エアコン掃除は自分でできる？

エアコン掃除は、自分でもできる部分が多く、特にフィルターや外部の清掃は手軽に行える上、エアコンの性能維持やカビの発生防止にも役立ちます。汚れを放置すると冷房や暖房の効果が落ちたり電気代が上がったりすることもあるため、定期的なメンテナンスが大切です。一方、エアコン内部のクリーニングは専門業者に依頼しましょう。

内部には冷却フィンやファンなど複雑な構造が含まれ、誤った掃除方法は故障の原因になります。また、分解や清掃には専用の道具と知識が必要です。家庭で簡単にできるメンテナンスを継続しつつ、専門的な部分はプロに任せることで、エアコンを快適かつ長持ちさせることができるでしょう。

エアコンの掃除方法

エアコンを効果的に使うためには、定期的な掃除が欠かせません。ここでは、フィルターや吹き出し口、室外機の掃除方法を詳しくご紹介します。どれも自分でできる簡単な手順ですが、安全に作業するための注意点も確認しましょう。

フィルターの掃除方法

エアコンのフィルター掃除は、最も基本的で重要なお手入れのひとつです。汚れを取り除くことで、エアコンの効率を維持し、カビやホコリの拡散を防ぐ効果があります。ここでは、具体的な掃除の手順を詳しく解説します。

【エアコンの電源を切り電源プラグを抜く】
エアコンのフィルターを掃除する際は、掃除中に誤って電源が入ると、感電やケガなどの事故につながる危険性があります。そのため、必ず掃除を始める前に電源を切り、電源プラグを抜いてください。室内機が直接コンセントに接続されていない場合は、ブレーカーを落とすことで対応できます。安全に作業を進めるために、この手順を確実に守りましょう。

【エアコンの前面パネルを開ける】
電源プラグを抜いたら、エアコン本体のフロントパネルを開けます。まず、エアコン上部にたまったホコリが舞い散らないようにホコリ取り用の布で軽く拭き取っておきましょう。フロントパネルは機種によって開け方が異なりますので、取扱説明書を確認し、手順に従って開けてください。

【フィルターに掃除機をかける】
まず、フィルターを外す前に掃除機でホコリを吸い取り、部屋にホコリが舞い散るのを防ぎます。その後、フィルターを取り外して表面に掃除機をかけます。裏面から掃除機をかけるとホコリが詰まるため、必ず表側から行いましょう。また、フィルターが傷つくおそれがあるため、強く吸いすぎないよう注意しましょう。

【フィルターを裏面から水洗いする】
掃除機で取りきれない細かいホコリは、浴室で水洗いすると落とせます。フィルターは裏面からシャワーで洗い、ホコリが押し出されるようにしましょう。表面からシャワーをかけると、ホコリがフィルターの目に詰まる原因になりますので、必ず裏側から水をかけてください。水洗いでも落ちない汚れが残っている場合は、薄めた台所用洗剤を使い、フィルターを傷つけないように注意しながら、柔らかいブラシで優しくこすって落としましょう。

【フィルターを乾かし本体に戻す】
フィルターを水洗いした後は、乾いたタオルで優しく水気を拭き取ります。水分を取り除いたら、その後は陰干しで完全に乾燥させましょう。フィルターが湿ったまま本体に戻すと、カビや臭いの原因になります。乾燥には約半日から1日程度かけるとよいでしょう。天日干しはフィルターの劣化を招くため避けてください。

エアコンの吹き出し口・ルーバーの掃除方法

エアコンの吹き出し口やルーバーは、風の通り道となる部分で、ホコリや汚れが溜まりやすい場所です。これらの部分を清潔に保つことで、空気の流れがスムーズになり、エアコンの効率もアップします。ここでは、エアコンの吹き出し口やルーバーの掃除方法についてご紹介します。

【エアコンの電源プラグを抜く】
エアコンのフィルターを掃除するときと同様に、作業を始める前に必ず電源を切り、電源プラグを抜いてください。これにより、誤って電源が入ることを防ぎ、感電やケガを防ぐことができます。室内機がコンセントに直接接続されていない場合は、ブレーカーを落として安全を確保しましょう。

【吹き出し口のルーバーを開く】
エアコンの吹き出し口にあるルーバーは、手で軽く回して開けます。動かない場合は無理に力を入れないようにしましょう。手で動かした後にルーバーが閉まらない場合でも、電源を入れれば自動で元の位置に戻ります。破損を避けるため、優しく操作しましょう。

【吹き出し口の中を拭く】
吹き出し口の掃除には、濡らして硬く絞った布を使い、丁寧に拭きます。手が届かない場所は、割り箸にキッチンペーパーを巻いて輪ゴムで固定したものを使うと便利です。送風ファンやルーバーを傷つけないよう、無理に奥まで掃除せず、見える範囲だけを掃除します。掃除が難しい場合は、無理せず専門の業者への依頼も検討しましょう。

室外機の掃除方法

室外機の掃除も、エアコンの効率を保つためにとても大切です。ホコリやゴミが詰まると、冷却能力が低下し、エアコンの運転に負担がかかります。ここでは、室外機の掃除方法についてご紹介します。

【エアコンの電源プラグを抜く】
エアコンのフィルターや吹き出し口、ルーバーを掃除する際と同様に、室外機の掃除を始める前に必ず電源を切り、プラグを抜いてください。これにより、作業中の感電やケガのリスクを防げます。もし室内機が直接コンセントに接続されていない場合は、ブレーカーを落としましょう。

