引っ越しの準備はいつから始めるべき？

引っ越しの準備の開始時期としておすすめの期間は、引っ越し当日の1～2ヶ月前頃です。早いと感じるかもしれませんが、各種契約の解消を余裕をもって進めるためには、ある程度の期間が必要です。

特に現在の住居が賃貸住宅である場合、退去の通告をすべき期間は契約で定められています。期限を過ぎると余分な賃貸費用が発生する場合もあるため、必ず確認して手続きを進めましょう。

また、引っ越しに合わせて家具を新調したい場合などは、不用品の処分についても検討しなければなりません。不燃ごみや粗大ごみの収集日は月に数回の場合が多いでしょう。1～2ヶ月前頃から計画的に進めれば、発生する不用品を適切に処分しながら準備ができます。

引っ越しの準備の際にやるべきこととスタート時期

引っ越しの準備は、種類によっても適した開始時期が異なります。ご説明したとおり、引っ越し準備全体のスタートとしては1〜2ヶ月前から始めるのがおすすめです。ただし手続きや荷造りによっては、あまり早く進めてしまうと、引っ越しまでの生活に支障が出るものもあるでしょう。

準備の際にやるべきことをまとめ、それぞれの適切なスタート時期を解説します。

また、引っ越し準備に関しては下記の記事でも解説しています。ぜひ合わせてご確認ください。

引っ越しのやることリスト｜荷造り・手続きについてまとめて紹介

引っ越し時にやるべき手続き一覧とその方法

物件関連の手続き

物件関連の手続きは大きく分けて、「引っ越し先の物件の契約」と「現在の住居の解約」、そして「引っ越し業者への手続き」の3つがあります。

【引っ越し先の物件の契約】
引っ越し先の契約には、物件を探して契約や入金を行う手続きが含まれます。引っ越しが必要だとわかったら、なるべく早く物件探しを始めましょう。スムーズに進めば入居まで1～2週間程度で済むこともありますが、なかなかよい物件が見つからないなど時間がかかるケースもあるからです。物件を決めたら、申し込みや入居審査を経て契約となり、定められた期間内に入金手続きを行います。

【現在の住居の解約】
現在の住居が賃貸物件の場合、希望の退去日を連絡して解約手続きを進めなければなりません。1ヶ月前に申告するよう定められている場合が多いですが、契約によっては2～3ヶ月前としていることもあるため、必ず契約を確認してください。規定の期間を過ぎてから通告した場合、翌月分の家賃や違約金が発生するケースもあります。

【引っ越し業者への手続き】
新居が決定したら、引っ越し日を決めて業者に見積もりを依頼しましょう。複数業者に見積もりを依頼する「相見積もり」を行うことがおすすめです。引っ越し業者によってサービスや価格が異なるため、相見積もりを取ることで比較でき、自分の引っ越しに合った業者を見つけやすくなります。

住所変更に伴う各種手続き

引っ越しをすると住所が変わるため、役所などへの届け出や各種証明書のために、住所変更の手続きが必要です。手続きに適した期間としては、大きく「引っ越し1週間前」と「引っ越し後2週間以内」のものに分けて進めるとよいでしょう。

引っ越し1週間前までに行うべき手続きは、一般的に下記のものがあります。

• 転出届（現住所と異なる市区町村に引っ越す場合）
• 税務署関連の手続き（住民税、確定申告等）
• 印鑑登録の廃止
• 国民健康保険の住所変更手続き
• 介護保険の住所変更手続き
• 原付自動車の廃車手続き　など

転出届で発行される「転出証明書」は、転入や転校の手続きで必要となるため、引っ越しの荷物に紛れないよう気を付けて保管しましょう。

また、子どもがいる場合は下記の手続きも忘れず行ってください。

• 児童手当の住所変更
• 学校の転校手続き
• 幼稚園・保育園の転園の届け出　など

手続きが遅れることで学校に行けない時期が発生するケースもあります。引っ越しや転校が決まったら、早めに連絡をしましょう。

引っ越し後、2週間以内に行うべき手続きは下記のとおりです。

• 転入届（現住所と異なる市区町村に引っ越す場合）
• 転居届（現住所と同じ市区町村内で引っ越す場合）
• マイナンバーの住所変更
• 国民年金の住所変更
• 福祉手当医療制度の住所変更
• 印鑑の登録手続き
• 運転免許の住所変更
• 車庫証明の住所変更
• 自動車・バイクの登録手続き
• パスポートの住所変更
• ペットの登録変更　など

ご紹介したものは一般的な手続きの一部です。他にも住所変更が必要なものは多数あり、また自治体などによって期限が異なる場合もあるため、各自ご確認ください。

ライフライン・インターネット等の手続き

ライフラインやインターネットは、生活や仕事を行う上で欠かせないものです。早めに手続きを行いましょう。

水道と電気、ガスの手続きは、引っ越しの2〜3週間前に行うことが理想です。遅くても1週間前までには済ませましょう。水道や電気は多くの場合、電話やオンラインで手続き完了が可能です。

