引っ越し時の冷蔵庫の電源を切るタイミングは?やり方や注意点を紹介

引っ越しをする時は、冷蔵庫の電源を切るタイミングを知っておくことがとても大切です。電源を切るタイミングが遅すぎると、冷蔵庫が壊れてしまう可能性があります。
そこで本記事では、引っ越し時に冷蔵庫の電源を切るタイミングや電源を切る前に行っておきたいこと、電源を切った後に行うべき作業について解説します。加えて、引っ越し後に電源を入れるタイミングや、引っ越し前に電源を切り忘れた時の対処法についてもお伝えします。
引っ越し時の冷蔵庫の電源を切るタイミング
引っ越し時に冷蔵庫の電源を切るタイミングは、引っ越しの15時間以上前といわれています。これは、冷蔵庫には全体に冷気を送る冷却管があり、その管に付いた霜を溶かすことが目的です。
電源を切るタイミングが遅いと、移動中に冷却管の霜が溶けて床や荷物が濡れてしまう可能性があります。また、冷蔵庫の内部に水が流れて、冷蔵庫が壊れる原因になるかもしれません。そのため、引っ越しをするときは、霜を完全に溶かして水分を拭き取っておくことが大切です。
冷蔵庫の電源は、多くの場合、電源プラグを抜くだけで良いとされています。ただし、冷蔵庫の背面にスイッチがある製品もあるため、電源の切り方については取扱説明書を確認しておくと安心です。
引っ越し時に冷蔵庫の電源を切る前に行っておくべきこと
引っ越しで冷蔵庫の電源を切る場合は、冷蔵庫や冷凍庫の中身を空にしておく必要があります。そのため、引っ越しの当日まで必要な食品や残った食品を保管するクーラーボックスなどを用意しておくのもおすすめです。
ここでは、引っ越しで冷蔵庫の電源を切る時に行っておきたい事前準備についてお伝えします。
食品を消費しておく
引っ越しの1~2週間前くらいから、冷蔵庫に保管している食品の消費計画を立てておくと良いでしょう。燃えるゴミ・燃えないゴミを捨てられる日が限られている場合は、処分するタイミングも考えておくことが大切です。
引っ越しまで1週間を切ったら、改めて残った食品を確認します。この時点で、食べきれないと判断できる食品は、思い切って処分すると、引っ越し当日に処分に困ったり、引っ越し先まで持ち込んだりする必要がないため安心です。
新たに食品を購入する場合は、引っ越し当日までに食べきれる量を意識するようにしましょう。
自動製氷機能を停止する
自動製氷機能を停止して、自動製氷用の給水タンクも空にすることを忘れないようにしましょう。自動製氷機能を止めていないと、どんどん氷が作られてしまい、氷が残ってしまうことがあります。
氷が残っていることに気がつかず冷蔵庫の電源を切ると、冷凍庫が水浸しになってしまうかもしれません。冷蔵庫が壊れる原因にもなるため、引っ越し時は自動製氷機能の停止と給水タンクの水を空にすることが大切です。
残った食品を保管するクーラーボックスなどの用意
醤油や料理酒などの調味料は、引っ越し当日までに使い切るのが難しい場合もあるでしょう。また、使い切れずに食品が残ることもあります。そういった場合に備えて、クーラーボックスや保冷バックを用意しておくと安心です。
ただし、保冷状態を保つためには、氷や保冷剤が必要です。冷蔵庫の電源は15時間以上前に切っておく必要があるため、自宅の冷蔵庫で氷や保冷材を用意するのは難しいかもしれません。そのため、クーラーボックスや保冷バッグに食品を保管する場合は、スーパーやコンビニで氷など保冷できるものを購入すると良いでしょう。
引っ越し時に冷蔵庫の電源を切った後に行うべき作業
冷蔵庫の電源を切ったら、引っ越し時に冷蔵庫を運べるよう準備しておく必要があります。ここでは、冷蔵庫の電源を切った後に行う作業についてお伝えします。
冷蔵庫の霜取り
冷蔵庫の電源を切ったら扉を開けた状態にして、庫内にできた霜がなるべく早く溶けるようにすることも大切です。ここで注意したいのは、アイスピックなどの尖ったもので霜を取ろうとしないことです。
無理やり霜を取ることで、冷蔵庫が破損する可能性があります。場所によっては配管を傷つけてガス漏れが起こるかもしれません。そのため、基本的には自然に霜が溶けるのを待つ方がよいでしょう。
また、比較的新しい冷蔵庫には、冷却管の霜を取る機能がついていることがあります。霜取り機能と呼ばれており、ヒーターを使って霜を溶かす便利な機能です。霜取り機能は、ヒーターを使って迅速に霜を溶かせるため、時間をかけずに霜取りが可能です。霜取り機能がある場合は、活用しましょう。
冷蔵庫の水抜き
冷蔵庫には水を貯める蒸発皿(水受けトレー)があり、蒸発皿に溜まった水を捨てることを水抜きといいます。冷蔵庫の電源を切ると、冷却管についている霜は蒸発皿に溜まります。冷蔵庫の下に取り付けられている蒸発皿には蓋がついていないことが多いため、水抜きをする場合は水をこぼさないように注意することが大切です。
