網戸が外れるときの主な原因とは？

網戸が外れてしまうのは、外れ止めの不具合や、長年の使用による枠やレールのゆがみ、強い衝撃によるズレなどが主な原因です。どれも普段の生活で起こりやすいトラブルですが、適切な対処をすれば解決できます。ここでは、それぞれの原因について詳しく解説します。

外れ止めの不具合

外れ止めとは、網戸がレールから外れないようにするための小さなパーツです。網戸の上部や下部に取り付けられており、「振れ止め」とも呼ばれることがあります。このパーツが正しく機能していると、地震や強風などの揺れによる網戸のズレや脱落を防ぐことができます。

しかし、外れ止めに不具合が生じると、網戸が固定できずレールから外れてしまったり、スムーズに動かなくなったりします。具体的には、外れ止めが正しい位置からズレたり、強い衝撃で外れ止めが解除されたりすると、網戸が安定しなくなり、使いにくくなります。このような不具合が発生した場合は、早急に位置の調整や修理を行うことが必要です。

外れ止めは、網戸の安定性を保つ重要な部品であるため、問題が起きた際はすぐに対処することが快適な使用のポイントです。

経年劣化によるゆがみ

網戸は長期間使用していると、網戸の枠や部品が経年劣化し、ゆがみが生じることがあります。レールや窓枠の汚れが、枠のゆがみの原因となることもあります。枠がゆがむと、網戸がスムーズに開閉できなくなったり、レールから外れやすくなったりして、使い勝手が悪くなりがちです。

また、網戸のスムーズな動きを支える戸車（とぐるま）も、経年劣化の影響を受けやすい部品の一つです。戸車とは網戸の下部に取り付けられた小さなローラーで、網戸を滑らかに動かす役割を果たしています。しかし、長年の使用による摩耗や破損が進むと、網戸の動きが重くなり、時には異音を発することもあります。

経年劣化が進行した網戸をそのまま使い続けると、さらなる不具合が発生しかねません。枠や部品の交換や修理を行い、快適に網戸を使用しましょう。

強い衝撃によってレールから外れた

網戸は強い衝撃を受けると、レールから外れてしまうことがあります。網戸を無理に押したり、物や人が強くぶつかったりすることが主な原因です。また、外れ止めが正しい位置にない場合や、取り付けが不安定な場合も、衝撃で簡単に外れてしまうこともあります。 

もし網戸が外れてしまった場合、無理に戻すと他の部品にも負担がかかり、故障を引き起こす恐れがあります。そのため、位置調整や修理を早めに行うと、スムーズに使うことができるでしょう。

網戸が外れてしまったときの対処法

網戸が外れてしまった場合でも、慌てずに対処しましょう。原因をしっかりと確認し、適切な方法で調整や修理を行えば、再発を防ぐことができます。ここでは、網戸が外れたときの具体的な対処法を紹介し、スムーズに使い続けるためのポイントを解説します。

まずは網戸の状態を確認

網戸が外れた場合、まず最初に確認すべきは、網戸自体の状態です。網戸が外れた原因として、枠やレールのゆがみや汚れが影響している場合があります。まずは網戸の枠とレールに異常がないかチェックします。枠やレールが汚れている場合は、ブラシなどで掃除をして汚れを取り除きましょう。 

また、外れ止めが正しい位置にあるかや、戸車の状態、摩耗を確認することも重要です。そうすることで、問題がどこにあるかを特定でき、必要な修理や調整を的確に行えます。

網戸の取り付け

網戸が外れてしまった場合、再度取り付けを行うには手順があります。ここでは、外れ止めの解除から網戸の正しい取り付け方、さらに戸車や枠の調整方法について詳しく解説します。これらの手順を実行すれば、網戸を正常に戻し、スムーズに動作させることができるでしょう。 

【外れ止めを解除】
網戸を取り付ける際、まずは外れ止めを解除しましょう。外れ止めは、網戸が外れないように支える役割を果たしている重要な部品ですが、これを解除しないと網戸を元の位置に戻すことができません。以下の手順で外れ止めを解除します。 

1. 外れ止めの位置を確認：外れ止めの多くは、網戸上部の側面に取り付けられています。位置を確認する際には、破損や異常がないかも確認しましょう。
2. 外れ止めを解除する：プラスドライバーを用いて外れ止めのねじを緩め、下にスライドさせれば、外れ止めを解除することができます。ねじを緩めすぎると脱落することがあるため、注意が必要です。また、無理に力を加えないよう注意しましょう。

なお、外れ止めの解除方法は製品によって異なるため、実際に作業を行う前に確認しておくとよいでしょう。

【網戸をレールに正しく差し込む】
次に、網戸をレールに正しく差し込みます。以下の手順に従い、慎重に作業を行いましょう。 

1. レールの状態を確認する：網戸を差し込む前に、レールに汚れなどがないか確認します。ごみが詰まっていると、網戸がスムーズに動かないため、きれいに掃除しましょう。
2. 網戸を上部から差し込む：網戸の上部を傾けて、レールに差し込みます。上部がきちんとレールに収まっていることを確認したら、下部もしっかりとレールに差し込みましょう。
3. 外れ止めを固定する：外れ止めを上にスライドし、緩めておいた外れ止めのねじを締めて固定します。外れ止めがレールに当たっているとスムーズに動かないため、網戸を動かして調整しながら行いましょう。

