シールのベタベタを取る方法|こびりついたシール跡の取り方も解説

シールを剥がしたときに残るベタベタや、こびりついて取れない跡にお悩みの方は多いのではないでしょうか。子どもが遊びであちこちに貼ってしまったシールや、購入した製品の値札シールなど、不要なシールはなるべくきれいに剥がしたいものです。
本記事では、シール跡を取る方法や、シールをきれいに剥がすテクニックなどについて詳しく解説します。シール剥がしの問題は、ちょっとしたコツを意識したり、身近なアイテムを使ったりすることで解決できるかもしれません。お悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
シール跡が残る原因
シールを剥がそうとすると、きれいに剥がれずに跡が残ってしまうことがあります。シール跡が残る主な原因には、「シールの粘着剤の材質」「時間経過による固着」「シール自体の粘着力」が挙げられます。具体的に見ていきましょう。
シールの粘着剤の材質
シール跡が残る原因の1つは、シールの粘着剤の材質によるものです。安価な粘着剤は材質がよくないため、時間とともに硬くなり、跡が残りやすい可能性があります。
特に、お手頃価格の商品に貼られているバーコードや値札シールには、このような材質の粘着剤が使われていることがあります。商品自体の価格が高くない場合、シールにも安価なものが使われる傾向があるためです。
時間経過による固着
シールの粘着剤は、粘着性や弾力性があり、貼ったばかりのうちはきれいに剥がしやすいのが特徴です。しかし、紫外線や熱に長い時間さらされると、粘着性や弾力性が弱くなり、ベタつきやすくなります。さらに長い時間が経過すると、ベタベタになった粘着剤は乾燥して固着します。この状態でシールを剥がそうとしても、シールの表面のみが剥がれ、固着した粘着部分は剥がれずに残ってしまうのです。
シール自体の粘着力
シール自体の粘着力の高さも、きれいに剥がせない原因となります。基本的に、シールはしっかりと貼りつくように作られているものです。そのため、剥がれにくく強度のある粘着剤が使われています。
特に、注意書きや問い合せ先など重要な内容の書かれたシールは、簡単に剥がれないよう設計されています。剥がれにくく作られているものを無理に剥がそうとしても、うまく剥がれずシール跡が残ってしまうのです。
シール跡を残さずに剥がすための基本テクニック
剥がすときの工夫次第で、シールのベタベタやシール跡が残りにくくなります。手に入れやすいものや身近なアイテムを使って、きれいに剥がすテクニックを紹介します。ぜひ試してみてください。
シール剥がし剤を使用する
シール剥がし剤には専用の薬剤が入っているため、身の回りにあるアイテムを使うよりも高い効果を期待できます。粘着力の強いシールを剥がしたいときにもおすすめです。
シール剥がし剤はホームセンターなどで購入でき、ゼリー状や液状のもの、スプレータイプとさまざまな種類があります。使用できない素材もあるため、製品の素材に対応しているものを選びましょう。使用する際は、事前に使用方法や注意事項をよく確認してください。
ドライヤーで温めて剥がす
ドライヤーは家にある方も多く、試しやすい方法の1つでしょう。シールの粘着剤は熱に弱く、温めると柔らかくなり剥がしやすくなります。手順は以下のとおりです。
- ドライヤーを弱い風量に設定する
- 剥がしたいシールに温風を10秒から20秒ほど当てる
- シールが温まったら、ゆっくりと剥がす
なお、温めすぎると製品が変形したり、かえって剥がしにくくなったりする恐れがあります。ドライヤーは対象面から20センチメートルほど離し、長時間温め続けないよう気をつけましょう。また、対象製品の耐熱温度にも注意が必要です。
中性洗剤を使用する
中性洗剤でシールを剥がす方法も、気軽に試せる方法の1つです。中性洗剤を含ませると、粘着剤が柔らかくなり、シールを剥がしやすくなります。具体的な手順は次のとおりです。
- 中性洗剤をシールになじませる
- ラップで覆い、10分ほど置く
- シールが柔らかくなったら(柔らかくなっていなければ、さらに5分ほど置く)、端から剥がす
- 剥がしたあとは、水拭きなどで洗剤をよく落とす
この方法はプラスチックやガラス、陶器に効果的です。一方、金属製や木製は水に弱いため、避けた方がよいでしょう。
除光液を使用する
マニキュアなどを落とすときに使用する除光液も、シール剥がしにおすすめのアイテムです。除光液はアセトンという有機溶剤からできています。このアセトンには粘着剤を溶かす性質があるため、シールをきれいに剥がせる可能性があります。手順は以下のとおりです。
- コットンやティッシュに除光液を染み込ませる
- 対象のシールに押し当て、10分ほど置く
- ゆっくりとシールを剥がす
- タオルなどで除光液を拭き取る
なお、除光液には揮発性の成分が含まれるため、多量に吸い込むと気分が悪くなることがあります。引火性も高いため火の近くでは使用せず、必ず換気をしながら作業しましょう。また、樹脂を溶かす性質があるため、樹脂製品や木製製品への使用は避けてください。
