鍵が抜けない原因と対処法は?やってはいけないNG対応も解説

突然鍵が抜けなくなると、どうしたらよいか困惑しませんか。鍵が抜けない主な原因は、自身の確認ミスによるものと、鍵・鍵穴の状態によるものです。しっかり対処すれば、自身で解決できる場合もあります。ただし、間違って対処すると、さらなる破損を招く可能性もあるため注意しましょう。
この記事では、鍵が抜けない原因や対処法などについて解説します。
鍵が抜けない場合の主な原因
鍵が抜けない主な原因は、家の鍵と車の鍵で異なります。それぞれの原因はどんなものがあるのか、見ていきましょう。
家の鍵が抜けない主な原因
- 挿す鍵が違う
- 鍵に汚れが蓄積している
- 鍵穴に異物が入っている
- 鍵穴の潤滑油が足りない
- 鍵や鍵穴が変形している
- 鍵が経年劣化している
- 鍵穴が破損している
そもそも挿す鍵が違う場合は、ほとんどの場合抜けません。鍵や鍵穴に異物や汚れが蓄積していると、鍵を使う際に負荷がかかり劣化が進みます。
使用回数が増えると、もともと入っていた潤滑油が足りなくなり、滑りが悪くなるため鍵はうまく回りません。鍵の経年劣化や変形・破損がある場合は、新しいものに交換する必要があるでしょう。
車の鍵が抜けない主な原因
- ハンドルロックがかかっている
- シフトレバーがパーキング(P)以外のところにある
- PUSHボタンを押していない(トラック・大型車などの一部車種のみ)
- 鍵や鍵穴が劣化している
車の鍵は、鍵自体の問題ではない部分で抜けなくなっているかもしれません。該当する原因がないか、確認しましょう。
鍵が抜けない場合の対処法
鍵が抜けなくなった際に、自身で対処できる方法はたくさんあります。実際に対処法を試みて、それでも鍵が抜けないときは鍵の専門業者に依頼しましょう。ここでは、鍵が抜けない場合の対処法を紹介します。
誤った鍵を使用していないか確認
まずは、本来の鍵と異なる鍵を挿し込んでいないか確認しましょう。本来の鍵と間違えて、違う鍵を挿してしまっていませんか。特に仕事帰りで疲れていたり、暗い場所で鍵を出す場面があったりすると、間違えて違う鍵を挿してしまったということはしばしばあります。
形が似ていれば、誤った鍵でも鍵穴に挿せてしまう場合があり、抜けなくなるまで気づかないこともよくあります。誤った鍵を挿して無理に回してしまえば、抜けなくなる恐れがあるため注意しましょう。
鍵を使用するときは、合っている鍵かよく確認してから使用してください。間違えやすいのであれば、分かるように鍵を入れておく場所を決めたり、マークを付けたりして事前に対策をしましょう。
鍵を揺らしてみる
鍵を細かく揺らしてみると、スムーズに抜ける可能性があります。鍵を揺らして抜く手順は、以下のとおりです。
- 鍵を左右にゆっくり回し、抜けそうな位置を探る。
- 鍵を上下に細かく揺らしながら、少しずつ手前に引き出す。
鍵が抜けそうな手応えがある位置をしっかり見つけられれば、抜きやすくなります。ガタガタと音がするほど力任せに揺らすと、鍵が折れてしまう場合があります。力を入れすぎないで、丁寧に鍵をゆっくり揺らしてください。
鍵が経年劣化している場合は、ちょっとしたズレでも抜けなくなることもあります。しばらく鍵を揺らしてみてもうまくいかない場合は、ほかの方法を試してみましょう。
鍵を回しながら抜けるか試す
鍵をゆっくり回しながら抜けるかどうかを試すのも有効な方法です。多くの鍵は、一定の角度まで回さないと抜けない仕組みになっています。鍵を挿し込んでから90度もしくは180度の角度に回すと、たいていは抜けることが多いです。
そもそも回らない場合は試せませんが、鍵が少しでも回るようであれば試してみる価値はあります。挿し込んだ状態から少しずつ角度を変えて回しながら、鍵が抜ける位置があるか探してみましょう。鍵を回す方向はどちらか一方だけでなく、左右どちらも確認してください。
強引に鍵を回すと鍵や鍵穴が損傷する可能性があるため、やさしく回します。それでもうまくいかない場合は、ほかの方法も試してみましょう。
鍵穴内部の異物を掃除する
鍵穴の内部にホコリのような異物が蓄積されていると鍵が抜けにくいため、掃除するようにしましょう。鍵穴の掃除には、掃除機やエアダスターがおすすめです。それぞれの掃除方法は、以下のとおりです。
【掃除機での掃除方法】
掃除機のノズルを鍵穴に当てて、異物を吸い取ります。鍵穴にしっかりノズルを当てるようにすると、より効果が期待できます。
【エアダスターでの掃除方法】
エアダスターは空気を送り出すスプレーで、ホコリや粉を吹き飛ばすために用いられる道具です。エアダスターのノズルを鍵穴に近づけ、スプレーすると空気が入って異物を吹き飛ばせます。細いノズルが付いたものを使用すると、鍵と鍵穴の隙間に空気を入れやすいため便利です。
鍵穴専用の潤滑油を使用する
鍵穴専用の潤滑油を使用すると、鍵が抜ける可能性があります。鍵穴は経年劣化で潤滑油が不足して鍵が抜けなくなる場合があるため、自身で追加して滑りをよくしましょう。
使用方法は、鍵穴の隙間から0.5秒ほどスプレーするのみです。スプレーした後は鍵を細かく揺らしながら、まっすぐ引き抜いてください。