 最後にスムーズに開閉できるかをチェックします。がたつきがないか確認し、動きが引っかかる場合は、再度調整が必要です。網戸の種類によって手順が違う場合があるため、事前に確認しておきましょう。

【戸車や枠の調整で動作を確認】
最後に、戸車や枠の調整をします。以下の手順で行いましょう。 

1. 戸車の状態を確認：戸車がゆがんでいたり欠けていないか確認します。
2. 高さの調整：レールと戸車の高さが合っていない場合、調整が必要です。高さを調整するネジをドライバーで回し調節します。高さを上げるには時計回り、高さを下げるには反時計回りに回しましょう。
3. 外れ止めの確認：外れ止めがレールとぶつかっていないかチェックし、ぶつかっている場合はドライバーを使って調整しましょう。

 最後に網戸がスムーズに動くか確認し、引っかかりがないかチェックしましょう。 

網戸が戻せない・動かないときの対処法

網戸を横にスライドさせた際に戻らなくなった、動かせなくなってしまったといったトラブルが起こることがあります。こうした場合は、戸車やレールの汚れ、部品の不具合が原因になっていることがほとんどです。ここでは、網戸の動きを改善するための基本的な対処法を丁寧に解説します。適切なメンテナンスを行うことで、網戸が本来の性能を取り戻せます。

戸車の汚れやゴミを取り除く

網戸がスムーズに動かない原因として、戸車に汚れやゴミが詰まっていることが考えられます。以下の手順で清掃を行いましょう。汚れを除去するだけで、網戸の動きが格段に改善する場合があります。 

1. 網戸を取り外す：網戸を外し、戸車の状態を確認します。上の項を参考に外れ止めを解除し、慎重に取り外しましょう。
2. 戸車を清掃する：戸車部分に溜まったゴミやホコリを取り除きます。乾いた布や歯ブラシを使用すると効果的です。頑固な汚れには中性洗剤を少量つけてよく拭き取ります。
3. レールの掃除を行う：戸車だけでなく、レールもゴミが溜まりやすい部分です。掃除機や雑巾、ブラシを使い、細かいゴミをきれいに取り除きましょう。

清掃を終えたら、再び網戸を取り付けてきちんと動くか、動作を確認しましょう。

潤滑油をさす

網戸の動きが悪い原因として、戸車やレールの摩耗や乾燥が考えられます。この場合、潤滑油の適切な使用でスムーズな動作を取り戻せる可能性があります。網戸に適しているのは、シリコンスプレータイプの潤滑油です。油がベタつきにくく、埃が付きにくいのが特徴です。以下の方法で潤滑油をさしてみましょう。 

1. 網戸を取り外す：上の項を参考に、網戸を取り外しましょう。 
2. 戸車に潤滑油をさす：戸車部分に少量の潤滑油をスプレーします。スプレータイプを使用する場合は、噴霧しすぎないよう注意しましょう。油が飛び散った場合は、すぐに拭き取ります。
3. レールに潤滑油をさす：レールの内側にも潤滑油を少量さします。布や綿棒を使って均一に広げると効果的です。

 網戸をレールに戻して動きを確認します。スムーズに開閉できれば作業完了です。潤滑油を使いすぎると埃が付きやすくなるため、必要最小限の量にしましょう。

戸車の高さを合わせる

戸車の高さが合わない場合も、網戸の動きの悪さの原因となります。以下の手順で調整を行いましょう。 

1. 網戸を取り外す：網戸を取り外して、戸車の状態を確認します。
2. 戸車の高さを調整する：網戸の下部にある調整ネジを見つけ、ドライバーでネジを回して高さを調整します。戸車がレールに均等に接触するように調整しましょう。
3. 網戸を元に戻す：高さ調整後、網戸を元に戻し、スムーズに動くか確認します。動きが改善されていない場合、さらに調整しましょう。

戸車の摩耗がひどい場合や調整がうまくいかない場合は、戸車自体を交換することも検討しましょう。

破損している場合は交換

上記で紹介した「戸車の汚れやゴミを取り除く」「潤滑油をさす」「戸車の高さを合わせる」を試しても網戸の不具合が改善しない場合は、網戸の一部が破損していたり歪んでいたりしないか確認しましょう。 

破損や歪みはスムーズな動きを妨げるだけでなく、外れた勢いで人や物にぶつかる可能性もあり非常に危険です。早めの交換を検討しましょう。また、網戸の耐用年数は5～10年とされています。破損や歪みが見つからない場合でも、耐用年数を過ぎていたら網戸の交換を検討してみてください。

賃貸物件の場合は早めに管理会社や大家さんへ相談

賃貸物件の場合、網戸が外れた際は自分の判断で修理や交換をせず、まずは管理会社や大家さんに相談しましょう。もし自分で修理する場合でも、管理会社や大家さんの指示に従って行うことが重要です。

まとめ

網戸の枠（サッシ）が外れた際、紹介した方法で修理ができる場合があります。ただし、自分での修理に自信がない場合は、業者に依頼することも検討しましょう。特に、経年劣化していたり、部品が破損していたりする場合は、専門の業者による修理が必要です。プロに依頼して、安心して網戸を使用しましょう。

執筆年月日：2025年1月