車の鍵(スマートキー)を紛失|対処法や作成料金について解説

車の鍵の紛失は、ドライバーにとって身近なトラブルの一つです。特に近年は、スマートキーなど高機能な鍵が増えており、無くした時の対処法や交換費用も従来とは大きく異なってきています。
本記事では、車の鍵(スマートキー)を紛失した際の具体的な対処法から、スマートキーの交換にかかる料金相場まで、詳しく解説していきます。万が一の事態に備えて、知っておきたい情報をまとめました。ぜひ参考にしてください。
※スマートキーはトヨタ自動車株式会社の商標です。
スマートキーでできること
スマートキーは、従来の車の鍵とは異なり、高度な機能を備えています。微弱な電波で車と通信を行い、今までできなかったさまざまな操作を可能にしました。
施錠・解錠の自動化
スマートキーの特徴的な機能の一つは、鍵を取り出すことなく車の施錠・解錠ができることです。ドアに近づくだけで自動的に解錠され、離れると自動的に施錠されます。また、買い物袋などで両手がふさがっている時でも、ドアノブに触れるだけで開閉が可能なため、非常に便利です。
エンジン始動の簡略化
従来の車のように鍵をシリンダーに差し込む必要がなく、ブレーキを踏みながらボタンを押すとエンジンを始動できます。これにより、鍵を取り出すことなくスムーズな乗り降りが可能です。
メーカーごとの機能
各自動車メーカーでは、特有の便利機能を搭載しています。例えば、トヨタは電池切れを防ぐ節電機能を、日産は車内への鍵の置き忘れを警告するキー閉じ込め防止機能を採用しています。
キーレスキーとの違い
キーレスキーでは、ボタンを押して遠隔操作を行う必要がありました。一方、スマートキーでは鍵を取り出すことなく、ポケットやかばんに入れたままで操作が可能です。このように、スマートキーは日常的な車の使用をより便利で快適なものにする機能を備えています。
スマートキーを紛失した場合の対処法
前述のとおり、スマートキーは高度な機能を搭載しているからこそ、無くした際のリスクも大きくなります。ここからは、スマートキーを紛失した場合の対処法について詳しく見ていきましょう。
エンジンがかかるか確認する
まず、車内や車の近くでスマートキーを紛失した可能性がある場合、エンジンがかかるか試してみましょう。スマートキーは車と微弱な電波で通信を行うため、エンジンがかかれば鍵は近くにあるということになります。もしエンジンがかからない場合は、スマートキーが離れた場所にあるか、電池切れの可能性が考えられます。
心当たりのある場所を再度確認する
焦ってしまうと冷静な判断ができなくなってしまいます。落ち着いて、次のような場所を確認しましょう。
- 座席の隙間や座席下
- ドアポケットの中
- 衣服のポケット
- かばんや買い物袋の中
特に車内で紛失した可能性がある場合は、細かい所まで丁寧に探すことが重要です。また、同乗者がいた場合は、その方の持ち物の中にも混入している可能性があるため、確認をお願いしましょう。
スペアキーを使用する
スマートキーを紛失した場合の最も簡単な対処法は、スペアキーの使用です。スペアキーがあれば、通常通りドアの開閉やエンジン始動が可能です。ただし、スペアキーが自宅にあり、現在地から遠い場合は、家族や知人に持ってきてもらうことを検討しましょう。
ロードサービスを利用する
車内にスマートキーを置いたまま施錠してしまった場合は、ロードサービスの利用がおすすめです。ロードサービスの会員であれば、無料で解錠作業を行ってくれることもあります。ただし、これはあくまでも解錠作業のみであり、エンジンの始動はできないことに注意が必要です。
また、ロードサービスは、鍵開けに限らず、事故対応や故障など、さまざまな車のトラブルに対応しています。そのため、混み合っているときは即時対応が難しいケースもあります。加えて、深夜や早朝などの時間帯は割増料金が発生する可能性があるため、あらかじめ確認しましょう。
購入先のディーラーに依頼する
高機能なスマートキーは、一般の鍵屋では対応が難しい場合もあるため、車を購入したディーラーに相談するのがおすすめです。ただし、ディーラーでの新しいスマートキーの作成には通常1週間程度かかります。また、一般的な鍵と比べて作成費用が高額になる傾向があることも認識しておきましょう。
鍵専門業者に依頼する
急いでスマートキーを作成する必要があるときは、即日対応が可能な鍵専門業者に依頼するとよいでしょう。ただし、すべての車種に対応できないこともあるため、事前に車種名やグレードを伝えて、対応可能かどうか確認することをおすすめします。
スマートキーを紛失した場合の注意点
スマートキーを紛失した際は、一般的な鍵の紛失以上に注意が必要です。スマートキーには高度なセキュリティ機能が搭載されているため、その再発行や登録には特別な手続きが求められます。ここでは、スマートキー紛失時に特に気をつけるべきポイントについて詳しく解説します。
