家の鍵が開かない原因は?自分でできる対処法と注意点を紹介

  • 鍵開け・交換・修理
家の鍵が開かない原因は?自分でできる対処法と注意点を紹介

私たちの生活において、鍵は欠かせないセキュリティアイテムのひとつです。鍵は建物内に出入りするために必須であるため、万が一鍵が開かない状況に直面すると、焦る人も多いでしょう。

この記事では、鍵が開かない場合の原因と対処法、やってはいけない注意点についてくわしく解説します。また、業者に解錠を依頼した場合の気になる費用相場についても紹介していますので、急なトラブルにも冷静に対処できるよう、知識を備えておきましょう。

鍵が開かない主な原因と自分でできる対処法

鍵が開かない原因にはさまざまなものがあります。原因が特定できないと、適切な対処法を見つけることが難しくなるでしょう。ここでは、鍵が開かない場合の主な原因とその対処法を紹介します。まずは原因をしっかりと特定しましょう。

鍵の紛失

基本的な原因に鍵の紛失があります。鍵が手元になければ開けることはできません。思い当たる場所を探しても見つからない場合は、悪用される事態を避けるため、早急な対処をおすすめします。

鍵を紛失した場合は、警察署や交番に「遺失届」を提出します。遺失届は交番まで足を運ばなくても、オンラインで提出が可能です。必要事項を記入、またはシステム上に入力し届けを出しておくと、鍵が警察に届けられた際、所有者に連絡を取りやすくなります。

遺失届を提出する際には、鍵のメーカー名や付けているキーホルダーなどの特徴を記載しておくと、警察で鍵を照合した時に持ち主が特定しやすくなります。届出を出す際にはくわしく記載しましょう。

また鍵の紛失は、鍵が開かない以外にも、落とした鍵を不正に利用され家に侵入されるなどの防犯上のリスクを伴います。そのため、遺失届を出す他にも、鍵の交換を検討すると安心です。

鍵穴に異物が詰まっている

ドアの外側に設置されている鍵は、周囲に舞っているゴミやホコリが蓄積しやすい場所です。鍵穴にゴミやホコリが詰まっていると、鍵が正しく差さらないことがあります。また、汚れにより、鍵穴が正しい鍵を認識できず、解錠できないこともあるでしょう。

他にも、異物が詰まる原因として、第三者によるいたずらで、木片やガムなどが入れられている可能性があります。鍵が差し込みにくい状態に気付きながら、無理やり鍵を差し込むと、シリンダーの故障につながるため避けましょう。

鍵穴の汚れは、掃除機で吸ったり、エアダスターを使用したりして掃除を行うことができます。普段から鍵を拭くなどの定期的なお手入れも有効です。万が一、異物が詰め込まれていた場合、針金などを使用して異物の除去をするのは避けましょう。シリンダーが故障する可能性があるため、専門業者への相談がおすすめです。

鍵の汚れ

鍵の形状には複数の窪みがあり、そこにホコリやゴミ、油分などが溜まりやすくなっています。ディンプルキーなど、防犯性能に優れた鍵に汚れが付着していると、鍵穴が正しい鍵を認識せず、解錠できないことがあります。日頃から柔らかい素材の布や歯ブラシなどで優しく掃除することが大切です。

また、鍵の汚れが原因で鍵穴に不具合が発生することがあります。普段なにげなく使用している鍵ですが、汚れた鍵を鍵穴に差し込むと、鍵穴にも汚れが蓄積していきます。鍵穴に汚れが溜まってしまったら、掃除機で吸引するか、ゴミ類を吹き飛ばすことができるエアダスターを使うのがおすすめです。これにより、空気を使って小さなゴミやホコリを取り除けます。

なお、鍵や鍵穴の掃除を行う際は、傷つけないように注意しましょう。定期的な掃除で、鍵をスムーズに施錠・解錠することができます。

鍵の経年劣化・変形

鍵が開かない原因のひとつに、鍵の劣化や変形が挙げられます。劣化や変形した鍵を使い続けることにより、鍵穴に影響を及ぼす恐れがあるためです。

鍵の寿命は一般的に約10年と言われていますが、使用頻度や保管状態によっても変わります。劣化や変形が進行すると、鍵が折れるなどの破損につながるため、違和感を感じたら早めに新しい鍵に交換しましょう。

また、鍵はピンがシリンダー内で適切に配置されることにより開く仕組みであるため、鍵の変形や摩耗が進んでいると、鍵を誤認識し、解錠できない場合があります。

さらに、変形がある鍵を鍵穴に差し込むと、シリンダーの故障や鍵が鍵穴内で折れるトラブルを引き起こすケースもあります。鍵の変形や劣化に気付いたり、違和感を感じたりした場合は、使用を中止し、新しい鍵に変えるか合鍵を使用するようにしましょう。

ストライクの位置がズレている

「ストライク」は、「受け座」とも呼ばれる、扉の側面に設置されている金属の部品です。ストライクは鍵を閉めたときにドアから出てくる「デッドボルト」を受ける役割を担って​います​。ストライクの位置がずれると、デッドボルトとうまくかみ合わなくなり、解錠や施錠がしづらくなります。