セスキ炭酸ソーダを使用する
シールの粘着剤には酸性の物質が多く使われているため、アルカリ性のセスキ炭酸ソーダの使用が効果的です。ベタつきが中和され、シールを剥がしやすくなります。具体的な作業手順を見ていきましょう。
- セスキ炭酸ソーダを100倍ほどに薄める
- スプレー容器に入れ、剥がしたいシールに吹きかける
- シールをラップで覆い、10分程度置く
- シールをゆっくり剥がす
- タオルなどで拭き取る
この方法は、変色の恐れがあるプラスチック製品には適しません。木製の素材についても、塗料が剥げる可能性があり注意が必要です。
シールをきれいに剥がすコツ
コツをつかむと、シールをきれいに剥がせる可能性が高まります。以下で詳しく解説します。
ゆっくりと剥がす
シールを剥がすときは、ゆっくり丁寧に剥がすことを心がけましょう。小さなことのように感じるかもしれませんが、重要なポイントです。
勢いよく引っ張って剥がそうとすると、シールの表面のみが剥がれ、粘着剤の部分が残りやすくなります。表面部分と粘着剤を一緒に剥がすことを意識しながら、ゆっくりと剥がしてください。
シールを貼ったまま長く放置しない
前述のとおり、シールの粘着剤は、紫外線や熱の影響を受けるとベタベタになる性質を持ちます。この状態で時間が経過すると、ベタベタした粘着剤が固まり、素材の表面にこびりつきやすくなります。こびりついた粘着剤は剥がれにくいため、シールの表面のみが剥がれてしまうのです。剥がす予定のあるシールは長く放置せず、早めに剥がすようにしましょう。
シール跡が残ってしまった場合の対処法
シールがうまく剥がれずに跡が残ったときは、どのようにすれば取り除けるのでしょうか。対処法を詳しく解説します。
ガムテープやセロハンテープで取る
ガムテープやセロハンテープは、シールよりも粘着力が強いものが多く、シール跡を絡め取って剥がせる可能性があります。以下の手順で試してみてください。
- シール跡の上に、ガムテープまたはセロハンテープを貼る
- テープの粘着部分にシール跡を絡みつけるようにしながら、ゆっくりと剥がす
- きれいに剥がれるまで1と2をくり返す
なお、テープの粘着力により、製品の塗装なども一緒に剥がれてしまうことがあります。事前に目立たない部分で確認してから行うと安心です。
メラミンスポンジや消しゴムでこすり取る
水を含んだメラミンスポンジでこする方法も効果的です。ただし、メラミンスポンジには研磨剤が入っているため、素材を傷つけないよう注意してください。特に、漆器やフローリング、木製製品などは、表面の加工が剥がれたり傷ついたりする恐れがあります。事前に目立たない部分でテストし、問題がないことを確認してから作業すると安心です。
水で濡らしたくない製品の場合は、消しゴムを使う方法がおすすめです。硬めの消しゴムを使って、シール跡をこすってみましょう。なお、消しゴムは摩擦の力が働くため、強くこすりすぎると、素材の色が剥げたり傷ついたりする原因となります。力加減には注意が必要です。
【素材別】シールの剥がし方
この章では、素材別にシールの剥がし方を解説します。製品の素材によって適切な剥がし方は異なります。誤った剥がし方により、製品自体を傷つけないよう気をつけましょう。
プラスチック
プラスチックの製品に貼られたシールには、ドライヤーを使う方法を試してみてください。ただし、プラスチックは熱を当てすぎると変形することがあります。ドライヤーを表面に近づけすぎたり、長時間当て続けたりしないでください。
また、シールを剥がした際に残った跡は、シール剥がし剤や消しゴムを使って取り除けます。シール剥がし剤により変色してしまう製品もあるため、目立たない部分でテストをしてから使用するようにしましょう。
木材
木材の場合は、シールを剥がす際に表面を傷つけないよう気をつけてください。濡れた布やスポンジなどでシールを湿らせ、柔らかくしてから剥がすのがおすすめです。また、木材は熱による変形の可能性が低いため、ドライヤーの熱で柔らかくする方法も有効です。
シールが柔らかくなったら、スクレーパーなどを使って慎重にシールを剥がします。スクレーパーとは、ヘラ状の刃に持ち手がついた道具のことです。使用する際は、木製品を傷つけないものを選びましょう。
紙
紙に貼られたシールは、剥がす前にドライヤーの温風を当てて柔らかくしておきましょう。柔らかくなった状態で剥がしていき、剥がれにくくなったら再度温めて剥がすことをくり返します。残った粘着剤は、消しゴムでこすって落としてください。
紙に貼られたシールは剥がしやすい傾向にありますが、紙はデリケートな素材です。破れたり傷つけたりしないよう、慎重に作業を行う必要があります。
まとめ
シールのベタベタやこびりついた跡が残ってしまった場合は、身近なアイテムを使ってきれいに取ることができます。製品の素材に合った方法を試してみてください。
また、ベタベタやシール跡が残らないように剥がすことも大切です。勢いよく剥がさず、ゆっくり丁寧に剥がすよう心がけましょう。シール剥がしにお困りの際は、ぜひ本記事の内容を参考に、適切な対処法を見つけてください。
執筆年月日:2025年1月