鍵交換の費用が高すぎる場合は?費用を抑える方法や相場を紹介

鍵交換を業者に依頼すると、高いと感じることはありませんか。鍵交換の費用は、工夫次第で安く抑えられる場合があります。費用をきちんと確認せずに依頼すると、高額な請求をされる可能性があります。提示された費用の内訳をしっかり確認し、納得のいく金額で依頼しましょう。
この記事では、鍵交換の費用が高すぎる場合の費用を抑える方法や相場などについて解説します。
鍵交換費用の内訳
鍵交換費用の内訳は、部品代・作業代・出張代・その他費用の4つです。それぞれ詳しく解説します。
部品代
部品代は、交換に必要な鍵の価格です。鍵のタイプや防犯性能で、金額が大きく変わります。鍵穴のみ交換する場合は比較的安く済みますが、鍵をすべて交換する場合は高額になります。ドアノブに鍵穴が付いているタイプや、ドアや錠に問題があり鍵が使えない場合には、鍵をすべて交換する必要があるため、それなりの費用が必要です。
作業代
作業代は、業者が鍵を交換する作業に対して発生する費用です。作業代は固定されていることが多いですが、作業が複雑な場合や鍵のタイプによっては費用が異なる場合もあります。
出張費
出張費は、業者が現地に出向くまでにかかった交通費や移動時間に対して発生する費用です。アクセスしやすい都市部では比較的安く済みますが、郊外や遠方で現地に着くまでに時間がかかる場合は費用が高くなります。
その他費用
その他に発生する可能性がある費用は、以下のとおりです。
- 見積料
- キャンセル料
- 深夜早朝料金
どんな費用が発生するのか事前に確認した上で見積もりを取得し、依頼を検討しましょう。
【種類別】鍵交換の費用相場
鍵には、主にピンシリンダー、ディスクシリンダー、ロータリーディスクシリンダー、ディンプルキーシリンダーの4種類があります。ここでは、鍵交換の費用相場を種類別に解説します。
ピンシリンダー
ピンシリンダーは家の玄関やロッカーなど一番広く使われている、片側のみ山状のギザギザがある鍵です。シンプルな構造で、複製しやすいのが特徴です。鍵穴にほこりがたまりにくいため、異物が原因のトラブルも起きにくいでしょう。
構造がシンプルな分、ピッキングされやすいですが、現行のピンシリンダーは対策を考えられたものもあります。ギザギザしているため鍵が摩擦しやすく、経年劣化で少しずつ削られて鍵穴にぴったりはまらなくなる場合があるのが難点です。
ピンシリンダーの交換費用の相場は、15,000~23,000円程度です。他の鍵よりも、交換費用は比較的安く済みます。
ディスクシリンダー
ディスクシリンダーは、鍵の両面に山状のギザギザがあるタイプの鍵です。鍵メーカーの美和ロックが開発し、比較的価格が安いことから家の玄関や車などで広く使用されていました。
現在でも、古い住宅で使用しているところがありますが、1990年代から2000年代にかけてピッキング被害が多く発生したことを理由に、現在は製造終了しています。ディスクシリンダーキーの鍵交換の費用相場は、15,000~23,000円程度です。
ロータリーディスクシリンダー
ロータリーディスクシリンダーは、ディスクシリンダーの後継品です。代表的なものでは、美和ロックのU9があります。
見た目はディスクシリンダーとそっくりですが、ピッキング対策で内部構造を改良したため、防犯性が向上しています。こちらも価格が比較的安いため、費用を抑えつつ防犯性が高い鍵として人気です。ロータリーシリンダーキーの鍵交換の費用相場は、20,000~30,000円程度です。
ディンプルキーシリンダー
ディンプルキーシリンダーはこれまでの鍵とは異なり、鍵の表面に小さな溝がいくつかあるタイプの鍵です。鍵穴のなかのシリンダーにアンチピッキングピンが付いており、簡単にピッキングできない構造になっています。防犯性に優れていることから、最近の新築戸建てや賃貸住宅で多く採用されています。
特にIDを登録する登録制のディンプルキーについては、容易に複製できません。現行のシリンダータイプの鍵のなかでは、防犯性が高い鍵です。ディンプルキーシリンダーの鍵の交換費用の相場は、33,000~58,000円です。
鍵交換の費用を抑えるためのコツ
鍵交換の費用を抑えるためには、鍵自体を安くする方法と作業費用を安くする方法があります。ここでは、鍵交換の費用を抑えるためのコツを紹介します。
安価な鍵を使用する
鍵交換の費用を抑える方法として有効なのが、安価な鍵を使用することです。部品代は費用のなかで高い割合を占めており、鍵自体を安くすれば全体の料金が抑えられます。防犯性が高い鍵のほとんどは価格が高いため、安く抑えるにはどのくらいの防犯性能があったらよいかを考えて、必要に応じた鍵を選ぶことが大切です。
安価な鍵を購入する目安として、CPマークが表示されているかを確認しましょう。CPマークは、警察庁が制定した性能試験をクリアして防犯性能の高い建物部品として認定されていることを示すマークです。
たとえば、CPマークのついたロータリーディスクシリンダーを選ぶと、ディンプルキーシリンダーよりも安価で済みます。安価で防犯性も優れた鍵を使用すると、費用を抑えられて防犯性も確保できます。
火災保険の利用
