カーペットの汚れの主な原因

カーペットの汚れは、汗や皮脂、髪の毛、ホコリのほか、食べこぼしや飲みこぼし、ペットの毛など、原因はさまざまです。このような汚れが繊維の中に入り込み、掃除をせずに放っておくとダニやカビの温床となってしまいます。

長期間床に敷かれていて湿気の溜まりやすいカーペットは、ダニやカビにとって絶好の繁殖場所です。特に皮脂汚れなどは恰好の栄養源となるため、一度ダニやカビが発生してしまうと簡単に増殖してしまいます。

また、カーペットについた汚れは、においの原因にもなります。家族みんなが快適に過ごすためにも、日常の掃除を心がけることが大切です。

カーペットの日常的な掃除方法

カーペットをきれいに保つためには日常的な掃除が欠かせません。1週間に2〜3回程度を目安に、掃除機やコロコロを使用してカーペット表面の汚れを取り除きましょう。

具体的な掃除方法について、くわしく紹介します。

掃除機を使ったカーペットの掃除方法

掃除機をかける際は、窓を開け換気をしながら行います。お菓子の食べかすや紙くずなど、目に見えるごみは先に取り除いておきましょう。大きなごみは掃除機が吸引しにくく、場合によっては詰まりの原因にもなってしまいます。

事前の準備が完了したら、実際に掃除機をかけていきます。この際、カーペットの毛並みを起こすように掃除機をかけることがコツです。繊維の奥に溜まったごみも吸い取りやすくなります。掃除機はゆっくりと走らせることも意識してください。

コロコロを使ったカーペットの掃除方法

掃除機をかけた後に、コロコロを使用するのも効果的です。コロコロなどの粘着カーペットクリーナーは、掃除機では吸いきれないほこりや髪の毛を取り除けます。掃除機をかける時と同様、換気をしながら行いましょう。

スムーズにごみを取り除くコツは、ゆっくりと撫でるようなイメージで行うことです。早く動かしたり、強く動かしたりするとかえってごみが取れなくなります。また、カーペットの毛を傷めないよう、種類に応じて粘着力の強さを変更してみてください。天然素材や毛足の長いカーペットは、粘着力の弱いタイプを使用するのがおすすめです。

※コロコロは、株式会社ニトムズの登録商標です。

カーペットの拭き掃除の方法

大型のものや素材によっては、丸洗いが難しいカーペットもあります。そんな時は、水と洗剤または重曹を使用した拭き掃除が効果的です。月に1度を目安に行ってみましょう。

具体的な掃除方法について、くわしく紹介します。

水と洗剤を使ったカーペットの掃除方法

自宅にある洗濯用洗剤を使用することで、カーペットの拭き掃除は行えます。水と洗剤を使ったカーペットの拭き掃除は、以下の手順で進めてください。

1. 拭き掃除をする前に、掃除機などで細かいごみを取り除いておく
2. 水に洗濯用洗剤を溶かし、タオルを浸す
3. タオルを固く絞る
4. カーペットの毛並みを起こすように繰り返し拭く
5. 洗剤の入っていない水でタオルを絞り、カーペットに残った洗剤を拭き取る
6. 陰干しをして、しっかりと乾燥させる

洗濯用洗剤で汚れが取れない場合は、カーペット専用洗剤を使用してみましょう。なお、使用については各製品に記載されている方法に従ってください。カーペットに洗剤や水分が残っていると、雑菌やカビの原因になります。洗剤を拭き取ったり、乾燥させたりする作業を怠らないことが大切です。

重曹を使ったカーペットの掃除方法

食品としても使用されることの多い重曹は、カーペットの拭き掃除にも活用できます。人や自然に優しく、安心して使用できるでしょう。重曹を使用したカーペットの拭き掃除の手順は、以下のとおりです。

1. 拭き掃除をする前に、掃除機などで細かいごみを取り除いておく
2. スプレーボトルにぬるま湯と重曹小さじ1を入れて振り混ぜ、重曹水を作る
3. カーペット全体に重曹水を吹きかける
4. 固く絞ったタオルで、カーペットの毛並みを起こすように繰り返し拭く
5. 乾いたタオルで重曹水を拭き取る
6. 陰干しをして、しっかりと乾燥させる

水と洗剤を使用した拭き掃除と同様、湿気が残っていると雑菌やカビの原因となります。乾いたタオルで水分を拭き取った後、しっかりと乾燥させましょう。

カーペットの洗濯方法

日常的な掃除や拭き掃除を行っても、長年蓄積された汚れは落としにくく、汚れやにおいが残ってしまうこともあるものです。買い替えることも1つの手ですが、自宅で手洗いをしたり、クリーニング店に依頼したりすることで、美しく保てる可能性があります。

ここでは、カーペットの手洗い方法やクリーニング店での依頼方法について紹介します。

カーペットの手洗い方法

洗濯表示が「手洗い」となっている場合は洗濯機を使用することができません。「洗濯機OK」となっていても、大型のカーペットは洗濯機に入らないことが多いでしょう。そんな時は、お風呂の浴槽を使用した「踏み洗い」がおすすめです。踏み洗いは以下の手順で行います。

1. 掃除機で細かなごみを取り除く
2. カーペットを浴槽の大きさに合わせてたたむ
3. カーペットが隠れるくらいお湯を張る
4. 浴槽に洗剤を入れて溶かし、1～2時間つけ置きする
5. 浴槽の中でカーペットを踏み洗いする
6. お湯を抜き、足でカーペットを踏みながら3回程度すすぎ洗いする
7. カーペットを浴槽のふちにかけて、水が垂れなくなるまで水切りをする

