空き巣が使うマーキングとは?種類や意味・対処方法について解説

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空き巣が使うマーキングとは?種類や意味・対処方法について解説

空き巣が家に残していくマーキングには、どんな種類や意味があるのでしょうか。何気なく使用している家でも、知らないうちに空き巣にマーキングされているかもしれません。ちょっとした違和感を感じたときに判断できるよう、空き巣が使うマーキングはどんなものでどのような意味があるのか、理解しておきましょう。

この記事では、空き巣が使うマーキングの種類や意味・対処方法などについて解説します。

空き巣が使うマーキングの種類と意味

空き巣が使うマーキングには、さまざまな種類と意味があります。マーキングは、空き巣が下見のときに記録し、情報を残すために行うものです。家に侵入するときのリスクを示すものから、住んでいる人の詳細な情報を表すものまで内容は多岐にわたります。

家で不自然なシールや記号・数字・文字・アルファベットが書かれているのを見かけたら、マーキングである可能性を考えましょう。ここでは、空き巣が使うマーキングの種類と意味を解説します。

シール

シールは、空き巣の一般的なマーキングの手段です。シールの色や形状によって、異なる意味を表します。

マーキングにおけるシールには、以下のような意味があります。同じ色や形状のシールでも、空き巣によって意味合いが変わってくる可能性もあるため、あくまで参考程度と考えてください。

シールの色

意味

男性

女性

危険

安全、女性、独身、侵入しやすい

家族

一人暮らし

男性、家族

赤ちゃんがいる、侵入できる可能性がある

裕福

 

シールの形状

意味

女性

男性

家族

シールは小さいものが使用されることが多く、目に入っても不思議に思わない場合がほとんどです。家にシールが貼られていることはまれなため、シールが貼られていればマーキングの可能性があることを念頭に置いておきましょう。もしシールを見つけて思い当たることがなければ、警察に通報してください。

記号

空き巣は、記号を使って目印を付けることもあります。記号のマーキングの意味は、以下のとおりです。

記号

意味

侵入できる

入りやすい、注意が必要な部分、もう一息

侵入できない

記号も、空き巣によって意味が変わってくるため、あくまで一例として考えましょう。家のどこかに記号が書かれていたら、空き巣に狙われている可能性があります。身に覚えのない記号が書かれていた場合は、速やかに警察へ相談してください。

数字

空き巣のマーキングにおける数字は、その家の具体的な内容を書いている場合がほとんどです。マーキングにおける数字が示す主な内容は、以下のとおりです。

  • 留守の時間
  • 住人の人数
  • 住人の年齢
  • 危険度

書かれている数字が自身の家に当てはまる内容である場合、マーキングで書かれたものと推定できます。書かれている数値が思い当たる内容であれば、標的にされていると判断してください。

アルファベット

アルファベットも、空き巣の目印として記載されることがあります。以下は、マーキングにおけるアルファベットの意味の一例です。 

アルファベット

意味

M

男性

W(大文字)

女性

S

一人暮らし

F

家族

R

留守

w(小文字)

平日

D

SS

土日休み

 
これまでに紹介した数字やアルファベットを組み合わせて、書かれている場合もあります。たとえば、20SW_8‐19のように記載がある場合は、20代の一人暮らしの女性が8時に家を出て19時に帰宅するというふうに解釈が可能です。心当たりがない暗号のような文字や数字があった場合は、マーキングの可能性があると捉えましょう。

文字

空き巣のマーキングは、文字で記されている可能性もあります。文字におけるマーキングの意味の一例は、こちらです。

文字

意味

学生

留・ル

留守

赤ちゃんがいる

 
記号や数字、アルファベットと比べると分かりやすい表記です。空き巣によっては文字も使用するケースもあるため、注意してください。

マーキングされやすい場所

家のなかで、空き巣にマーキングされやすい場所はどこか、確認していきましょう。

建物の入り口(玄関・勝手口など)

空き巣のマーキングがある場所として確率が高いのが、出入口である玄関や勝手口です。マーキングするのに敷地内に立ち入る必要はなく、外から確認可能で、次に来たときに簡単に見つけられるためです。主に玄関にある以下の場所で、マーキングが行われます。

  • ドア
  • 表札
  • ポスト
  • インターフォン
  • メーターボックス(ガス・電気) 

空き巣が下見で営業や配達員を装って訪問した場合、これらの場所であればほとんど気づかれません。玄関周りに怪しいシールや記載がないか、定期的に確認しましょう。

窓やベランダ

出入口以外でも、外から侵入できる窓やベランダにマーキングされる恐れもあります。窓やベランダは玄関よりも行く頻度が少なく、マーキングに気づきにくい場所です。不審なシールや書き込みがないか、こちらも定期的に確認してください。

家の側面や裏側

普段あまり通らずに目立ちにくい家の側面や裏側も、マーキングされる恐れがあります。なかなか気づきにくい場所についても、意識して確認しましょう。

空き巣がマーキングを使う理由

空き巣がマーキングを使う理由はふたつあります。ひとつは、下見の情報を残すためです。空き巣は、盗みに入る前に下見をします。

何度も下見をして、入念に準備してから盗みに入ることが多く、そのためには家の情報を把握しておかなければなりません。盗みに入りやすく逃げやすい家を見つけるために、たくさん家を下見してから目星を付けるのです。