鍵穴専用の潤滑油は、ホームセンターのような日用品を扱っているお店で販売されています。鍵が挿さった状態の鍵穴に使用するため、ノズルが細いものを選ぶと使いやすいです。
潤滑油は、鍵穴が乾いた状態で使用してください。鍵穴が湿っていると、ホコリが付着しやすくなります。ホコリで再び抜けなくなってしまわないよう、鍵穴が乾いた状態で使用しましょう。
鍵の専門業者に依頼する
ここまでの対処法を試しても鍵が抜けない場合は、鍵の専門業者に依頼しましょう。鍵が抜けない原因は、鍵穴の故障や鍵の変形など、自身では解決できない原因の可能性が高いためです。
鍵の寿命は10~15年程度で、定期的にメンテナンスしていても経年劣化が進んでいます。自身でできる対処をしても鍵が抜けない場合は、鍵交換も検討してください。
家の鍵の場合は、持ち家か賃貸かで鍵の取り扱いが変わります。持ち家なら鍵屋や専門業者、賃貸なら管理会社に依頼しましょう。
車の鍵の場合は、ディーラーに依頼してください。自動車工場でも対応可能ですが、イモビライザーの対応は行っていない可能性があります。対応している鍵屋もありますが、数は限られているため注意が必要です。
鍵が抜けないときにやってはいけないNG行動
鍵が抜けない場合には慌ててしまい、やってはいけない行動をしてしまいがちです。誤って対処してしまい、鍵や鍵穴が壊れてしまわないよう気をつけましょう。ここでは、鍵が抜けないときにやってはいけないNG行動を紹介します。
無理に引き抜こうとする
無理に引き抜こうとすると、鍵穴のなかで鍵が折れてしまう場合があります。鍵が折れてしまうと修理が難しく、交換が必要です。
鍵は傷ついた部分が一部でもあったら、機能しなくなることもあります。鍵が折れると鍵穴が破損する恐れもあり、最悪の場合どちらも交換することになりかねません。さらなる故障を招かないためにも、抜けない鍵は無理に引き抜こうとせず、慎重に少しずつ引き抜くようにしましょう。
針金・ヘアピン・爪楊枝などを差し込む
鍵穴のなかの異物を取り除きたいからといって、針金・ヘアピン・爪楊枝などを差し込むのはやめましょう。針金・ヘアピン・爪楊枝などは鍵穴に差し込みやすいですが、先端がとがっているため鍵穴が破損し状況が悪化する可能性があります。
鍵穴内部が破損すると正常に機能しない上、電子系統が破損するとシステムの修理も必要になります。余計な破損を招かないためにも、針金・ヘアピン・爪楊枝などの先端がとがったものを差し込まないようにしてください。
鍵穴専用ではない潤滑油を使用する
鍵穴専用ではない潤滑油を使用すると鍵穴にホコリがたまりやすくなり、固まってしまう可能性があります。ホコリだけでなく、サビも付きやすくなるため注意が必要です。
鍵や鍵穴が破損する可能性も高くなるため、必ず鍵穴専用の潤滑油を使用しましょう。鍵穴専用の潤滑油でも、家の鍵用と車の鍵専用のものがあります。使用する鍵穴に合わせたタイプのものを使用してください。
鍵が抜けない場合の費用相場
鍵が抜けない場合の費用相場は、鍵の種類や作業内容によって異なります。調整のみであれば費用は比較的抑えられますが、鍵の交換が必要な場合は想定以上に費用がかかる場合もあります。金額を見てから慌てないためにも、あらかじめどのくらいかかるか確認しておきましょう。ここでは、家の鍵と車の鍵が抜けない場合の費用相場を解説します。
家の鍵が抜けない場合の費用相場
家の鍵が抜けない場合、鍵を破壊せずに調整のみで抜き取れるときの費用相場は8,000~16,000円です。無理に回してしまい鍵穴が壊れてしまっている場合は、破壊して解錠する必要があるため、さらに費用は高くなります。
破壊して解錠し鍵を交換する場合は、鍵のタイプによって費用が異なります。ピンシリンダーキーの場合は18,000~26,000円程度、ディンプルキーの場合は26,000~37,000円程度が相場です。
鍵の交換は、調整のみの場合よりも2倍以上の費用がかかります。余計な費用をかけないためにも、鍵が抜けないと分かったタイミングで慌てて無理に開けないようにしましょう。
車の鍵が抜けない場合の費用相場
車の鍵が抜けない場合の費用相場は、家の鍵とは異なります。一般乗用車の費用相場は、鍵を抜き取るのみの場合は10,000~25,000円程度、鍵を交換する場合は55,000~105,000円程度です。高級車や外車であれば、ほとんどの場合、さらに費用が高くなります。
車の鍵を交換する際は、家の鍵以上にそれなりの費用がかかると想定しておきましょう。鍵や鍵穴の状態によっては、相場の費用よりも高額になる可能性もあります。費用相場はあくまで参考価格なため、業者に依頼するときは見積もりを取って、どのくらいかかるかあらかじめ確認してから依頼しましょう。
まとめ
鍵が抜けなくなった場合は無理に引き抜こうとせず、適切な対処を試すことで改善する可能性があります。対処しても改善しない場合は、専門業者に依頼するのがおすすめです。鍵の状態によって費用は異なりますが、適切に対処してくれるでしょう。急を要する状況であっても、慌てず落ち着いて対応するようにしてください。
執筆年月日:2024年12月