エアコンの室外機の掃除は必要?自分でできる掃除方法や注意点を紹介

エアコンの室外機には、室温調節に関わる重要な機器が多く内蔵されています。しかし屋外に置かれるため汚れやすく、スムーズな作動には定期的な掃除が重要です。
今回は、室外機の役割を解説し、各部位の掃除方法や手入れをする際の注意点を紹介します。
エアコンの室外機はなぜ必要?
一般的にエアコンと言われると、室内機を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、室外機も重要な役割を担うものです。
室外機と室内機をつなぐパイプの中には、「冷媒」と呼ばれる物質が循環しています。循環過程で冷媒は、液体から気体に変化する時には熱を吸収し、気体から液体に変化する時には熱を放出します。エアコンはこの熱を利用して温度調節を行い、室内機から冷風や温風が出る仕組みです。
冷媒を液体や気体に変化させているのが、減圧器や圧縮器、熱交換器といった室外機内部にある機器です。室外機はエアコンの温度調節に大きく関与するため、スムーズに作動できるよう、良好な状態に保ちましょう。
エアコンの室外機を掃除するメリット
エアコンの室外機を手入れすると、エアコンがよく効くようになるだけでなく、電気料金や騒音の面でも良い効果があります。具体的に、室外機を掃除するメリットを紹介します。
電気料金の節約
汚れが詰まった室外機は、送風する力が弱くなり、熱交換をうまく行えません。室内の温度調節のために、より多くの電気を使ってしまいます。
室外機の掃除をして汚れを取り除き、目詰まりを解消すると、運転の効率が良くなり、電気料金の節約につながります。
室外機が静かになる
室外機の作動音が大きくうるさい場合は、熱交換器のフィン(ファン)を確認しましょう。フィンは室温を調節する部品ですが、ゴミで目詰まりして異音を発している場合があります。目詰まりを取り除けば、静かになるケースが少なくありません。
モーター部分に細かい砂が挟まっていることで、異音がしている可能性もあります。掃除をして汚れを取り除き、動作音が静かになるか確かめましょう。
エアコンの効きが良くなる
室外機を掃除すると熱交換や排気をスムーズに行えるようになり、エアコンの効きが良くなることが多いものです。汚れを取り除き、正しく作動できるように手入れしましょう。
掃除は室外機本体だけでなく、周囲も一緒に行うとよいでしょう。鉢植えなどで送風口を塞いでいると、汚れと同様に熱交換を阻害します。エアコンの効きを悪くしないように、周囲のものの配置も考えて整理しましょう。
エアコンの寿命が長くなる
屋外に置かれる室外機は、ホコリや砂が付着したり、雨風にさらされたりと、汚れるリスクが高いものです。エアコンの動きを妨げる汚れがついてしまうと、故障や不具合につながります。
室外機を定期的に掃除して清潔に保つことは、故障のリスクを減らし、エアコンの寿命を延ばすことにつながります。
エアコンの室外機の掃除方法
エアコンの室外機には複数のパーツがあり、それぞれ掃除が必要です。ただし内部まで掃除が必要であるほど汚れている場合、素人が分解して掃除するのは危険です。無理せず業者に依頼しましょう。
ここでは、日々の手入れとして自分でできる室外機の掃除方法をご紹介します。
外カバー
外カバーには、泥やホコリ、排気ガスなどが付着しやすいものです。まずは、ほうきで払い落として大きな汚れを除去しましょう。残った細かい汚れは、濡らした雑巾で拭き取ります。鳥のフンなどでひどく汚れている場合は、水を含ませたキッチンペーパーで汚れをゆるめてから、雑巾で拭くときれいに落とせるため、試してみてください。
室外機は雨水がかかることを想定して作られているため、少量の水であれば使って掃除しても問題ありません。ただし、横や下から水をかけて内部の機器まで濡れてしまうと、故障につながります。また、メーカーが推奨していない洗剤は、部品の損傷や変質の原因になるため避けてください。
熱交換器(フィン・ファン)
熱交換器(フィン・ファン)は、室外機の背面と側面にあり、温度調節を行うための重要なパーツです。汚れがたまるとトラブルにつながるため、定期的に掃除を行いましょう。
室外機の設置場所によっては、手が届かない場合がありますが、見える範囲の掃除で問題ありません。ガス漏れなどの事故が発生する危険があるため、無理に動かしての掃除は避けてください。
熱交換器の掃除ではまず、ブラシヘッドをつけたハンディタイプの掃除機で大きな汚れを取り除きます。薄い金属板でできたフィンは変形のおそれがあるため、掃除機本体を強く当てず、ブラシで優しく掃除してください。取り切れない細かいホコリは、歯ブラシでかきだして除去しましょう。
内部はデリケートなため、高圧洗浄機は使用できません。また、市販のスプレー式エアコンクリーナーは、詰まりやさびの発生につながる場合があるため、注意しましょう。
吹き出しグリル