火災保険を利用するのも、鍵交換の費用を抑える方法のひとつです。ただし、火災保険を鍵交換で利用するには、必要な条件があるため注意しましょう。適用される可能性がある条件は、以下のとおりです。
- 盗難もしくは紛失によるもの
- 居住住宅のもの
契約内容や規定によって利用可能かは異なるため、契約書の内容を事前に確認してください。適用される内容がある場合は、保険会社へ連絡し相談しましょう。
保険が適用される場合でも、補償範囲や条件は契約内容によって異なります。どこまでの範囲で、どのくらい補償されるかについても、保険会社へ連絡した際に確認してください。
補助錠を使用する
鍵の防犯性を高めるためには、補助錠を使用する方法もあります。鍵が複数付いていれば、ひとつの場合よりも開けるのに時間がかかるため、空き巣の予防が可能です。
警視庁でも、防犯対策として、もともと付いている鍵と補助錠を取り付ける1ドア2ロックを薦めています。防犯性を理由に鍵交換を考えているのであれば、補助錠の使用がおすすめです。
補助錠はホームセンターのような身近なお店でも販売されており、簡単に取り付けられます。自身で取り付けると、業者に依頼するよりも安価で済みます。ただし、ドアの種類によって取り付けられる補助錠が異なるため、ドアに適合する補助錠を選んで購入しましょう。
相見積もりを取る
鍵交換を業者に依頼する場合は、相見積もりを取ると費用を抑えられます。業者によって作業代や部品代は異なるため、作業は同じでも費用面ではかなりの差が出ることがあります。
いくつかの業者に見積もりを依頼し、部品の内容や必要な費用、キャンセル料などをしっかりと確認して検討しましょう。見積もり料やキャンセル料がかからない業者を選ぶと、余計な費用がかかりません。
費用だけでなく、見積もりを依頼した際のスタッフの対応も確認しておくと、実際に依頼したときの対応がスムーズでしょう。ただ安いからという理由だけでなく、信頼できる業者を選ぶと安心です。
鍵交換費用が高すぎると感じた場合の対処法
鍵交換費用が高すぎると感じた場合、正式に依頼をした後でも対処は可能です。鍵交換の作業前と作業後で可能な対処法を解説します。
作業前
作業前に交換費用が高すぎると感じた場合は、以下の対処法があります。
【別の業者に依頼する】
あまりにも高いと感じた場合は、他の業者への依頼も視野に入れましょう。鍵交換費用は業者によって異なるため、急ぎでない場合は、ほかの業者でどのくらいの費用になるか確認して比較するのがおすすめです。比較すれば、鍵交換の相場がどのくらいか認識でき、高額な費用を支払わずに済みます。
業者によっては、割引やキャンペーンでさらに安くしてもらえる場合もあります。具体的な見積もりを出してもらい、項目ごとの費用を比較して適正価格か見極めてください。
【作業内容を見直す】
提示された見積もりの作業内容を見直すと、費用を抑えられる可能性があります。記載されている作業が本当に必要なのか、確認してください。状況によっては、修理や補助錠の取り付けなどで解決する場合もあります。
業者によってはあまり必要のない作業を入れて料金を高くすることがあるため、しっかりと内容を確認しましょう。ドア枠や錠前の調整のような作業は、不必要なサービスの代表的な例です。交換する鍵の種類によっても費用が大きく変わるため、交換予定の鍵タイプの防犯性能が必要かどうかも検討する余地があります。
作業後
作業後に高額な費用を提示された場合には、以下の対処法があります。
【業者に問い合せる】
まずは業者に問い合せて、提示された金額の内訳を詳細に確認してください。業者が誠実に対応してくれることもあるため、しっかりと説明を聞けば納得できる場合があります。話を聞いても納得いかない場合は、次に紹介する方法を実践してみましょう。
【国民生活センターや消費生活センターへ相談する】
業者に問い合せても相手にしてもらえない場合は、国民生活センターや消費者センターへ相談してください。国民生活センターは、国民が安定して生活できるようサポートしてくれる国の独立行政法人です。また、消費生活センターは、商品やサービスなどの苦情や相談を受けてくれる地方公共団体の行政機関です。
それぞれ相談すると、解決できるようサポートしてくれます。自身での解決が難しいと感じた場合は、早めに相談しましょう。
【クーリングオフ制度を利用する】
クーリングオフ制度を利用する方法もあります。クーリングオフ制度は、契約した日から8日以内であれば契約を解除できる制度です。
最初にサイトで見た金額や提示された金額より大幅に高額になった場合に、適用できる可能性があります。明らかに高額な費用を支払うよう求められた場合は、すぐに支払わずにクーリングオフ制度の利用を検討しましょう。
まとめ
鍵の交換費用は、部品代や見積もり内容の比較・見直しで安く抑えられることもあります。業者から提案された費用をそのままうのみにせず、しっかりと内容を確認しましょう。
実際に業者に依頼した後でも、高すぎると感じる場合はできる対処があります。費用の内訳や業者の対応を見極めて、適切な費用で鍵を交換できるようにしましょう。
執筆年月日:2024年12月
※内容は2024年12月時点の情報です。法律や制度は改正する場合があります。