キッチンの排水口の臭いの原因は?掃除の仕方や悪臭の予防方法について解説

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キッチンの排水口の臭いの原因は?掃除の仕方や悪臭の予防方法について解説

料理や洗い物をしている際にキッチンの排水口から悪臭がすると、気分が良いものではありません。本記事では、キッチンの排水口から悪臭がする原因や対処法、臭いを予防する方法についてご紹介します。きちんと掃除をしても悪臭が改善しないとお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

キッチンの排水口から悪臭がする主な原因と対処法

キッチンの排水口の臭いには、排水口自体の汚れのほかにも排水ホース、排水管、排水ホースの取り付け方などさまざまな要因があります。排水口から悪臭がした場合は、どこから臭いが発生しているのか確認して対処しましょう。

排水口の汚れ

キッチンの排水口から悪臭がする場合、まず疑うべきなのが排水口の汚れです。排水口のゴミ受けには食品のカスや食べ残し、油分、食器用洗剤などが残りやすく、放置すると悪臭の原因になってしまいます。湿度が高い梅雨の時期や室温が高い夏は、ゴミ受けの食品のカスなどの腐敗が進みやすくなるため、特に注意が必要です。

掃除をする際は、ゴミ受けの食品のカスや食べ残しを捨て、食器用洗剤をスポンジに付けてゴミ受けを洗いましょう。網目に汚れが付着している場合は、歯ブラシに食器用洗剤を付けてこするときれいになります。

ゴミ受けにぬめりが残っていないことを確認したら、仕上げに約60度のお湯で洗い流しましょう。お湯をかけておくことで、油汚れが付きにくくなります。完了後に排水口ネットを取り付けておけば、次回の掃除の際に食品のカスや食べ残しを除去しやすくなります。

排水ホース・排水管の汚れ

ゴミ受けを定期的に掃除していても、その先の排水ホースや排水管が汚れているケースもあります。食品のカスや食べ残し、油分など、ゴミ受けで拾いきれなかった汚れは排水管に流れ、長期間使用することで汚れが徐々に蓄積されていきます。排水管は日頃から掃除をしないという人も多いかもしれませんが、掃除せずに放置すると中が汚れてカビが発生し、悪臭の原因になりかねません。

自分で掃除をする際は、下水管からの臭いを防ぐお椀状の「ワントラップ」までパーツを外し、タオルや布を排水口に詰め込みます。次に、シンクの中に約40度のお湯をためて、タオルや布を一気に引き抜くことで、排水口にお湯が流れて汚れを洗い流せます。軽度のつまりであれば、この方法で解消できることもあるでしょう。

もし排水ホースや排水管が完全に詰まっている場合は、修理業者に依頼して直してもらいましょう。

排水ホースの隙間・破損

排水ホースに隙間があいていたり、破損していたりすることで、排水口から悪臭がするケースもあります。排水口などを定期的に掃除していても悪臭がする場合は、排水ホースの状態も確認してみましょう。

排水ホースが床面に入っていく部分には排水カバーが装着されており、カバーを外すと排水ホースと塩ビ管の結合部が見えますが、この部分に隙間があると悪臭が漏れてきます。シンク下の収納を開け、排水ホースと塩ビ管の結合部に隙間がないか、排水ホースに破損がないか、チェックしましょう。

排水ホースに隙間がある場合は、ホームセンターなどで購入できる防臭ゴムを排水ホースと塩ビ管の結合部に接続することで解決できます。排水ホースが破損している場合は、水漏れ防止用テープなどで応急処置を行うことも可能ですが、水漏れが起きるケースもあるため早めに修理を依頼しましょう。

排水トラップの問題

排水口の悪臭は、排水管の途中の水が溜まる部分「排水トラップ」が汚れていたり、正しく取り付けられていなかったりすることでも起こります。排水トラップには、下水管からの臭いを防ぐお椀状のワントラップという装置がありますが、これがきちんとはまっていないと悪臭が発生します。また、排水トラップにも汚れやぬめりが付着するため、ゴミ受け同様、定期的な掃除が必要です。

排水トラップを清掃する際は、ワントラップを取り外し、塩素系漂白剤とぬるま湯の入った耐熱容器に入れ、約30分浸け置きします。その後、排水トラップ全体に塩素系漂白剤をかけて約10分置き、歯ブラシで汚れを取り除きます。ぬるま湯で汚れや洗剤を洗い流し、ワントラップを正しく取り付けましょう。

ワントラップを正しい位置にはめているのに悪臭がする場合は、ワントラップの交換も検討しましょう。

封水切れ(破封)

旅行などで長期間家を空け、帰宅したときにキッチンから下水臭さを感じたことがある人もいるでしょう。その原因は、封水切れかもしれません。

封水とは、ワントラップを外したときに露出するパイプのあたりにたまっている水のことをいい、封水がなくなることを破封といいます。封水には下水管からの臭気を防ぐ役割があり、普段キッチンを使用していると常に水は入れ替わりますが、長期間シンクを使用しないと、封水の中の水が蒸発し減ってしまいます。

また、雨の日や大量の水を一度に流したときにも封水切れが起こりがちです。排水管内部の圧力が変化し、封水の量が変化してしまうことが原因です。

封水切れが起きた場合は、シンクにゆっくりとコップ1杯程度の水を流します。もし長期間家を空ける場合は、排水トラップにラップをかけたり、封水蒸発防止剤を使用したりすることで悪臭を防げるでしょう。

