車のエアコンが臭い原因は?においの対処法や予防法について解説

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車のエアコンが臭い原因は?においの対処法や予防法について解説

車のエアコンをつけたとき、「なんか臭い…」と感じた経験はありませんか?特に梅雨や夏の季節は、エアコン内部でカビや雑菌が増えやすく、車内に嫌な臭いが充満してしまうことがあります。そのまま放置すると、臭いがするのに加えて健康にも悪影響を及ぼす可能性があるため、早めの対策が大切です。

本記事では、エアコンの嫌な臭いの原因と、今すぐできる対策や予防方法について詳しく解説します。車内の空気を快適に保ちたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

車のエアコンが臭い主な原因はカビ

車のエアコンの嫌な臭いの原因は、主に「エバポレーター」に発生したカビです。エバポレーターは冷風を作るため常に冷たく湿気が溜まりやすいため、カビが繁殖しやすくなっています。また、外からのホコリや汚れも付着するため、さらにカビが繁殖しやすい条件が整う状況です。

また、エアコン内部には「エアコンフィルター」があり、ホコリやゴミ、カビなどの異物を取り除く役割を果たしています。しかし、時間が経つとフィルターが汚れてホコリやダニの死骸が蓄積し、除去効果が低下してしまうのです。特にフィルターが詰まると、内部に異物が溜まりやすくなり、臭いが強く感じられるようになります。このような状態が続くと、臭いがさらに悪化する原因となるでしょう。

臭いだけではなく、こうしたエアコンのカビやホコリが原因で、カビの胞子や雑菌が車内に広がることがあります。これを吸い続けると健康に悪影響があるため、定期的な内部洗浄やフィルター交換が大切です。快適な車内環境を保つためにも、エアコン内部の清掃をしっかり行いましょう。

車のエアコンのカビを放置するリスク

車のエアコンにカビが発生すると、カビが付着したエバポレーターから吹き出し、狭い車内にそれらが充満します。この風を吸い込むことで、喘息やアレルギー症状が引き起こされるリスクが高まります。

特に小さな子どもや高齢者が同乗する場合、車内の空気の質は非常に重要です。エアコンの臭いはカビや細菌、ホコリが原因であり、これらのアレルゲンを長時間吸い続けることは、呼吸器への重大な影響を与えることがあります。

最近では空気清浄機能を搭載した車も増えていますが、エアコンからアレルゲンを含む風が出ては意味がありません。

また、カビの臭いが車内のシートに付着してしまうと車のクリーニングが必要となり、売却時の査定額が低くなる可能性もあります。健康面に加えて、将来的な車の売却を考慮すると、早めに対策を講じることが重要です。

自分でできる車のエアコンの臭い対策

カビや汚れが原因で発生する車のエアコンの嫌な臭いに対して、今すぐ自分で試せる簡単な対策が2つあります。これらは簡易的な方法ですが、効果がある場合もあるため、まずは試してみるとよいでしょう。

外気の導入口付近の掃除

送風モードのときに特に臭いが発生する場合、その原因はエアコン内部のカビではなく、外気の取り入れ口付近の汚れかもしれません。外気を取り込む導入口には、鳥の糞や落ち葉、ゴミなどがたまりやすく、これらの汚れが臭いの原因となることがあるからです。

外気導入口は、一般的にフロントガラスのワイパー取り付け部分あたりにあります。汚れがある場合は、プラスチック製のカバーを外して内部をきれいに洗浄しましょう。

外気導入口を意識的に掃除することで、エアコンの臭いの発生を防げます。特に洗車の際には、忘れずに清掃することが重要です。汚れを取り除くことで、外気を取り入れる際の不快な臭いを減らし、車内の空気を清潔に保つことができます。

車のエアコン用の消臭スプレーをかける

市販のカーエアコン用消臭スプレーは、エアコンの嫌な臭いを一時的に改善する手軽な対策として有効です。使用方法は簡単で、エアコンの吹き出し口にスプレーノズルを差し込み、数秒スプレーした後、エアコンをつけて10分程度換気すれば完了です。

消臭スプレーにはカビ防止剤が含まれているものもあり、予防効果も期待できます。しかし、消臭スプレーはあくまで臭いの原因を一時的に対処する方法であり、すでに増殖したカビを除去する効果はありません。

さらに、芳香剤を使用すると臭いが混ざり、逆に不快感を感じやすくなるため注意が必要です。臭いを隠すことにとどまらず、原因を取り除くことが重要です。

業者に依頼すべき車のエアコンの臭い対策

カーエアコンは家庭用エアコンのように簡単に取り外して洗浄することができないため、自己流でできる臭い対策には限界があります。根本的な解決を望む場合は、プロに任せるのが適切です。

ここでは業者に依頼した方が良い臭い対策について、3つ解説します。

フィルターの交換

カーエアコンのフィルターは、エアコン内部の空気の通り道に設置され、ホコリやゴミ、カビなどをキャッチする役割を果たします。しかし、時間が経つとフィルターに汚れがたまり、詰まってくるため、その効果が減少してしまいます。特に車の場合、家庭用エアコンとは異なり、フィルターを取り外して掃除するのは難しいため、定期的に交換することが重要です。

