車のスペアキーを紛失してしまったときの対処法は?作成方法や費用について解説

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車のスペアキーを紛失してしまったときの対処法は?作成方法や費用について解説

「車のスペアキーを紛失して困っている」「家族が運転するためのスペアキーを用意したい」などの理由で、鍵を複製したいと思うことがあるでしょう。

車のスペアキーを作成する場所や費用は一律ではなく、それぞれ特徴があります。本記事では、車のスペアキー作成を依頼できる場所や特徴、費用相場、依頼前に押さえておきたい注意点を詳しく解説します。

車の鍵の種類

車のスペアキーを作成する際は、依頼時に鍵の種類を伝える必要があります。鍵の種類によっては対応できない店舗があったり、作成にかかる時間が異なったりするためです。まずは、紛失したスペアキーがどの種類であるかを確認しましょう。

メカニカルキー

メカニカルキーは、ドアの鍵穴に差し込んで使用するタイプの鍵です。見た目は、一般的な家の鍵のような形状をしています。リモコン機能などがなく単純な構造のため、多くの店でスペアキー作成に対応してくれます。 

作成方法は簡単です。「ブランクキー」と呼ばれる、溝のない平らな鍵を削ります。ただし、ブランクキーにはさまざまな種類があり、依頼先の店舗に在庫がないケースもあります。その場合、長さや厚さが合うブランクキーを取り寄せるため、日数がかかることを理解しておきましょう。

イモビライザーキー

「イモビライザー」と呼ばれる防犯装置を搭載した鍵が、イモビライザーキーです。イモビライザーキーの先端にはICチップが組み込まれており、車体内部のIDと鍵のIDが一致したときのみ、エンジンがかかります。非常に高い防犯性をもつ鍵ですが、IDは暗号化されており、スペアキーの作成にはイモビライザー用の機械が必要です。 

自身の鍵がイモビライザーキーか分からない場合は、車種と年式を確認してみましょう。国内でイモビライザーが標準搭載されたのは、2000年頃からです。イモビライザーキーの複製に対応している店舗であれば、車種と年式で対応可能か確認してもらえます。

リモコンキー

リモコンキーは、メカニカルキーに各種ボタンがついたタイプの鍵です。キーレスキーやキーレスエントリーと呼ばれることもあります。 

持ち手部分に、カバーと「LOCK」「UNLOCK」などのボタンがついているのが一般的で、ドアから離れた場所でも施錠と解錠の遠隔操作ができます。鍵のマークが描かれているものも多く、見分けやすいのが特徴です。 

エンジンをかける際は、メカニカルキーと同じように、溝のある鍵部分を鍵穴に差し込んで使用します。ただし、ICチップが搭載されている鍵がほとんどであるため、スペアキーが作れる場所は限定されます。

スマートキー

スマートキーはリモコンのような形状で、メカニカルキー部分が隠れているデザインです。鞄やポケットに入れて持ち歩くと、ドアノブに触れたりボタンを押したりする簡単な動作で施錠・解錠ができます。さらに、エンジンはプッシュボタンで始動と停止ができるため、鍵穴に差し込む必要がなく非常に便利です。 

現在多くの車で採用されているスマートキーですが、ほとんどがイモビライザーを搭載しています。そのため、スペアキーの作成は専用の業者に依頼する必要があります。 

※スマートキーはトヨタ自動車株式会社の商標です。

車のスペアキーの作成の依頼先

車の鍵の種類を確認したら、次はスペアキー作成の依頼先を決めましょう。代表的な業者や店舗は大きく5つありますが、次の表のように、依頼先によっては作成できない鍵の種類があります。作成時間や日数も異なるため、それぞれの特徴を理解して、自身の状況や希望に合った依頼先を選びましょう。 

鍵の種類

ディーラー

鍵専門業者

自動車整備工場

ホームセンター

カー用品専門店

メカニカルキー

イモビライザーキー

×

×

リモコンキー

×

×

スマートキー

×

×

スペアキーの作成が可能な5つの依頼先について、詳しく紹介します。

ディーラー

自動車メーカーの販売店であるディーラーは、スペアキーの作成を依頼するうえで信頼できる選択肢のひとつです。イモビライザーを搭載した、作成が難しいスペアキーにも対応してくれます。純正品として新品同様の鍵を手に入れられるのも魅力です。 

ただし、完成までにはある程度の時間を要します。手元に届くまでには一般的に1〜2週間かかるため、緊急時には不向きです。時間がかかっても確実なスペアキーがほしい方におすすめの依頼先といえます。

鍵専門業者

急いでスペアキーが必要な場合は、鍵専門業者が頼りになります。メカニカルキーはもちろん、イモビライザー搭載のスペアキーにも幅広く対応してくれます。また、ディーラーよりも短時間で作成できるのが特徴です。 

ただし、すべての鍵専門業者がイモビライザー登録用の機械を備えているとは限りません。メカニカルキー以外の鍵の複製を依頼する場合は、事前にホームページや電話で対応可能か確認しておきましょう。特に輸入車や特殊な鍵の場合は、在庫確認も含めて事前に問い合せておくと安心です。

自動車整備工場

一部の自動車整備工場でも、スペアキーを作成できます。工場によっては、イモビライザー登録も可能です。スマートキーなどの在庫があれば、その場で対応してくれることもあります。 

