窓サッシの取り付け・交換・修理を業者に依頼する際のポイントを解説

窓を長く使っていると、サッシに不具合が生じることがあります。窓からすき間風が吹く、窓を開閉しにくいなどの現象は、サッシの不具合が原因かもしれません。
本記事では、窓サッシの修理を業者に依頼する際の費用相場や、業者に修理を依頼する際の注意点、自分でできるサッシ関連の修理について解説します。
窓サッシの修理を業者に依頼する際の費用
窓サッシに不具合が生じた際、寒い冬などすぐに直したい場合もあるでしょう。窓サッシの修理は自分でできるケースもありますが、確実かつ迅速に直したい場合は、業者に依頼するのが安心です。しかし、窓サッシの修理費用の相場がわからない方も多いかもしれません。
ここでは、サッシ修理を業者に依頼する際の見積書の見方や費用相場について解説します。
業者の見積書の費用内訳
窓サッシの修理を検討している方は、実際に修理を依頼する前に、業者に見積もりを出してもらいましょう。事前に見積書をもらっておくことで、相場感を把握できるだけでなく、「予想よりも高額だった」といったトラブルを防ぐことができます。また、見積を依頼する際は複数の業者に依頼することで、より安くて技術の高い業者を選定可能です。
窓サッシの修理や交換にかかる費用は、主に施工費、材料費、出張費、廃材処理費などから算出されます。
修理業者のウェブサイトやチラシに修理費用が記載されている場合、最低価格のみ記載していることもあるため注意が必要です。施工実績や実際に利用した方の口コミも見ながら、業者を選定しましょう。
修理や交換にかかる費用相場
窓サッシの修理や交換にかかる費用は、修理内容やサッシの種類、設置場所によって大きく異なります。軽微な修理であれば費用を低く抑えられますが、サッシ自体が破損しているなど、サッシを丸ごと交換しなければならない場合は、費用も高額になりがちです。
また、サッシの交換には壁カット工法とカバー工法の2種類があり、工法によっても費用が異なります。
以下は、窓サッシの修繕や交換にかかる費用相場です。
修理内容 |
費用相場 |
---|---|
サッシの歪み修理 |
10,000~12,000円 |
部品交換 |
10,000~20,000円 |
破損箇所の部分的な修理 |
30,000~36,000円 |
サッシ交換(壁カット工法) |
300,000~500,000円 |
サッシ交換(カバー工法) |
100,000~200,000円 |
サッシ交換(出窓) |
250,000~300,000円 |
窓サッシの交換修理で火災保険が適用されるケース
火災保険に加入している方は、サッシの修理や交換に火災保険が適用される可能性があります。保険の内容にもよりますが、地震や台風、水害などの災害で窓サッシの修理や交換が必要な場合に、被害総額と同額が支払われます。適用条件に合うか、火災保険に入っている方は、修理を依頼する前に保険会社に確認すると良いでしょう。
賃貸物件の場合は、オーナーが加入している火災保険が適用されるケースも多いため、自分で業者に修理依頼をするのではなく、まずは管理会社やオーナーに連絡すると安心です。
ただし、故意にサッシを破壊した場合や経年劣化で破損した場合など、保険が適用されないケースもあります。また、免責金額によっては保険金が支払われないこともあるため、補償内容をよく確認しておきましょう。
窓サッシの交換修理を業者に依頼した際に必要な作業時間
窓サッシの交換修理を業者に依頼した場合、作業時間の目安は最短60分から半日です。窓サッシの一部の交換のみであればすぐに終わるケースもありますが、作業内容や天候、職人の技術によっても作業時間に大きな違いがあります。
例えば、窓を外してサッシを交換するカバー工法でサッシ2枚を交換する場合、一般的な作業時間は約120分です。しかし、主に屋外での作業になるため、雨や雪が降っていると作業時間が延びる、もしくは延期になる可能性があります。また、2階以上のサッシ交換であれば、材料の搬入や廃材処理などにさらに時間がかかることもあります。
業者に確実に修理してもらうためにも、修理のあとに予定を入れないなど時間には余裕を持って依頼しましょう。
窓サッシの交換修理を業者に依頼する際の注意点
修理業者の中には高額な修理費用を要求する悪徳業者も存在します。修理を依頼する際は、いくつかのポイントに注意して業者を選びましょう。
相見積もりを取る
すぐに窓サッシを修理したい場合、ウェブサイトの情報や口コミだけでは業者の見極めが難しいかもしれません。窓サッシの修理を業者に依頼する場合は、必ず複数の業者に見積もりをもらいましょう。
見積書には、当日どのような作業が行われるのか、それぞれの作業や部品にどのくらいの費用や時間がかかるのかが記載してあります。費用のほか、サービス内容もよく確認し、複数社を比較して納得のいく業者を選びましょう。
業者の評判・口コミを確認する
修理業者の中には法外な費用を請求する業者や、窓サッシの修理ができない業者もいます。窓サッシの修理を業者に依頼する場合は、過去の利用者の口コミを確認するのがおすすめです。「業者名 評判」「業者名 口コミ」などで検索してみましょう。