スマートキーがイモビライザー式かどうか確認する
スマートキーには、イモビライザーが搭載されていることが多くあります。
【イモビライザーとは】
イモビライザーとは、車両の防犯性を高めるために設計されたセキュリティ装置です。鍵に内蔵された電子チップ(トランスポンダ)と車両側のIDコードを照合し、正規の鍵でない場合はエンジン始動をブロックする仕組みです。
たとえ何かしらの方法でドアを開けることができても、電子認証が一致しない限りエンジンは始動しないため、車両の盗難を効果的に防止することができます。この高度なセキュリティ機能により、キーの作成や登録には専用の設備が必要となり、対応できる業者が限られます。
【イモビライザー式かどうか確認する方法】
スマートキーがイモビライザー式かどうかは、以下の特徴から判断できます。主に、次の3つのいずれかに該当する場合は、イモビライザー式の可能性が高いです。
- ボタンを押すだけでエンジンを始動できる
- 車のインパネに、鍵マークのインジケーターランプが点灯または点滅する
- 車の窓に、盗難防止装置搭載を示すステッカーが貼られている
前述のとおり、イモビライザー式の鍵は、多くの業者が対応できないため、作成を依頼する際は、事前に車種と年式を伝え、対応可能か確認が必要です。また、一般的な鍵と比べて作成費用が高額になりやすい点にも注意しましょう。
警察や交番に遺失届を提出しておく
スマートキーを紛失した場合、警察や交番に遺失届を提出しましょう。これにより、第三者が鍵を拾得した際に迅速な連絡を受けることができます。
警察や交番が近くにない場合は、電話での届け出も可能です。地域によっては、オンラインで遺失届を提出できることもあります。各都道府県の警察に確認してみましょう。
遺失届を提出する際は、次の情報を具体的に伝えることが大切です。
- スマートキーの特徴
- 紛失した可能性のある場所
- 紛失した時間や日付
- 連絡がとれる電話番号
また、遺失届の提出と同時に、すでに落とし物として警察に届けられていないかも確認しましょう。各都道府県警察では、拾得物件を公表しているため、自分でオンライン上で検索することもできます。
車の鍵開け・作成には免許証と車検証が必要になる
車の鍵開け・作成には、原則として本人確認のため運転免許証と車検証の提示が必要です。これは不正使用や盗難を防ぐために重要となります。車検証は車内に保管していることも多いですが、万が一のために車検証の画像をスマートフォンなどに保存しておくとよいでしょう。
なお、社用車などで車検証の名義が自身と異なる場合は、関係を証明できる書類も必要となります。
スマートキーの交換にかかる料金相場
スマートキーの交換や作成にかかる料金は、依頼先や車種などによって大きく異なります。ここでは、主な依頼先ごとの料金相場を見ていきましょう。
ディーラーでの料金相場
購入先のディーラーでは、新しい純正キーを手配してもらえます。ディーラーでスマートキーを作成する場合の料金相場は、3万~5万円程度です。
ディーラーでは純正品を作成するため信頼性は高いものの、鍵専門業者と比較して時間がかかることが一般的です。遅い場合は、3週間以上かかるケースもあるため注意しましょう。また、車種によっては車のコンピュータの交換が必要となり、その場合は費用が大幅に上昇します。
加えて、イモビライザー式の場合、スマートキーの再発行には、識別番号(キーナンバー)が不可欠です。この番号が不明な場合は、キーシリンダー内部の番号を確認する必要があり、追加の費用と時間がかかってしまいます。
鍵専門業者での料金相場
鍵専門業者に依頼した場合の料金相場は、4万~10万円程度です。ディーラーより料金が高くなる傾向にありますが、鍵専門業者のメリットは即日対応が可能な点です。できる限り早く鍵を作成したい場合は、鍵専門業者への依頼を検討するとよいでしょう。
ただし、急いでいる場合でも、複数の業者から見積もりをとることをおすすめします。可能であれば、2社〜3社の業者に見積もりを依頼し、比較した上で決定しましょう。
また、業者によっては、イモビライザー式に対応していない、即日対応できないといったケースもあります。事前に対応可能か確認しましょう。
まとめ
車の鍵の紛失は、日常生活に大きな支障をきたすトラブルです。紛失に気づいた際は、焦らず周囲を確認することから始め、状況に応じて適切な対応をとりましょう。
一般的な鍵であれば、比較的安価で作成できますが、スマートキーやイモビライザー式の場合は、高額な費用がかかる可能性があります。また、鍵の作成には本人確認書類が必要など、注意すべきポイントもあります。日頃から鍵の取り扱いには十分注意し、スペアキーの準備や保管場所を決めておくなど、予防策を講じておきましょう。
執筆年月日:2024年12月