水きりをした後は、風通しの良い場所で陰干しを行ってください。2本の物干し竿を使用し、M字型に干すと早く乾きます。

クリーニング店で洗ってもらう

さまざまな方法を試してみても落としきれなかった汚れは、クリーニング店に依頼してみるのも手です。カーペットの素材に合わせた薬剤を使用して、クリーニングしてもらえます。そのため、素材がひどく傷んでしまうといった心配も少ないでしょう。

カーペットのクリーニング方法は、業者が自宅に訪問して行ったり、店舗に直接持ち込んだりするなど、業者によってさまざまです。サービス内容や料金も多様なため、ご自身のニーズにあった業者を選んでみるとよいでしょう。

カーペットのシミを取る方法

日常生活を送っていると、気を付けていてもカーペットにシミをつけてしまうことがあります。時間が経てば経つほどシミは取れにくくなるため、付いてしまったらできる限り早く対処するのが賢明です。

ここでは、成分別にシミを取る方法について紹介します。

水性のシミを取る方法

食べ物や飲み物をこぼしてしまったときにできるのが、水性のシミです。水性のシミが付いてしまったら、まず乾いたタオルやキッチンペーパーで軽く抑え、水分を吸い取ります。ぬるま湯を入れたスプレーで水分を吹きかけ、再度タオルやキッチンペーパーで水分を吸い取ってください。この作業を繰り返すことで、汚れが薄くなっていきます。

ぬるま湯を使用した方法で、シミが残ってしまう場合は洗剤を使用してみましょう。洗剤やヘラなどを使用し、タオルにシミを移動させる方法です。洗剤を使用したシミを取る手順は、以下のとおりです。

1. 換気をする
2. シミの周りに水を吹きかけ、十分に湿らせる
3. 洗剤をシミに吹きかける
4. シミに白地のタオルをかぶせ、ヘラなどを使用し汚れを絞りだす
5. シミの色がタオルに移らなくなるまで、続ける
6. 固く絞ったタオルで洗剤を拭き取る

汚れを絞りだす際は、こすらずに外側から内側に向かって汚れをすくい取るように行うのがポイントです。素材を傷めないよう、丁寧に行いましょう。

油性のシミを取る方法

油性のシミはケチャップやマヨネーズなどの調味料、食用油などをこぼしてしまったときにできます。油性のシミを取る方法は、以下のとおりです。

1. 換気をする
2. カーペット表面の汚れを乾いたタオルやキッチンペーパーで拭き取る
3. 少量のベンジンを乾いたタオルに染み込ませ、汚れをたたくように落とす
4. 中性洗剤を既定の倍率に希釈し、タオルに染み込ませ、再度たたくように落とす
5. 固く絞ったタオルで洗剤を拭き取る

ベンジンは可燃性の液体です。使用する際は、石油ファンヒーターや石油ストーブなど、火の近くでは絶対に使用しないでください。また、換気をしっかりと行い、マスクやゴム手袋も装着しましょう。

両性・種類不明のシミを取る方法

チョコレートやアイスクリーム、ドレッシングなどは両性のシミに含まれます。両性のシミや種類がわからないシミには、「油性のシミを取る方法」と「水性のシミを取る方法」どちらも試してみるとよいでしょう。

具体的には、油性のシミを取る方法を試してから水性のシミを取る方法を行います。順番を逆に行ってしまうと、シミが取れなくなることもあるため注意が必要です。先ほどお伝えした注意点に気を付けながら、手順通りにシミ取りを進めてみてください。

カーペットの掃除でやってはいけない注意点

カーペットを掃除する際には、いくつか注意点もあります。カーペットの素材を傷めたり、ダニやカビが発生したりする原因にもなるため、これから紹介する注意点に気を付けながらカーペットの掃除を進めてください。

カーペットの掃除でやってはいけない注意点について、1つずつ紹介します。

強力な洗剤や漂白剤を使用しない

強力な洗剤や漂白剤を使用すると、カーペットの素材を傷めたり、新たなシミが発生したりする可能性があります。とくに天然繊維のカーペットはアルカリ性の洗剤に弱く、毛先がパサついてしまうなどのダメージを受けやすいです。天然繊維はもちろん、化学繊維のカーペットにも漂白剤は使用しない方がベターです。

硬いブラシを使用しない

カーペットの奥に溜まったほこりや髪の毛をかき出す場合、ブラシを使用するとスムーズです。ただし、この時、ブラシの歯がプラスチック製やステンレス製のものは使用しないでください。よりごみをかき出すことはできますが、毛を傷めてしまう原因となります。ブラシを使用する場合は、シリコン製や毛でできたものなど柔らかい素材のものを使用しましょう。

消臭スプレーをかけ過ぎない

カーペットのにおいが気になった場合に、消臭スプレーを使用する人も多いでしょう。手軽に消臭できるアイテムですが、かけすぎには注意です。頻繁に消臭スプレーを吹きかけてしまうと、湿気が残ってしまいダニやカビが発生してしまう原因になります。消臭スプレーをは湿らない程度に使用し、使用後は換気をしてカーペットを乾燥させてください。

まとめ

今回はカーペットの汚れの原因を解説し、掃除方法や注意点などについて紹介しました。カーペットの汚れは知らず知らずの間に蓄積されているものです。お部屋全体のにおいや汚れにもつながるため、定期的に掃除を行い清潔を保ちましょう。ご自身での掃除が難しい場合は、クリーニング店などプロの力にお任せするのもおすすめです。

執筆年月日：2025年1月