玄関タイルの掃除方法|頑固な汚れの落とし方について解説

家の印象を決める玄関は、常に清潔にしておきたい場所です。しかし、玄関タイルの頑固な汚れは意外と手ごわく、落とすのに苦労します。本記事では、玄関タイルの掃除方法や、手軽に落とせる方法などを詳しく解説します。気持ちのよい玄関を保つための参考にしてみてください。
玄関タイルの汚れの主な原因
玄関タイルにはさまざまな汚れが付着しており、中には目に見えにくく蓄積に気がつきにくい汚れもあります。汚れの原因になりやすい4つのものを紹介します。
土汚れ(泥や砂)
玄関タイルの汚れは、土汚れがほとんどです。土汚れは、靴裏についた泥や砂が玄関に運ばれ、タイルに付着します。特に靴底の溝が深いと、床に運ばれる土汚れは多くなりがちです。また、スポーツやガーデニングなどのアウトドア活動をした日は、土汚れが付着しやすくなるでしょう。
さらに雨や雪の日は泥汚れが多くなるため、注意が必要です。水分を含んだ泥がタイルの上で乾燥すると、頑固な汚れや黒ずみとして残ってしまいます。放置すると落としにくくなるため、早めの掃除が効果的です。
排気ガス
車の排気ガスには油分やススが含まれており、玄関ドアの開閉時に空気とともに侵入します。特に、家の入口が交通量の多い道路に面している場合は、汚れが蓄積しやすいものです。
また、排気ガスによる汚れは靴や衣服に付着し、玄関タイルに移ります。これも、排気ガスによる汚れがタイルに蓄積される原因のひとつです。
花粉
排気ガスと同様に、花粉も玄関ドアの開閉時に侵入します。花粉は粒子が非常に細かいため目には見えにくいものですが、タイルに蓄積するとザラザラした感触が生じます。また、花粉はアレルギーの原因となるため、汚れが気にならない場合でも定期的な掃除が大切です。
玄関ドアは家族の出入りのほかにも、宅配便の受け取りや来客対応など、頻繁に開閉されます。特に春先や花粉が多く飛散する季節は注意し、玄関タイルを清潔に保ちましょう。
カビ
雨や雪の日に、濡れた靴や傘を玄関タイルに放置すると、湿気がタイルの目地や隙間に入り込みカビが発生します。カビは見た目の不衛生さや異臭を招くほかに、アレルギーの原因にもなるため、注意が必要です。
玄関掃除の適切な頻度
玄関タイルの掃き掃除は、可能であれば毎日、難しい場合は少なくとも週に1回の頻度で行いましょう。汚れが溜まる前の掃き掃除がおすすめです。
さらに月に1回程度、水や洗剤などを使用した拭き掃除も取り入れましょう。汚れの大半を占める土汚れは、乾燥しないうちに除去するのがポイントです。汚れがこびりつくと落としにくくなるうえ、黒ずみの原因にもなります。
玄関タイルにはさまざまな汚れが蓄積しやすく、放置すると頑固な汚れに変わるため注意が必要です。掃除を楽にするためにも、定期的なお手入れを心がけましょう。
玄関タイルの掃除方法
玄関タイルの掃除は、タイルを傷つけないように行うのがポイントです。タイルの素材を確認し、材質に適した掃除方法を選んでください。
玄関タイルの素材を確認する
まずは、玄関タイルの素材を確認しましょう。玄関タイルは「人工素材」と「天然石」の2種類に分類されます。
人工素材の玄関タイルは、汚れに強く耐水性に優れているため、扱いやすいのが特徴です。デッキブラシで擦ったり、水で洗い流したりできるタイルも多く見られます。
一方、天然石の玄関タイルは非常に繊細で、扱いには注意が必要です。天然石には「細孔」という小さな穴が開いており、水や汚れが入り込むとシミの原因になります。誤った掃除方法は傷や変色の原因になるため、素材に合わせた適切な方法でケアしましょう。
材質別の掃除方法
玄関タイルの掃除は、材質によって必要な道具や掃除の手順が異なります。ここでは、玄関タイルの材質を以下の3つに分類し、それぞれに適した掃除方法を紹介します。
- ザラザラ・デコボコの玄関タイル(人工素材)
- ツルツルの玄関タイル(人工素材)
- 天然石の玄関タイル
掃除を始める前に靴や傘立てなどを邪魔にならない場所に移動させ、玄関周りを片づけておきましょう。作業がスムーズになり、掃除中の怪我も防げます。
【ザラザラ・デコボコの玄関タイル】
人工素材のうち、ザラザラ・デコボコの玄関タイルは滑りにくいメリットがあります。しかし、溝に汚れが溜まりやすい一面もあるため、砂や花粉などをしっかり掃き出してから拭き掃除を行うのが、きれいに仕上げるポイントです。
用意するもの
- ほうき
- 雑巾
- デッキブラシ
掃除の手順
- ほうきで玄関タイル全体を掃く
- 水で濡らした雑巾で気になる汚れを拭き取る
- デッキブラシで汚れを浮かす
- 浮かせた汚れを水で濡らした雑巾できれいに拭き取る
- 通気性をよくし、玄関タイルを乾かす
デッキブラシを使う際は、汚れが浮き出やすくなるよう細かく動かすのがポイントです。また、玄関タイルに湿気が残るとカビが発生しやすくなるため、しっかり乾燥させましょう。
【ツルツルの玄関タイル】
人工素材のうち、表面が滑らかな玄関タイルは掃除がしやすく、清潔感を保ちやすいメリットがあります。一方で滑りやすい材質でもあるため、掃除の最後はしっかり乾拭きしてください。