交換の目安は、約1年もしくは走行距離10,000kmごとです。常にフィルターを清潔に保つことで、ゴミやカビの悪臭を防ぐことができます。フィルターが汚れると、エアコンから嫌な臭いが発生する原因となるため、ディーラーや自動車整備工場で交換してもらうことをおすすめします。

エアコンのエバポレーターの洗浄

エアコンのエバポレーターは結露によりカビが発生しやすく、臭いの原因となります。専用クリーナーもありますが、内部にあるため自己流での清掃は難しいでしょう。ダッシュボードを外すなどの作業が必要なため、プロに依頼するのが適切です。

業者に依頼した場合、簡易洗浄で約6,000円、取り外しや高圧洗浄で20,000〜30,000円程度の費用がかかります。抗菌・防カビコーティングを施すオプションもあります。ディーラーやカー用品店、専門業者に依頼できるため、費用と効果を考慮して選びましょう。

ラジエーターやウォーターポンプの交換

冷却システムの基本的な仕組みを理解しておくことは、トラブルへの対処に役立ちます。冷却水はウォーターポンプの力でエンジン内部を循環し、ラジエーターでエンジンの熱を効率的に冷却します。

しかし、ラジエーターやウォーターポンプが破損すると、冷却水が漏れ出し、特有の甘い臭いを発生させることがあります。このような状態になると冷却水の量が急激に減少し、エンジンのオーバーヒートを引き起こす可能性があります。

これらのパーツが故障した場合は交換が必要となります。交換費用はおおよそ20,000~80,000円程度ですが、ウォーターポンプは破損しにくいため在庫がないこともあります。そのため、車を整備工場に預けて代車を利用する必要が出てくることもあるでしょう。定期的な点検を行うことで、こうしたトラブルを未然に防ぐことができます。

普段から行うべき車のエアコンの臭いを防ぐ方法

車のエアコンの臭いは、湿度や水分、ゴミなどの有機物が原因で発生します。これらを取り除くよう意識することで、臭いの発生を抑えることができます。日頃から簡単なケアで臭いを防ぎ、快適な車内環境を維持するようにしましょう。

フィルター内の除湿

車のエアコンを使用した後、湿気が残るとカビや雑菌が発生しやすくなります。これを防ぐために、エンジンを切る前にエアコン内部をしっかり乾燥させることが重要です。

エンジンを止める10分前くらいから、送風モードで15分程度、もしくは暖房を最大風量で10分程度稼働させると、エアコン内部に溜まった余分な水分を排除できます。これにより、フィルターや内部の湿気を取り除き、カビの発生を防げます。夏場は送風、冬場は暖房を使って、湿気がこもらないように習慣づけることが大切です。

車内清掃

車内を清潔に保つことは、エアコンの臭いを防ぐために重要です。食べカスやホコリ、タバコの臭いがエアコン内部に入り込むことで、カビや雑菌の原因となります。掃除機で汚れを吸い取ることに加え、拭き掃除も行いましょう。車内をきれいに保つことで、フィルター汚れや臭いを防ぎ、冷暖房効率も向上します。定期的な清掃を習慣化し、エアコンの長寿命にもつなげましょう。

エアコンを定期的に稼働させる

エアコンはシーズン問わず、月に一度は稼働させることが重要です。特に使用しないシーズンは、内部の水分が排出されず、カビや雑菌が繁殖しやすくなります。定期的にエアコンを稼働させると湿度を下げ、エアコン内部を乾燥させることができ、カビや雑菌の発生を防げます。オフシーズンでも月に2~3回、数分間の内部乾燥運転を行い、清潔な状態を保ちましょう。

車内での喫煙を控える

車内でタバコを吸うと、タバコ臭がエアコンの臭いの原因となり、染みつくと取れにくくなります。予防のためには、車内で喫煙を避けることが重要です。

もし吸う場合は、窓を開けて車内に臭いがこもらないようにしましょう。さらに、喫煙後には車内を換気して臭いが残らないようにすることも大切です。日常的に気をつけることで、車内の臭いを防げます。喫煙習慣を見直すことが、臭い対策には効果的です。

定期的なメンテナンスを行う

10~11月頃、冷房使用終了後にエアコンフィルターのメンテナンスを行うことをおすすめします。フィルターの清掃や交換、スプレーの散布をすることで、カビの発生を防ぎやすくなります。臭いを放置すると、不快である上に、健康や車にも悪影響を与えるため、消臭剤で一時的に対処する方法ではなく、原因となるカビを取り除くことが重要です。

定期的なメンテナンスを習慣にし、快適なカーライフを維持しましょう。

まとめ

車のエアコンの臭いの主な原因は、内部に繁殖したカビや雑菌、ホコリです。タバコや食べこぼしも臭いの原因となり、アレルゲン物質を発生させることもあります。汚れは蓄積しやすく、エアコン内部の本格的な除去は素人には難しいため、プロにメンテナンスを依頼するのが適切です。

臭いがひどくなる前に専門業者に任せて、クリーンな空気で快適なドライブを楽しみましょう。

執筆年月日:2024年11月

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