【室外機を掃除する】
室外機は細かいゴミやほこりが溜まりやすい部分です。まずは、ほうきで外カバーに付着したクモの巣や土ぼこりを取り除きます。吹き出し口の網目部分は、古歯ブラシなどで優しくゴミをかき出し、その後掃除機で吸い取りましょう。掃除機のノズルにストッキングをかけて使うと、ゴミが散らばることを防げます。室外機の裏側や側面にある薄い金属板（フィン）は熱交換を行う重要な部分で、ここに汚れが詰まると効率が下がります。アルミ製でとても繊細なので、無理に力を入れず慎重に作業を行いましょう。

【ドレンホースを掃除する】
ドレンホースは、エアコンの室内機から外に水分を排出するための排水ホースです。このドレンホースが詰まると、水漏れやエアコン故障の原因になります。ゴミやクモの巣が詰まっていないか確認し、歯ブラシなどで掃除して、スムーズに水が排出されるようにしましょう。

【室外機の周りを掃除する】
室外機の周りに物を置くと、空気の流れが妨げられ、エアコンの効率が低下する原因になります。特に吹き出し口や吸い込み口には物を置かないようにしましょう。室外機の周辺に落ち葉やゴミが溜まっている場合は清掃し、空気がスムーズに流れる環境を整えましょう。

エアコンのカビ発生を予防する方法

エアコンのカビは、湿気が多い環境で繁殖しやすく、健康にも影響を与えることがあります。カビを防ぐためには、日々の掃除や湿気対策が重要です。ここでは、カビ発生を予防するための方法を紹介します。

エアコン内部を乾燥させる

冷房を使用すると、内部に結露が発生し湿度が上がります。湿気はカビの繁殖にとって理想的な環境を作り出すため、定期的に内部を乾燥させることが重要です。エアコンには「内部クリーン」機能が搭載されている機種もあり、この機能を使うと冷房後に内部を乾燥させ、カビや臭いを予防することができます。

もし内部クリーン機能がない場合でも、送風運転を1時間ほど行うことで、同様の効果を得ることができます。このように、エアコンの機能を利用して内部の湿度を低く保ち、しっかりとカビを予防しましょう。

部屋の換気

部屋の換気は、エアコンのカビ予防において大切な役割を果たします。室内の空気が汚れていると、エアコンがその空気を吸い込んで内部が汚れやすくなり、カビの原因になることがあります。定期的に換気を行えば、部屋の空気が新鮮になり、エアコン内部も清潔に保たれるでしょう。

また、換気をするとホコリや生活臭を外に追い出すことができ、エアコンから吹き出す空気の臭いも抑えることができます。換気はカビの発生を防ぐだけでなく、部屋全体の空気の質を保つためにも効果的です。

フィルター掃除を怠らない

エアコンのフィルターは、空気中のホコリや汚れをキャッチして、内部に入り込まないようにする役割があります。しかし、フィルターにホコリや汚れが溜まると、それがカビの栄養となり、エアコン内部にカビが発生しやすくなります。そのため、定期的にフィルター掃除を行うことが大切です。

特にエアコンを頻繁に使用する季節にはホコリが溜まりやすいので、リビングでは2週間に一度、使用頻度が少ない部屋では1ヶ月に一度の掃除をおすすめします。「フィルターの掃除方法」の項も参考にし、こまめな清掃を心がけましょう。

自分でエアコン掃除する場合の注意点

エアコンの掃除を自分で行う場合、適切な方法で作業をしないと故障の原因や、カビの発生を促すことがあります。特に、エアコン内部の取り扱いには注意が必要です。これから、自分で掃除を行う際に気をつけたいポイントをご紹介します。

エアコンに水をかけない

エアコン内部には精密機器が多く、そこに水をかけると故障を招く可能性があります。エアコンに直接水をかけることは厳禁です。また、掃除の際に水拭きをする場合は、雑巾をしっかり絞ってから拭き、拭き終わった後は乾拭きで水分を完全に取り除きましょう。水拭きの後には、内部を十分に乾燥させることが大切です。

エアコン内部の掃除はプロに依頼する

エアコン内部のクリーニングは、繊細で専門的な作業が必要です。前述の通り、内部には精密機器が多いため、誤って掃除をすると故障する恐れがあります。さらに、エアコン内部にたまりやすいカビや汚れは、目に見えない場所に隠れていることが多く、自己流で完全に取り除くのは困難です。送風ファンや冷却フィンをきれいにするには、高圧洗浄機を使う技術や専門的な知識が求められます。

プロの業者なら、専用の洗浄剤を使って汚れをしっかり取り除き、内部に水分が残らないようにし、防カビ剤で仕上げるなどしてカビの予防もしっかり行います。また作業中に水が飛び散らないように養生を行うので、周囲の壁や床が汚れる心配もありません。エアコン内部のカビや汚れが気になる場合や、臭いが取れないと感じたら、専門業者に相談しましょう。

まとめ

エアコン掃除は、効率的な冷暖房と快適な室内環境の維持に欠かせません。フィルターや吹き出し口、室外機など、簡単に自分で掃除できる部分もありますが、内部のクリーニングは専門業者に任せると安心です。定期的なメンテナンスを行うことで、エアコンを長持ちさせ、清潔な空気を保ちましょう。

執筆年月日：2024年12月