もうひとつは、仲間との情報共有のためです。空き巣は、単独で行動しているとは限りません。複数人で行動する場合、盗みに入る家の情報共有が必須です。

家の場所さえわかれば、あとはマーキングの確認のみで状況を把握しスムーズに盗みに入れます。空き巣にとってマーキングは、盗みを働く上で重要な作業なのです。

空き巣のマーキングを見つけた場合の対処法

空き巣のマーキングを見つけたら、狙われないためにも早急に対処する必要があります。ここでは、空き巣のマーキングを見つけた場合の対処法を紹介します。

写真を撮りマーキングを消す

空き巣のマーキングを見つけたら、まずは写真を撮りましょう。警察に被害届を出す場合、写真があると証拠になります。

すぐにでも消したくなりますが、今後の対応のためにも、きちんと証拠は残しておいてください。写真を撮ったら、マーキングを消しましょう。油性ペンであれば除光液、傷なら補修材、シールならシールはがしなどを使えば消せます。

マーキングを消せば、空き巣がマーキングに気づかれたことを認識し、標的にされにくくなります。マーキングを見つけたら、できる限り早く消すのが理想的です。早く対応することで、盗みに入られるのを予防できます。

警察に相談する

マーキングを消した後は、なるべく早く警察に相談しましょう。盗みに入っていないため動いてくれないのではと考えがちですが、相談すればパトロールを強化してくれる場合もあります。

また、家の近くで同じようなマーキングがある、もしくはマーキングがあり空き巣が入ったという場合には、緊急と判断し動いてくれるかもしれません。被害を大きくしないためにも、マーキングを見つけたらすぐに相談してください。

マーキングや空き巣被害の情報を地域で共有すれば、空き巣に対する防犯意識が高められます。自身のみでは解決が難しくても、地域で取り組めば盗みに入りにくい地域として空き巣に認識される可能性もあります。マーキングのみだからといって諦めず、被害を最小限に抑えるためにも警察へ相談しましょう。

空き巣被害を防ぐための対策方法

空き巣被害を防ぐためには、どのような対策ができるのでしょうか。ここでは、空き巣被害を防ぐための対策方法を3つ紹介します。

防犯性の高いカギに交換する

空き巣被害を防ぐためには、防犯性の高いカギに交換するのが有効です。家に入るのに5分かかるようであれば、空き巣の大半は侵入を諦めます。

防犯性の高いカギに交換するとカギを開けられず、空き巣は諦める可能性が高くなります。空き巣が入らないようにしたいのであれば、防犯性の高いカギへ交換しましょう。

カギの防犯性を高めたいなら、ディンプルキーがおすすめです。ディンプルキーは刻みキーのようにギザギザではなく、表面に丸い凹みがあるタイプの鍵です。鍵穴の構造が複雑なためピッキングに強く、空き巣対策に効果が期待できます。刻みキーよりも費用は高くなりますが、玄関の防犯性をできるだけ高めたいなら、ディンプルキーを採用しましょう。

防犯アイテムを設置する

防犯アイテムを設置すると、ある程度空き巣被害の防止が期待できます。空き巣被害防止のための主な防犯アイテムは、以下のとおりです。

【防犯ステッカー】
防犯ステッカーは、一番手軽に対策できる防犯アイテムです。マーキングされた場所に貼ると、防犯を意識していることが空き巣に伝わり、狙いにくい家と認識してもらえる確率が上がります。

【防犯カメラ】
防犯カメラがあると、空き巣は撮られるのを恐れて避ける傾向にあります。実際に撮影できる防犯カメラは高価ですが、威嚇のみでよければ、ダミーカメラでも撮影できる防犯カメラと同じ防犯効果が期待できます。

【防犯センサーライト】
防犯センサーライトは、人が来たらセンサーでライトが付き、空き巣が来たことを知らせてくれるアイテムです。付けていると、夜や暗い場所で効果を発揮します。

セキュリティ会社に警護を依頼

空き巣被害を防ぐためには、セキュリティ会社に警護を依頼するのも方法のひとつです。セキュリティ会社に依頼すれば、空き巣が入った段階で知らせてくれる上、警備員が速やかに家に駆けつけてくれます。セキュリティ会社に依頼していることを提示するのみでも、十分な防犯効果を発揮します。

防犯対策がしっかりしている分、セキュリティ会社への依頼は費用がそれなりにかかります。しかし、空き巣が入って、家の被害や大事なものの盗難にあうことを考えると、出しても惜しくない費用といえるでしょう。

中には、必要機器をレンタルしている会社も多く、レンタルで利用する場合には購入する場合より費用は安く済みます。被害にあってから後悔しないためにも、セキュリティ会社への依頼を検討してみましょう。

まとめ

空き巣が使うマーキングは、玄関だけでなく思いもよらない場所にも書かれている可能性があります。もし見つけたら、証拠となる写真を残し、速やかに警察に通報してから消しましょう。

空き巣被害を防ぐために、できる対策はたくさんあります。可能な限りの防犯対策を実施して、空き巣に侵入されにくい家をめざしてください。

執筆年月日:2024年12月

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