電源プラグの変形・変色、コンセントの焦げ跡があれば、自宅の電気工事会社に連絡してください。洗濯機の操作パネルの表示エラーや、電源コードの損傷が見られる場合は、洗濯機の販売会社に問い合わせましょう。

水が抜けない場合はゴミを掃除する

洗濯機の水が上手く抜けない場合は、どこかにゴミが詰まっているかもしれません。給水口のフィルター、糸くずフィルター、排水ホースを取り外して、ゴミや汚れが詰まっていたら、ブラシやシャワーで清掃しましょう。

目に見える部分を掃除しても水が抜けない場合は、手が届かない洗濯機内部に汚れが溜まっているか、故障している可能性があります。洗濯機の販売会社に清掃と修理を依頼しましょう。

付属部品の紛失に注意する

洗濯機を引っ越しで運搬する際に、細かい部品を紛失してしまうことがよくあります。付属部品がなくなると、引っ越してすぐに洗濯機が使えなくなり、大変不便です。

給水ホースや排水ホースなどの付属部品を取り外したら、ビニール袋にすべて入れて洗濯機本体にテープで貼りつけましょう。ビニール袋を洗濯機の中に入れて、ふたをテープで止めて運搬する方法もあります。

排水ホースに取り付けていたL字型接続部のエルボが、物件に備わっていた部品の場合は、引っ越しで持っていかないように気をつけてください。

引っ越し前に、付属部品がついている状態の洗濯機をスマートフォンで撮影しておくと、引っ越し後の部品の取り付け作業をスムーズに進められます。

作業前に水道栓を閉じる

水抜き作業中の水漏れを防ぐため、洗濯機の蛇口だけでなく、自宅の水道栓も閉じておくと安心です。水漏れにより壁や床が汚れてしまうと、修繕費用の支払いが発生する可能性があります。

水道栓を閉めた後は、洗濯機の蛇口を一度開けて、水圧を調整しておきましょう。水圧が残っていると水道管が破損する恐れがあります。また、水道栓を閉めると洗濯機だけでなく、キッチン、トイレなども水が使えなくなるため気をつけましょう。

洗濯機の水抜きに関するよくある質問

実際に洗濯機の水抜きを行う際に生じる質問3点を解説します。水抜き作業のスケジュール決めや、予期せぬトラブルへの対策を検討する際の参考にしてください。

水抜きは何日までに行うべき?

洗濯機の水抜きは、引っ越しの前日までに行うことを推奨します。水抜き作業は30~60分程度で完了するため、引っ越し当日に作業することも可能です。しかし、洗濯機が乾ききらないため、引っ越し中に水が垂れてくる恐れがあります。

洗濯機が使えない期間が長くても問題なければ、前日よりも早く水抜きをしておきましょう。衣類は乾いた状態で運んだほうが引っ越し作業の効率がよいため、洗っていない洗濯物は段ボールに詰めて、新居で洗濯機の設置が完了してから洗うのがおすすめです。

引っ越し当日まで水抜きを忘れていたらどうする?

引っ越し当日まで水抜きを忘れていた、または、当日まで水抜きする時間がなかった場合も、落ち着いて作業を行えば水抜きは実施できます。

乾燥機能がついている洗濯機であれば、短時間だけでも乾燥運転を行いましょう。ドライヤーや扇風機を使用して、洗濯機を強制的に乾燥させる方法もあります。

引っ越し当日の早朝など、なるべく早い時間に作業に着手したうえで、引っ越し業者に洗濯機を最後に運んでもらえるように相談してください。

洗濯機内の水が凍結していた

気温が低い場所や風当たりが強い場所、日当たりが悪い場所に洗濯機を設置すると、中の水が凍結しやすくなります。洗濯機本体、水道管、ホースが破損するケースがあるため、注意が必要です。

洗濯機内部が凍結した場合は、自然解凍を待つか、ぬるま湯で少しずつ溶かしましょう。水道管、ホースが凍結した場合は、凍結部分にタオルを巻き、お湯をかけて少しずつ溶かしていきます。ドライヤーで温める方法も効果的です。熱湯を直接かける方法は、破裂の恐れがあるためおすすめしません。

引っ越し後は、水道管やホースなどむき出しになっている部分に、凍結防止カバーやヒーターを設置し、凍結対策を施しましょう。しばらく使わない場合は、引っ越し予定がなくても水抜きしておき、洗濯機に毛布をかけておくと安心です。

まとめ

洗濯機の水抜きは、引っ越し時のトラブル防止に欠かせない作業です。水漏れによる新居や家具の破損、凍結による被害を回避するためにも、計画的に時間を確保して早めに水抜き作業に取り組んでください。しっかりと引っ越しの準備を行い、不安を解消することで、新居での快適な新生活をスタートできるでしょう。

執筆年月日:2024年12月

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