ストライクの位置がずれる原因は、経年劣化によるネジのゆるみや、地震によるドアの変形によるものです。これらの要因で鍵の開閉時に干渉が大きくなり、スムーズに動作しなくなることがあります。干渉が続くと、デッドボルトが損傷する可能性があるため、早めにストライクの位置を正常に戻しましょう。

ストライクの位置を元に戻すためには、ドアを開けて作業する必要があるため、鍵が開かない場合は専門業者に依頼しましょう。

電子錠の電池切れ・故障

電子錠とは電池で電力を供給し、鍵の施錠・解錠を行う装置です。近年では自宅の玄関ドアにも電子錠を採用する人が増えています。電子錠は、電池切れが発生すると動作しなくなるため、鍵が開かない場合、まずは電池を交換してみましょう。

それでも不具合が解消しない場合は、暗証番号を確認してください。多くの電子錠は暗証番号で操作するタイプです。防犯性を高めるため、暗証番号の誤入力を繰り返すと一定時間、鍵がロックされる仕様になっています。暗証番号を1つでも誤ると鍵は開かないため、慎重に再入力してみましょう。

電池や暗証番号に問題がない場合は、本体が寿命である可能性もあります。電子錠の寿命は一般的に7年程度といわれており、使用環境や使い方によって前後します。調子が良くないと感じたら購入時期を調べてみましょう。本体の故障は自力での修復が難しいため、不具合に気付いたら早めに業者へ相談するのがおすすめです。

鍵が開かないときにやってはいけない注意点

鍵が開かない、操作しづらいといった場合、焦りからつい力を入れてしまうことがあるかもしれません。しかし、強引な操作は、鍵や錠を損傷させる恐れがあります。さらなる故障を避けるため、次に挙げる行動は避けましょう。

無理やり鍵を回す

鍵が回らない場合でも、無理やり鍵を回すのはやめましょう。鍵がスムーズに回らないのは、すでに鍵に何らかの不具合が出ている可能性があるためです。

また、鍵の不具合に合わせて、独特な使い方を続けている方もいるかもしれません。しかし、不具合に気付きながら使い続けることは、鍵の突然の故障を引き起こし、緊急事態に鍵が操作できなかったり、鍵の修理費が余計にかかったりする原因になります。そのため、早めに点検や修理を依頼しましょう。

ピッキングをする

先端が尖ったピンや針金などを鍵穴に差し込み、操作することは鍵穴の破損につながります。ピッキング作業は、専門知識や技術が必要なため、自己判断で行うと状況が悪化することもあります。差し込んだ物の先端が折れてシリンダー内部に残ってしまうと、鍵にも傷がついて破損する恐れがあるため、自分でピッキングをするのは避け、専門業者に依頼しましょう。

鍵専用ではない潤滑油の使用

鍵には鍵専用の潤滑油が存在し、鍵以外の用途の潤滑油を使用すると、鍵の性能や寿命に悪影響を及ぼす可能性があります。食用油や適さない潤滑油を使うことにより、ホコリが油に付着し、鍵穴で詰まりが生じることがあります。食用油などは簡単に入手できますが、適さない潤滑油の使用は避け、鍵専用の潤滑油を使用してください。

鍵開け事業者に依頼した場合の費用相場

鍵の不具合に自分で対処ができなかった場合、専門業者に依頼することになります。鍵開けにかかる費用は鍵の数量、種類、作業方法や緊急度によって異なります。この章では鍵開け事業者に依頼した場合の費用相場を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

作業内容

費用相場

鍵の解錠

5,000~17,000円

破壊開錠+鍵の交換(刻みキー)

15,000~50,000円

サムターン回し解錠

12,000~30,000円

鍵の修理や解錠費用は防犯性能の高い鍵になるにつれて、高額になる傾向にあります。また、深夜に作業を依頼した場合は深夜の割増料金が加算されます。

破壊開錠は、物理的に鍵を壊して開錠する方法で、新たな部品や鍵を用意する必要があるため、予想よりも費用が高くなるかもしれません。破壊開錠は大きな音が発生することがあるため、深夜の作業に対応していない場合があります。深夜料金や深夜の作業について気になる方は、依頼前に問い合せてみましょう。

これらの作業にかかるサービスや料金体系は業者によって異なるため、複数の業者に見積もりを依頼すると費用の相場を把握しやすくなります。急ぎでない場合は、業者を比較して検討する時間を取り、納得のいく業者に依頼すると良いでしょう。インターネットを活用し、料金の正当性やクチコミなども確認しておくと安心です。

まとめ

鍵の不具合やトラブルは人の安全や財産に関わる重要な問題であるため、ほとんどの人が焦ってしまう状況になるでしょう。そのため、鍵の不具合やトラブルが起きた場合でも冷静に対処するための知識を持っておくと安心です。

信頼できる業者を選ぶ方法や、鍵に関する費用の相場を把握しておくことで、トラブルを避けられることもあります。自分で対処が難しい場合は、鍵の専門業者へ相談してみてください。

執筆年月日:2024年12月

記事一覧に戻る