業者のウェブサイトには、良い口コミしか掲載されていない場合もあります。口コミサイトなどに掲載されている生の声を参考にすると良いでしょう。
施工後の保証を確認する
窓サッシはプロの業者でも修理が難しい部分です。業者に修理を依頼して一旦は直ったものの、後日不具合が再発するケースも少なくありません。
修理を依頼する前に、施工後の保証があるか、保証がある場合はいつまで保証可能か確認しておきましょう。保証サービスがある業者は、再び不具合が出た場合も基本的に無料で修理を行ってくれます。
修理業者を選ぶ際は、費用の安さだけではなく、施工後の保証やアフターフォローも含めて検討しましょう。
自分でできる窓サッシの修理
窓サッシの交換のように、業者に依頼しなければ直らないケースもありますが、軽微な不具合であれば、自分でも修理可能です。
戸車の調節
スライドタイプの窓サッシには、一般的に上下左右に戸車と呼ばれるパーツが設置されています。物がぶつかったり地震でゆれたりして戸車の高さがずれると、立てつけが悪くなり、窓の開閉がスムーズにできなくなることがあります。
窓が開閉しにくくなった際は、戸車の側面についているネジをドライバーで締めたり緩めたりして高さを調節してみましょう。不具合を解消できることがあります。
戸車のネジを調整しても不具合が直らない場合は、窓枠や建物の構造に原因があるかもしれません。自分で直せないケースも多いため、無理せずプロの業者に修理を依頼しましょう。
鍵の交換
窓の鍵が開閉しにくい場合、引き違い窓の鍵や三日月の形をしたクレセント錠を止めているネジが緩んでいる、もしくは劣化している可能性があります。窓の鍵に不具合がある場合は、鍵部分を止めているネジをドライバーで締め直すことで、解決できるかもしれません。
また、鍵が壊れている場合はホームセンターなどで部品を購入し、新しいものに交換しましょう。プラスドライバーと新しい鍵を用意し、古いクレセント錠を外して新しい鍵を取り付けます。作業自体はそれほど難しくないため、DIYが得意な方であれば簡単に交換できまるでしょう。
長年同じ鍵を使っていると、経年劣化などで鍵がかけづらくなります。防犯の意味でも、鍵の不具合は早めに直しましょう。
蝶番の調節
片開き・両開きのドアや窓には、開閉を支える蝶番(丁番)という部品が取り付けられています。蝶番は2個の金属片がピンで連結されており、ピンを中心に回転することでドアや窓を開閉できる構造です。
蝶番も長年使用しているとネジが緩み、開け閉めしにくくなったり、立てつけが悪くなって不快な音を発したりします。その場合は、蝶番のネジをドライバーで締め直すだけで、不具合が解決することもあります。
ネジを調節してもスムーズに開閉できない場合は、蝶番のすき間のオイルが切れてしまっているかもしれません。ホームセンターなどで販売されている専用のオイルを、蝶番のすき間部分に吹きかけてみましょう。
窓サッシは定期的な掃除が必要
窓サッシは、定期的に掃除を行うことで修理の頻度を抑えることができます。こまめな清掃は窓サッシの故障を防ぎ、長く使うことにつながるのです。窓サッシの掃除も忘れず行いましょう。
掃除の頻度
窓サッシは、日々の掃除の際に後回しにしがちな部分かもしれません。しかし、窓サッシは細かい溝が多く、ほこりや汚れが溜まりやすい部分でもあります。普段あまり窓サッシの掃除をしないという方も、年に数回サッシ周りのほこりや汚れを掃除するだけで、サッシの劣化を防ぐことができます。
可能な方は、日々拭き掃除をする際に、サッシのほこりも簡単にとっておきましょう。こまめに掃除することで、サッシにほこりが溜まりにくくなり、劣化しにくくなります。
特に自動車や人の通行が多い道路沿いの窓や、海岸が近く海風が吹き込んでくるようなところの窓は、ほこりが入り込みやすくなります。こうした場所の窓は、できれば毎日掃除したほうが良いでしょう。
掃除の方法
サッシの掃除はいたって簡単です。日々の掃除であれば、雑巾でほこりをとったり、水にぬらした雑巾で汚れをふき取ったりするだけで充分です。それでも取れない汚れは、水洗いで汚れを落としてから水気をふき取るか、中性洗剤と歯ブラシを使用して汚れを取りましょう。
サッシの溝など細かい部分は、割り箸に布を巻いたものや、使用済みの歯ブラシを使うと便利です。
サッシの掃除を怠ると、チョーキングという劣化が発生することがあります。チョーキングとは、日光や雨風によって白い粉が発生してしまう現象です。指でサッシをなぞった際に、白いチョークのような粉がつく場合はチョーキングかもしれません。
サッシにチョーキングが見られた場合は、塗膜の劣化が進み、防水性が落ちている可能性が高いため、塗装やサッシ全体の交換が必要になる恐れがあります。窓の交換となると費用も高額になります。窓を長持ちさせるためにも、サッシは定期的に掃除しましょう。
まとめ
窓は長年使っているうちに開け閉めしづらくなることがありますが、定期的な清掃を心がけることで、修理の頻度を少なくすることができます。
不具合が起きてしまった際、軽度の症状であれば自分でも対応可能ですが、窓サッシの修理はプロでも難しい場合があります。自分で修理できないと判断した場合は、防犯面からも早めに業者に修理を依頼しましょう。
執筆年月日:2025年1月