吹き出しグリルとは、室外機の正面部分にある空気の吸い込み口です。フィルターと呼ばれることもあります。ゴミの侵入を防ぐために網状や放射状の形態になっています。ホコリや排気ガスの汚れがたまりやすいため、きれいに掃除しましょう。
大きなホコリは、ほうきやハンディタイプの掃除機で除去し、細かい部分は歯ブラシで汚れを落としてください。
ドレンホース(排水ホース)
室温調節をする中で、エアコンの室内機からは水分が発生します。ドレンホース(排水ホース)は、この水分を屋外に排出するホースです。ドレンホースが汚れていると、詰まって漏水を起こす場合があります。水がスムーズに流れるように掃除しましょう。
ドレンホースの掃除には、専用の掃除用具であるドレンホースクリーナーの使用がおすすめです。ホース内の空気を吸い出し、簡単に奥の汚れまで取り除けます。ドレンホースクリーナーが手元にない場合は無理をせず、手の届く範囲のゴミを割り箸などで取り除きましょう。
室外機の周辺
室外機は、周辺の空気を吸い込んで熱交換を行います。周囲に障害となるものがあると、熱交換の効率が悪くなるため、周辺を整理して空気の通りをよくすることが重要です。室外機の正面や吹き出し口周辺には、鉢植えなどを置かないように気を付けましょう。室外機の下もお掃除し、ゴミや落ち葉があれば取り除いてください。
エアコン室外機の掃除をする際の注意点
室外機は構造が複雑な電化製品であり、重量もあるものです。無理な手入れや誤った方法で掃除をすると、故障やケガ、事故につながる場合があります。ここでは、エアコン室外機の掃除をする際の注意点を紹介します。
電源プラグを抜いてから掃除する
室外機の掃除は、必ずエアコンの電源プラグを抜き、動かない状態にしてから作業しましょう。万が一エアコンが作動してしまうと、ファンが回ってしまい、掃除をしている人のケガにつながる恐れがあるからです。
特に、屋内に子どもやペットがいる場合、掃除中に誤ってリモコンに触れてしまうケースが考えられます。電源を切るだけでなく、電源プラグも抜いて、安全に配慮した状態で作業しましょう。エアコン用のブレーカーを落として作業するのも安全です。
位置は絶対に動かさない
建物の壁際に室外機を設置している場合、裏側などにほとんど隙間がなく、熱交換器(フィン・ファン)などに手が届かないことがあるでしょう。室外機を動かして全体をきれいにしたいと考えてしまいがちですが、位置は絶対に動かさないでください。
無理に動かして室外機が故障すると、ガス漏れなどの事故が発生する危険があります。室内機とつながっているパイプが外れると、エアコンが故障しかねません。また、室外機本体は重量があるため、手足に落とすと大ケガにつながります。
安全のために室外機の位置は絶対に動かさず、手が届く範囲の掃除に留めるようにしてください。
室外機を分解しない
室外機にはカバーがついており、誤って手や指を巻き込まないようにされています。掃除をしていると、カバーの内側の汚れが気になり、外して掃除ができないかと考えてしまうかもしれません。しかし、素人が室外機を分解して掃除するのは非常に危険です。
室外機の内部には多様なパーツがあり、専門の知識や技術を持つ人でなければ、分解しても元に戻せない可能性が高いのです。壊してしまったり、ケガや事故につながったりする場合があるため、分解せず掃除できる部分に留めて手入れをしましょう。
エアコンの室外機の掃除は業者に任せるのもおすすめ
ご紹介したように、エアコンの室外機は、簡単な手入れなら自分でもできますが、内部の掃除やこびりついた強い汚れを取ることは難しいものです。室外機をよりきれいにしたい場合は、掃除を業者に依頼しましょう。
特に下記のような場合は、業者に任せるのがおすすめです。
奥の汚れが気になる場合
屋外に設置している室外機は、奥の方まで汚れがたまってしまうことも少なくありません。内部の汚れが気になる場合、無理に自分で取り除くと故障につながる危険があります。技術を持つ業者に依頼して、きれいに取り除いてもらいましょう。
初めて室外機の掃除をする場合
室外機の掃除をしたことがなく、初めて手入れをする場合は、室外機の外部・内部ともに強い汚れが付着していると考えられます。素人が落とせる汚れには限界があるため、業者に徹底的に洗浄してもらうのがおすすめです。
定期的にプロに掃除してもらうのもおすすめ
こまめに掃除をしていても、細かい部分には汚れがたまってしまうものです。年に1回程度、定期的にプロに掃除してもらえば、内部までしっかりきれいになります。電気代の節約やエアコンの寿命延長にも効果が期待できるため、業者に相談してみましょう。
まとめ
室外機をきれいに保つことは、エアコンを効率良く長く使うために重要です。こまめに掃除をして、汚れを取り除きましょう。日々の手入れで取り切れない汚れは、無理をせず業者に依頼して、しっかり掃除してもらうのがおすすめです。
執筆年月日:2025年1月