玄関ドアの鍵交換の費用目安は?業者に依頼する際の注意点なども解説
鍵の交換にかかる費用は、鍵の種類によって異なります。玄関ドアの鍵交換は、DIYをすることで費用を抑えられるものの、注意点も多いです。そのため、自身で鍵交換をする場合は、手順やリスクについて把握しておく必要があります。
本記事では、玄関ドアの鍵を交換するタイミングや、業者に依頼したときの費用についてお伝えします。また、DIYをする際の手順や費用、業者に依頼するときの注意点についても見ていきましょう。
玄関ドアの鍵を交換するタイミングとは
玄関ドアのカギを交換するタイミングは、主に4つあります。詳しく見ていきましょう。
引っ越しをしたとき
引っ越し先の玄関ドアの鍵が交換されていない場合、前の入居者がスペアキーを作成していたり、紛失していたりすると、防犯上のリスクが高まります。引っ越しをするときは、入居前に鍵の交換が済んでいるかを確認し、済んでいない場合は鍵交換をしましょう。
防犯性を高めたいとき
鍵にはさまざまな種類があり、シンプルな構造の鍵ほど、ピッキングの被害にあいやすくなります。複雑な構造の鍵を使用して防犯性を高めたいときも、鍵交換のタイミングです。
鍵が劣化・故障したとき
鍵の平均的な使用期間は約10年です。錆やヒビ、変形等がある場合は、鍵が劣化しているため交換のタイミングです。鍵が突然、使用できなくなることもあるため、劣化のサインが出ている場合は、早めに交換しましょう。
鍵を紛失したとき
鍵の紛失は、防犯上のリスクが高まります。盗難の可能性もあるため、なるべく早く交換するようにしましょう。
玄関ドアの鍵交換を業者に依頼した場合の費用目安
続いて、鍵交換を業者に依頼した場合の目安となる費用について見ていきましょう。
鍵を紛失した場合の交換費用
鍵を紛失した場合は、作業費が1万1,000円から、部品代が1万6,500円から2万7,500円程度が目安となります。取り付ける鍵の種類によっては鍵交換の難易度が上がるため、作業費が高くなる傾向にあります。
鍵が壊れてしまった場合の交換費用
鍵が壊れた場合の費用は、スペアキーを作成する分のみです。鍵穴のなかで折れた場合は、折れた鍵を抜く作業が必要になります。その際の作業費は、9,000円程度かかります。
鍵を差し込む本体が壊れてしまった場合は、本体と鍵の両方を交換するため、紛失時と同等の費用がかかります。
鍵の種類ごとの交換費用
鍵は種類ごとに交換費用が異なります。それぞれの交換費用について見ていきましょう。
ピンシリンダー錠
ピンシリンダー錠とは、ギザギザした鍵山で、シリンダーのなかに4~7本のピンが入っているタイプの鍵です。ピンシリンダー錠の交換にかかる費用は、作業費が1万1,000円から、部品代が5,500円から1万1,000円が目安です。
ディンプル錠
ディンプル錠とは、鍵山がなく、鍵の表面にくぼみが複数あるタイプの鍵です。ディンプル錠の交換にかかる費用は、作業費が1万1,000円から、部品代が1万6,500円から2万7,500円が目安です。
ロータリーディスクシリンダー
ロータリーディスクシリンダーとは、ディスクシリンダーの改良版で、両方の側面がギザギザしているタイプの鍵を使用します。鍵を鍵穴に差し込むと、タンブラーが回転し解錠されます。ディスクシリンダーよりもピンがそろう感覚が掴みにくいので、防犯性が高いのが特徴です。
ロータリーディスクシリンダーは、作業費が1万1,000円から、部品代が1万1,000円から2万2,000円が目安です。
TOSTEM(トステム)・LIXIL(リクシル)の鍵
TOSTEM(トステム)・LIXIL(リクシル)は、専用のシリンダーを提供しているケースが多いメーカーです。そのため、TOSTEM(トステム)・LIXIL(リクシル)の玄関ドアを使用している場合、シリンダーによっては、対応するものを用意しなければならないでしょう。
TOSTEM(トステム)・LIXIL(リクシル)の鍵交換は、作業費が1万1,000円から、部品代が1万1,000円から2万7,500円が目安です。
※TOSTEM(トステム)・LIXIL(リクシル)は、株式会社 LIXILまたはその関連会社の商標または登録商標です。
プッシュプル錠
プッシュプル錠とは、押したり引いたりすることで開閉を行う錠前のことです。ブッシュプル錠も、専用のシリンダーをメーカーが提供していることが多いタイプです。
プッシュプル錠の交換にかかる費用は、作業費が1万1,000円から、部品代が1万1,000円から2万7,500円が目安です。
インテグラル錠
インテグラル錠とは、鍵付きのドアノブのことで、鍵を差し込んだままドアを開閉できるのが特徴です。インテグラル錠は、作業費が1万1,000円から、部品代が5,500円から1万6,500円が目安です。
引戸錠
引戸とは、レールや溝に沿って扉を左右に動かすことで開閉するタイプの扉です。引戸に設置する錠を引戸錠と呼びます。引戸錠には、扉の引き手近くに設置する「戸先錠(とさきじょう)」と2枚の扉を閉じたときに重なる部分に設置する「召合錠(めしあわせじょう)」の2種類あります。
引戸錠は、作業費が1万1,000円から、部品代が5,500円から1万6,500円が目安です。
装飾錠
装飾錠とは、親指でつまみを押しながら開ける錠前です。サムラッチ錠とも呼ばれています。古い戸建ての玄関等で使用されている傾向にあります。