防臭キャップ

排水管には、防臭キャップや防臭ゴムといったパーツが取り付けられています。これらがゆるむことで、排水口から悪臭が発生するケースもあります。特にシンク下から下水のような悪臭がする場合は、防臭キャップがゆるんでいる可能性を疑うと良いでしょう。

シンク下には調理道具や食材などを入れている家庭も多く、物を出し入れする際に防臭キャップにぶつかり、防水キャップにゆるみや破損が起きるケースもあります。

シンク下から悪臭がする場合は、防臭キャップをはめ直しましょう。もし防臭キャップが破損している場合は、ホームセンターなどで販売している防水テープやパテで補修すると、臭いもれを予防できます。賃貸物件の場合は、はがしにくいパテではなく、防水テープを使うと良いでしょう。

キッチンの排水口の臭いを予防する方法

キッチンの排水口から漂う悪臭の原因はさまざまですが、嫌な臭いはどうすれば予防できるのでしょうか。ここからは、キッチンの排水口の臭いを予防する方法を6つご紹介します。詳しく見ていきましょう。

ゴミ受けを定期的に掃除する

排水口から発生する悪臭の大きな原因は、ゴミ受けの食品のカスや食べ残し、油分です。ゴミ受けに放置されたゴミは雑菌の温床となり、悪臭やカビの原因にもなるため、ゴミ受けは最低でも週に1回は掃除をしましょう。重曹とクエン酸を使用するか、洗剤を使用して歯ブラシでこすりながら汚れを落とすようにします。

ゴミ受けの掃除を忘れてしまいがちな人は、可燃ゴミ回収日の生ゴミを処理する際に、ゴミ受けを洗う習慣をつけると良いでしょう。

油を排水口に流さない

料理で使った油は、排水口に流れないよう適切に処理することが重要です。残った油が流れると、排水管内で食品カスなどと固まり、詰まりの原因になる恐れがあります。

料理の際に残った油やオイルドレッシング、ソース、マヨネーズは、新聞紙やキッチンペーパーで拭き取ってから洗うようにしましょう。揚げ物などで大量に油が残った場合は、油を固める製品を使用したり、濡らした新聞紙を詰めた牛乳パックに入れたりして廃棄します。

除菌スプレーを使用

排水口にぬめりやカビが発生しにくくなるよう、除菌スプレーを使うのも良いでしょう。除菌スプレーの中には、吹きかけて放置すれば、こすらなくても除菌できる商品もあります。

ぬめりやカビは気がつかない間に発生してしまうものですが、定期的に除菌スプレーをかけておくことでぬめりの発生頻度を抑えることができるでしょう。排水口掃除のあとに除菌スプレーをかければ、汚れやカビがつきにくくなるためおすすめです。

ゴミ受けに重曹をかける

ゴミ受けにゴミが溜まってしまった場合は、ゴミ受けに重曹をかけると悪臭予防に効果的です。生ゴミの臭いが酸性なのに対し、重曹はアルカリ性のため、ゴミ受けに重曹をかけると中和作用が起こり、無臭の中性に変化します。また、重曹には湿気を吸い取り、菌の繁殖を抑制する効果があり、悪臭を予防することができます。

ただし、重曹での悪臭予防は一時的なものと捉え、生ゴミを捨てたらゴミ受けを洗うようにしましょう。

塩素系漂白剤で消毒

塩素系漂白剤でのゴミ受けの消毒も、排水口の悪臭予防になります。塩素系漂白剤には強い漂白作用と殺菌作用があるため、雑菌の繁殖による排水口のぬめりや臭い対策として効果的です。

 塩素系漂白剤にはスプレータイプと液体タイプがありますが、それぞれ使用方法が異なります。塩素系漂白剤は殺菌力が強い半面、使い方を間違えると健康に悪影響を及ぼしてしまう可能性もあるため、パッケージの説明書きをよく読んでから使用するようにしましょう。

お湯を流す

お湯は排水口内部の油汚れや臭いの原因となる雑菌の除去に効果があります。排水口を掃除したあと、仕上げに約60度のお湯で洗い流すと油汚れが付きにくくなるでしょう。また、排水管の汚れや排水ホースの軽いつまり程度であれば、お湯を流すことで解決できることもあります。

ただしお湯の温度が高すぎると、排水管などを破損してしまう恐れがあります。火傷の心配もあるため、熱湯ではなく60度前後のお湯を使用するようにしましょう。

キッチンの排水口の臭いが取れない場合は業者への依頼も検討しよう

悪臭の原因の中には、業者でないと解決しないものもあります。定期的に掃除を行い、さまざまな対策を行っているのに悪臭が改善しない場合は、業者への依頼も検討しましょう。

ただし、賃貸物件の場合、設備に不具合が生じた際は基本的に管理会社が対応してくれます。指定の修理業者がある場合は、自分で修理を依頼するとトラブルになる可能性もあります。賃貸物件にお住まいで、排水口周りの破損や悪臭でお悩みの場合は、まずは管理会社に相談してみましょう。

まとめ

キッチンから漂う悪臭は、主に排水口に残った食品のカスや食べ残し、油分など日々の汚れが原因です。ゴミ受けにゴミを放置しない、排水口に油を流さないなど、いくつかのポイントに注意することで排水口の悪臭は予防できます。

一方、パーツが破損している場合や悪臭の原因がわからない場合など、自分で解決できないときは、業者に修理を依頼すると良いでしょう。

執筆年月日:2025年1月

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