用意するもの
- ほうき
- 雑巾2枚(水拭き用、乾拭き用)
- メラミンスポンジ
掃除の手順
- ほうきで玄関タイル全体を掃く
- 水で濡らした雑巾で気になる汚れを拭き取る
- 落ちない汚れは水を絞ったメラミンスポンジで優しく擦る
- 玄関タイル全体を水拭きし、さらに乾拭きする
- 通気性をよくし、玄関タイルを乾かす
メラミンスポンジは頑固な汚れを簡単に落とせるアイテムですが、タイルによっては傷がつく恐れがあります。使用する前に目立たない場所で試し、傷がつかないか確認してください。
【天然石の玄関タイル】
天然石の玄関タイルを掃除する際は、柔らかい布や雑巾を使います。天然石は傷つきやすいため、汚れを優しく拭き取ることが大切です。
用意するもの
- ほうき
- スプレーボトル(洗剤用と水用の2つ)
- 中性洗剤
- マイクロファイバークロス
- 雑巾2~3枚
掃除の手順
- ほうきで玄関タイル全体を掃く
- スプレーボトルに10倍に薄めた中性洗剤を入れ、タイルに薄くスプレーする
- マイクロファイバークロスで優しく拭く
- 汚れが落ちるまで手順2と3を繰り返し、乾いた雑巾で洗剤を拭き取る
- スプレーボトルに入れた水を薄く吹きかける
- 乾いた雑巾で汚れを拭き取る
- きれいになるまで手順5と6を繰り返し、仕上げに乾いた雑巾で水気を拭き取る
中性洗剤をタイルにスプレーする際、一度に多くの量を噴射すると、天然石に洗剤が染み込み変質する恐れがあります。少量ずつ噴射しながら汚れを落としましょう。
天然石のタイルを掃除するのが心配な方や、掃除をしても頑固な汚れが残ってしまうときは、ハウスクリーニング業者や石材クリーニング業者に掃除を依頼するのもおすすめです。専門家は天然石の美しさを保ちつつ、汚れをしっかり落とす技術を持っています。
玄関の汚れが落ちない場合の対処方法
玄関タイルの頑固な汚れは、通常の掃除では落ちないこともあります。そのような場合は、以下の掃除方法がおすすめです。ただし、人工素材に限定した方法であるため、天然石のタイルには行わないでください。
重曹・セスキ炭酸ソーダの使用
玄関タイルに残る頑固な黒ずみは、酸性汚れの一種です。そのため、掃除に重曹やセスキ炭酸ソーダを取り入れると、すっきり落とせることがあります。
重曹は研磨作用があるため、汚れを擦り落としやすいのが特徴です。一方、セスキ炭酸ソーダはアルカリ性が強く、頑固な汚れを中和する力に優れています。どちらも効果が期待できるため、手に入りやすいほうを選んでみてください。
用意するもの
- ほうき
- 重曹小さじ1杯、または、セスキ炭酸ソーダ小さじ1杯
- 水
- スプレーボトル
- ゴム手袋
- 雑巾
重曹を使用する場合は、水100mlに溶かしたものをスプレーボトルに入れて準備します。セスキ炭酸ソーダは、水500mlに溶かして準備しておきましょう。いずれも天然素材で肌に負担が少ないものですが、念のためゴム手袋を着用しておくと安心です。
掃除の手順
- ほうきで玄関タイル全体を掃き掃除する
- 準備しておいた重曹またはセスキ炭酸ソーダを汚れに吹きかける
- 5分程度放置し、汚れを浮かす
- 水で濡らし固く絞った雑巾で拭き取る
- 通気性をよくし、玄関タイルを乾燥させる
重曹やセスキ炭酸ソーダの成分が玄関タイルに残ると、変色する可能性があるため注意が必要です。まずは目立たない箇所で試し、問題ないか確認したうえで全体を掃除してください。仕上げの際には、成分が残らないようしっかり拭き取りましょう。
高圧洗浄機の使用
玄関タイルの頑固な汚れを落とすには、高圧洗浄機を使うのもひとつの手です。高圧洗浄機は高い水圧を利用して汚れを吹き飛ばすため、洗剤などを使わず短時間で汚れを落とせます。
家庭用の高圧洗浄機はホームセンターやインターネットでの購入が可能です。またレンタルサービスを行っている業者もあるため、購入を迷う際は相談してみるのもおすすめです。
玄関タイルを汚さないためのコツ
玄関タイルを汚さないためには、日頃の小まめなお手入れが欠かせません。ほうきを取り出しやすい場所に置いたり、玄関周りを片づけておいたりすると、手軽に掃除が行えます。
玄関に入る前に、外で靴の汚れを落とす習慣をつけるのも効果的です。玄関前に置く「泥除けマット」などを活用すると、靴に付着した砂や土が簡単に落とせます。
それでも玄関タイルが汚れてしまう場合は、プロにクリーニングを依頼するのもひとつの方法です。専門家はタイルの素材に応じた適切な掃除方法を見極め、傷を防止しながらきれいに仕上げてくれます。
まとめ
玄関タイルは材質に適したこまめな掃除により、清潔を保つことができます。汚れが蓄積してしまった場合は、重曹やセスキ炭酸ソーダ、高圧洗浄機などを活用してみてください。
それでも落ちない汚れがある場合は、プロの力を借りるのがおすすめです。特にデリケートな天然石のタイルは、専門家に任せることで安心して美しさを保てます。玄関タイルの頑固な汚れを落とし、快適で気持ちのよい玄関をめざしましょう。
執筆年月日:2024年12月