装飾錠は、作業費が1万1,000円から、部品代が2万7,500円から7万1,500円が目安です。
カードキー
カードキーは、磁気やICが内蔵されたカードを挿入またはかざすことで開閉するタイプのものです。電源が必要ない「メカニカルタイプ」と、電源が必要な「電子錠・電気錠」があります。
カードキーは、作業費が1万1,000円から、部品代が3万8,500円から8万2,500円が目安です。
暗証番号錠
暗証番号錠とは、あらかじめ登録した暗証番号を入力することで解錠するタイプのものです。「メカニカルタイプ」と「電子錠・電気錠」があります。
暗証番号錠は、作業費が1万1,000円から、部品代が3万8,500円から8万2,500円が目安です。
生体認証錠
生体認証錠とは、事前に静脈や指紋、顔等を登録し、一致する場合に解錠するタイプのものです。鍵を持ち歩く必要がなく、複製もできないため、防犯性が高いのが特徴です。
生体認証錠は、作業費が1万1,000円から、部品代が7万7,000円から20万9,000円が目安です。
DIYで玄関ドアの鍵を交換する方法
DIYで玄関ドアの鍵を交換すると作業費がかからないため、業者に依頼するより費用を抑えられるのがメリットです。ここでは、ホームセンターで購入した鍵をDIYで交換するときの手順や費用の目安、注意点について見ていきましょう。
DIYで玄関ドアの鍵交換をする手順
DIYで玄関ドアの鍵交換をする手順は、以下の通りです。
- ホームセンターで鍵を購入する
- フロントプレートを外す
- シリンダーを固定しているビスを外す
- 新しいシリンダーに交換する
- 新しいシリンダーをビスで固定する
- フロントプレートを取り付ける
DIYで玄関ドアの鍵交換をする際は、事前に手順を把握しておきましょう。
DIYで玄関ドアの鍵を交換するときの費用目安
DIYで玄関ドアの鍵を交換するときにかかる費用は、本体の費用のみです。ホームセンターで購入できる鍵の費用目安は、以下の通りです。
DIYで鍵交換を行うのは、作業費や出張費といった費用を抑えられるのがメリットです。業者への「見積もり」「日程調整」を行う手間がなく、自身のタイミングで鍵の交換ができるのも利点でしょう。
DIYで玄関ドアの鍵を交換をするときの注意点
玄関ドアの鍵は防犯に関わります。そのため、DIYで玄関ドアの鍵交換を行うときは、注意点についてしっかりと把握しておくことが大切です。よくある失敗には、以下のようなものがあります。
- 鍵のサイズを間違えて取り付けられない
- 無理に取り付けてしまい、ドアが閉まらない
- 取り付け時にビスを紛失した
鍵は一度購入すると、防犯上の問題で返品ができません。ホームセンターのスタッフは、必ずしも鍵に詳しいとはかぎらないため、購入前に鍵の種類や型番、サイズ等を自身で把握しておく必要があるでしょう。
また、玄関ドアにサイズが合わず、ぴったり閉まらなかったり、シリンダーが緩くなったりしていると、そこから工具を入れて鍵が壊されてしまうことがあります。しっかり防犯するためにも、事前準備をしっかり行い、適切に設置する必要があります。
業者に玄関ドアの鍵交換を依頼するときの注意点
続いて、業者に玄関ドアの鍵交換を依頼するときの注意点について見ていきましょう。
相見積もりを依頼
複数の業者に見積もりを依頼すると、鍵交換の相場を把握することができます。そのため、少なくとも3社以上の見積もりを取るのがおすすめです。2社でも比較はできますが、どちらかの2択となり、適正価格を判断するのが難しいかもしれません。3社以上の見積もりを取ることで、信頼できる業者を選びやすくなるでしょう。
また、玄関ドアに使用されている鍵が特殊なものだったり、簡単に交換ができない種類だったりすると、作業費は高額になります。見積もりを取らずに依頼すると、想定以上に高額になることもあるため、事前に見積もりを取ることはとても大切です。
業者の実績をチェックして信頼度の高いところに依頼する
鍵交換は、資格がなくてもできる仕事です。そのため、信頼のある業者に依頼するためにも、過去の施工例の実績をホームページやSNS等で確認しましょう。また、口コミサイトで評判を確認するのも方法です。ただし、口コミには、悪意のあるものも含まれているため、参考程度にしておきましょう。
業者の資格取得の有無を確認する
鍵交換に関連する資格に「鍵師」があります。日本鍵師協会による認定資格で、「鍵師技能検定試験」に合格した者が認定されます。鍵交換の仕事は資格を持たずにできますが、鍵師の資格を持つスタッフがいる業者は知識やスキルが一定以上であるため、信頼できる業者といえるでしょう。玄関ドアの鍵交換を依頼する業者が、「鍵師」の資格を持っているかを確認するのもおすすめです。
まとめ
DIYによる玄関ドアの鍵交換は、使用している鍵の種類や規格等をしっかりチェックして、適合する鍵を選ぶ必要があります。費用は安く抑えられますが、適切な鍵を正しく取り付ける必要があるため、鍵の取り付けに慣れていない方にとっては難易度が高いかもしれません。
業者に依頼すると、作業費や出張費等がかかるため割高にはなります。しかし、DIYよりも作業時間が短く、取り付けに失敗することもないでしょう。防犯上のリスクを回避しつつ、安全安心に鍵交換をするのであれば、専門の業者に依頼するのがおすすめです。
執筆年月日:2024年9月