ただし、自動車整備工場は自動車を整備する場所であるため、スペアキーの作成をしてくれる工場は限られます。依頼する際は、スペアキーの作成が可能かどうか、対応できるスペアキーの種類も含めて事前に確認しておきましょう。

ホームセンター

ホームセンターでもスペアキーを作成することができます。店舗数が多いため、気軽に依頼ができるのがメリットです。ただ一般的に、ホームセンターにはイモビライザー用の機械がありません。ほとんどの店舗では、メカニカルキーのみスペアキーの作成が可能です。 

また、スペアキーの作成自体を行っていない店舗もあります。ホームセンターを訪れる前に、スペアキーの作成が可能かどうか確認し、さらにメーカー名を伝えると在庫確認もスムーズです。

カー用品専門店

かつてはカー用品専門店でもスペアキー作成を行っていましたが、現在では対応していない店舗がほとんどです。対応している店舗でも、メカニカルキーのみ作成可能な場合が多いです。カー用品専門店へ依頼する場合は、出向く前にホームページや電話で問い合せてみましょう。

車のスペアキーの作成にかかる費用相場

スペアキー作成の費用は、依頼先や鍵の種類によって異なるため、事前に相場を把握しておくと安心です。次の表は、ディーラーと鍵専門業者、ホームセンターに依頼する場合の費用相場をまとめたものです。 

依頼先

メカニカルキー
(外側に溝)

メカニカルキー
(内側に溝)

イモビライザーキー・リモコンキー

スマートキー

ディーラー

1,650~3,300円

4,400~5,500円

13,200~

55,000円

22,000~

55,000円

鍵専門業者

550~1,100円

3,300~5,500円

11,000~

66,000円

22,000~

66,000円

ホームセンター

550~1,100円

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スペアキー作成の費用は、車のメーカーや年式、グレードなどによっても変動します。そのため、上記の金額は参考程度としてください。正確な金額は、依頼先に確認してみましょう。 

また、状況によっては追加料金が発生する場合もあります。例えば、鍵の紛失で車を動かせずに出張作業を依頼すると、別途で出張費がかかるのが一般的です。 

イモビライザー搭載の鍵の場合、手元にオリジナルキーもスペアキーもない状況では、車両のコンピューター交換が必要になるケースもあります。その際、費用は10万円前後になるケースもあるため、注意が必要です。時間に余裕がある場合は、複数の業者に問い合せ、見積りを比較してみましょう。

車のスペアキー作成の注意点

最後に、車のスペアキー作成の注意点を解説します。スペアキー作成後のトラブルを防ぐためにも、以下のポイントを押さえておきましょう。

可能な限りオリジナルキーから複製する

スペアキーは可能な限り、オリジナルキーから複製しましょう。スペアキーからの複製も可能ですが、精度が落ちる可能性があります。特にメカニカルキーは、オリジナルキーとの微妙な違いが生じると、鍵穴を傷つけるリスクが高くなります。これにより、鍵が回らないなどのトラブルも起こりかねません。 

手元にオリジナルキーがない場合は、ディーラーに純正品の作成を依頼するか、高い技術をもつ鍵専門業者に相談するのがおすすめです。

完成までの時間を考慮する

メカニカルキーの構造はシンプルなため、作業時間はあまりかかりません。スペアキーの元となるブランクキーの在庫があれば、数時間で作業が完了します。一方、イモビライザー搭載の鍵はある程度の時間がかかります。鍵の複製のほかに、電子認証の登録などを行うためです。 

完成までの時間を考慮する際、ディーラーよりも鍵専門業者に依頼するほうが早いケースもあります。ただし、店舗の在庫状況や混雑状況によるため、事前に問い合せて確認しておきましょう。

鍵の種類を誤るとエンジンがかからない

イモビライザー搭載の鍵の場合、メカニカルキー部分のみを複製してもエンジンはかかりません。防犯上、車と鍵の電子IDが一致しないとエンジンが始動しない仕組みになっているためです。 

前述のとおり、イモビライザー搭載の鍵を複製するには専用の機械が必要です。対応可能なディーラーや鍵専門業者に依頼しましょう。

スペアキーの保管場所に注意する

スペアキーを作成した後は、保管場所にも注意が必要です。家族と共有する場合は、室内の取り出しやすい場所に保管するのが理想ですが、盗難などのリスクを考慮し、目立つ場所には置かないようにしましょう。 

ダッシュボードやサンバイザーに隠すなど、車内に保管するケースもありますが、施錠できないなどのトラブルを起こす恐れがあるため、車内に保管する際は電池を抜くなどの対策が必要です。

まとめ

車の鍵の種類やスペアキー作成を依頼できる場所、費用相場などについて解説しました。 

車の鍵は、シンプルな構造のものから高い防犯性を備えたものまでさまざまです。そのため、スペアキーの作成を依頼できる場所や費用、完成までの時間は、鍵の種類によって異なります。時間に余裕がある場合は、複数の依頼先から見積りをとるなどして検討するのがおすすめです。 

一方、急ぎの場合は、鍵専門業者への依頼が便利です。すぐに対応可能か、費用はどのくらいかかるかなどを事前に問い合せ、作成してもらいましょう。

執筆年月日:2024年12月

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