しかし、ガスは使用開始や停止の際に業者の立ち会いが必要で、一度止めると再開栓できません。引っ越し当日か前日に止めてもらうのがベストですが、引っ越しシーズンは業者の予約が埋まってしまうことも多いようです。希望日を決めたら早めに予約を取りましょう。

インターネットや固定電話の手続きも、引っ越しの1〜2週間前がおすすめです。インターネット回線の開通工事が必要な場合は、予約が取りにくいこともあるため、1ヶ月程度余裕をもってスケジュールを立てると安心です。特に引っ越し後すぐから使いたい場合は、早めに確認しましょう。

固定電話が無くスマートフォンや携帯電話のみの場合も、住所変更の手続きを忘れず行いましょう。

引っ越し業者の選定とスケジュールの決定

引っ越し業者の選定とスケジュールの決定は、引っ越し先が決まったらできる限り早く行いましょう。

まずは引っ越し日を決めます。手続きなどの基準日になるため、余裕を持って1ヶ月前には決定したいところです。新居の鍵を受け取れる日以降で、引っ越し作業をできる日から検討しましょう。多くの場合、引っ越しは1日がかりの作業となります。有給休暇を取得する、連休を活用するなど工夫して、しっかり作業日を確保することがおすすめです。

引っ越し日が決まれば、引っ越し業者の手配を行いましょう。相見積もりを取って複数業者の見積もりを比較すると、費用の節約や自分の引っ越しに合った業者の選定に役立ちます。

注意点としては、年度の変わり目や大型連休、土日などの休日には引っ越しする人が多く、予約しづらいことがあります。また、繁忙期は費用を高く設定している業者も多いものです。可能なら、引っ越し日を平日にする、時間に幅のあるプランを選ぶなど工夫するとよいでしょう。

荷造り

荷造りは引っ越しをするのが単身か家族かによっても、かかる時間が異なるため注意が必要です。一人暮らしなら、2週間程度で荷造りを終える人が多いとされています。持ち物が少ない場合は1週間程度でも十分かもしれません。

一方で、家族で引っ越しをするなら、荷造りに3週間～1ヶ月程度はかかると想定して予定を立てると安心です。特に小さい子どもがいる場合は、思うように荷造りを進められないこともあります。余裕をもって進めましょう。

引っ越し準備を効率よく進めるコツ

引っ越しには労力や時間がかかりがちですが、少しの工夫で楽になる作業もあります。引っ越し準備を効率よく進めるコツをご紹介します。

物件探しの際は条件を明確にしておく

新居に対する希望がたくさんあると、条件に合った物件がなかなか見つからないという事態に陥りがちです。そのため、事前に「譲れない条件」と「妥協してもよい条件」を分けておくことは、物件探しを効率よく進めるコツになります。新居での暮らしを思い描き、必要条件を絞り込んでみましょう。

引っ越し準備のやることリストを作成する

引っ越しでは多くの手続きや作業を行います。忘れると生活に支障が発生することもあるため注意が必要です。漏れが無いように進めるためには、やることリストを作成すると便利です。やるべきことを可視化でき、期限や優先順位を定めやすくなるため、効率的な進行につながります。

不要なものは処分しておく

引っ越し前に荷物を整理し、不要なものを処分しておくことも大きなポイントです。梱包しなければならない荷物を減らせば、労力や時間の削減につながります。新居での収納も効率よく進められるでしょう。

不用品の処分は、ごみの収集日も考慮して行いましょう。引っ越しに合わせて家具などを新調する場合は、古い家具を引っ越し前に処分できると荷物を減らせますが、粗大ごみの日にしか処分できないものもあるため注意が必要です。自治体による回収の他に、不用品業者に依頼して引き取ってもらう方法もあります。一般的な燃えるごみなどに出せない不用品は、どのように処分するかも含めて検討しましょう。

使用頻度の低いものから梱包する

荷造りは、使用頻度の低いものから梱包するのがコツです。シーズンオフの洋服や靴、バッグ、書籍など、向こう2～3週間使わないと思われるものから詰めていきましょう。食器や日用品のストックなども、必要なものを残して箱詰めします。

また、荷造りした段ボールには、入れたものや置き場所を明記しましょう。すぐに使うものを入れた箱には目印をつけておくのも有効です。わかりやすいように書いておけば、引っ越し後のスムーズな荷ほどきにつながります。

まとめ

引っ越しの準備は時間がかかるものです。期限の決まっている手続きも多いため、引っ越しの1〜2ヶ月前頃から準備を開始しましょう。荷物の整理や梱包なども早めに取りかかり、余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。やることリストを作成するなど工夫をしながら、効率的に準備を進めてください。

執筆年月日：2024年12月
※内容は2024年12月時点の情報です。法律や制度は改正する場合があります。