ただし、背面に蒸発皿がついている冷蔵庫は、冷蔵庫本体を背面が見えるように動かし、工具を使って取り出さなければなりません。冷蔵庫の背面に蒸発皿が備えつけられている場合は、作業工程について取扱説明書を確認しておくと安心でしょう。
冷蔵庫の掃除
霜取りと水抜きが終わったら冷蔵庫の掃除を行います。冷蔵庫は雑菌が繁殖しやすい環境のため、水分が残らないようしっかりと拭き取ることが大切です。
汚れがついている場合は、キッチン用の中性洗剤を薄めたものを使って掃除をしましょう。布巾やスポンジなど柔らかい素材に洗剤をつけて、冷蔵庫の壁や棚を拭き、仕上げに乾いた布で水分を拭き取るのがおすすめです。
この時、棚や卵ケースなど取り外せるものは、漬け置きなどをしてしっかり洗いましょう。洗った後は、乾いた布巾で水分をふき取りよく乾燥させます。
ただし、アルカリ性の洗剤や重曹、研磨剤が含まれている洗剤やスポンジなどを使用するのは避けた方が良いでしょう。塗装が剥がれたり壁や棚にキズをつけたりすることがあります。
ドアやトレーを固定する
引っ越し時は冷蔵庫を傾けて運ぶため、ドアや備品を固定しないと冷蔵庫をキズづける可能性があります。冷蔵庫内の掃除が終わったらドアやトレー、棚などをテープを使って固定しましょう。養生テープを使うと、剥がしたときにテープの跡が残りにくく、引っ越し後の掃除の手間を省けるためおすすめです。
最近では、卵ケースや製氷皿のほかに、ジャムやバターを保管するケースや粉ものを保管するケースなどを使用して冷蔵庫内を整理整頓している人もいるでしょう。冷蔵庫用の小物がある場合には、冷蔵庫内にすべてを固定するのが大変かもしれません。テープが外れて冷蔵庫が傷つくこともあるため、固定するものが多い場合は別で運ぶと良いでしょう。
電源コードをまとめる
電源コードをまとめることも忘れないようにしましょう。冷蔵庫の電源コードをしっかり管理することは、トラブル防止につながります。例えば、引っ越し中に電源コードにつまずいて大きな事故につながったり、移動時にプラグ部分に水分がついて移動先でショートをおこしたりすることを避けられます。引っ越しの作業時に電源コードが破損するのも防げるため、電源コードをまとめることは大切です。
また、冷蔵庫の電源は、基本的には入居してから入れっぱなしになるため、ほこりが電源コードについていることもあるでしょう。電源コードをまとめる時に掃除も一緒に行うのがおすすめです。
引っ越し後はいつ電源を入れるのが適切?
引っ越し後に冷蔵庫の電源を入れるタイミングは、製品によって異なります。すぐに電源を入れても問題ない製品もあれば、設置してから30分から1時間程度、時間を置いて電源を入れることが推奨されている製品もあります。
電源を入れるタイミングが異なるのは、冷蔵庫を運ぶ時に傾きや揺れによって冷却液などが不安定になる製品があるからです。製品によって冷却液が安定する前に電源を入れると、故障の原因になることがあるため、電源を入れるタイミングに違いがあります。
設置後すぐに電源を入れられる冷蔵庫かどうかわからない場合には、取扱説明書を確認したり、メーカーや家電量販店に直接問い合わせたりすると安心でしょう。
また、冷蔵庫は電源を入れても、すぐには使用できるほど冷えません。冷蔵庫の大きさやメーカー、季節によって十分に冷えるまでの時間が異なります。引っ越し先で冷蔵庫を使用する場合は、しっかり冷えているのを確認してから食品を入れるようにしましょう。
引っ越し前に冷蔵庫の電源を切り忘れた場合
引っ越しの前日や当日はバタバタとするものです。そのため、うっかり冷蔵庫の電源を切り忘れてしまうこともあるでしょう。
冷蔵庫のコンセントを抜き忘れていることに気がついたら、気づいた時にすぐに電源を切ることが大切です。冷蔵庫のドアを開けて、取り外せる部品はすべて取り出しましょう。冷蔵庫の庫内に霜が付いている場合は、お湯やタオルを使って霜取りをするなど、なるべく早く霜を取り除けるようにします。
引っ越し業者が自宅に着いたら、冷蔵庫のコンセントを抜き忘れていたことや、電源を切った時間を伝えましょう。冷蔵庫の運搬を断られることはあまりないといわれていますが、霜取りや水抜きが不十分だったことで、引っ越し先で冷蔵庫が使えなくなる可能性があることは念頭に置いておきましょう。
まとめ
引っ越し先の住居で今使っている冷蔵庫を使用する場合は、引っ越しする前に電源を切って霜取りや水抜きをしましょう。冷蔵庫が壊れないようにするために、とても大切なことです。冷蔵庫によっては、電源を入れるタイミングも重要になります。
引っ越し先で冷蔵庫が動かなくなると、引っ越し早々に買い替えを検討しなければなりません。安い買い物ではないため、引っ越し先でも今の冷蔵庫を使用する場合は、注意事項について取扱説明書やメーカーに確認しておくようにしましょう。
冷蔵庫の管理は、引っ越しの2週間程度前から意識していくのがおすすめです。食品の消費スケジュールや冷蔵庫の掃除などについても、あらかじめ考えておくことで、スムーズにトラブルなく引っ越しができるでしょう。
執筆年月日:2024年12月